The 14 Days ~鎮守府合宿での14日間~【再凍結中】   作:M崎

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 戦闘モノ行こうかな~と思ったんですが、私にはやはり無理でした…。

 次の7話にまわしたいと思います。

 …それでは、気を取り直して6話、どうぞ。


第6話 8月3日の大混濁

 

 西暦2014年8月3日(日)。

 

 

 

 「…おいおい、呼ばれてもいない人が合宿参加表明ですか?生憎定員は1人なんだが」

 

 1発の砲声が轟いた直後、俺、神城渓吾(かみしろけいご)はポツリと言葉を零した。

 もちのろんで、皮肉はたっぷり添えてありますよ?なんならソテーもつけましょうか?

 

 そんなこんなで、今、俺がいるこの神津(かみつ)鎮守府は襲撃を食らっている。

 俺の鎮守府合宿初日なのに…なんてこったい。運が悪ぃなぁ…。

 

 正直今回の襲撃は、非常にタイミングが悪かったといえよう。

 俺にとっても、()()()()()()―――。

 

 

 鎮守府第1棟3階、司令官室。

 

 ここは今、10時46分をもって、『総合司令室』と名を変えた。

 

 「敵襲――――――――!!!」

 

 通信役の艦娘がマイクに向かって叫ぶ。

 

 突如戦闘地帯に様変わりした鎮守府で、多数のスタッフや日本海軍軍人、そして艦娘があわただしく動き回る。

 そこに悲鳴はない。あるのは、徐々に大きくなる、()()()のみ。

 鎮守府の空気が、ゆっくりと、緊張を孕んでいく。

 

 そんな空気の中、俺と黒岩(くろいわ)司令官はというと、

 

 「何ですかね?今の砲撃」

 「…神城くん、緊急事態だ。敵襲を食らったらしい。敵は7時の方向(南南西)と11時の方向(北北西)に出現、(バリケード)を突破して着々とこちらに向かっている」

 「何か対策はないんですか?」

 「一応、哨戒機と偵察機を向かわせている」

 

 ドシリアスなテンションで戦闘に対する会話を繰り広げていた。

 

 この会話は、一応限られた人間にしか出来ないらしい。

 …俺も、世界(エレメント)を使えるから戦力に入れているみたいだ。

 良かった…戦力外通告とか貰ったらどうしようかと思った。

 生まれて初めて…いや、生まれて2回目に能力に感謝したぜ。

 あ、生まれて初めての感謝は壁壊したとき。あの時はマジで助かりました。熱中症にならずに済みました。

 

 会話はさらに進む。

 

 「それによると?」

 「7時の方向は深海棲艦の艤装が確認された。第1機動部隊以下艦娘を発進させている。11時の方向は…陸上から戦車や銃器を使って進撃しているという状況だ。対応はさせているが…10分持っていいところだろう」

 

 俺はその言葉で、大体の状況を把握する。

 海と陸からの挟み撃ちですか。割とシンプルでお強い戦法で来てるな。

 特に陸の攻撃は、海慣れしている鎮守府にとって結構不慣れなタイプの攻撃だ。

 防御方法が大丈夫か…怪しいもんだね。

 まあでも、これで俺の行くべき方角は決まった。

 俺が援護すべきは―――弱い方向。

 

 「それじゃあ俺、11時の方角に行って、援護します」

 「そうしてもらいたい。頼む」

 

 やはりそうだったらしい。

 俺は踵を返して、さよならを告げる。

 

 「頼まれました。それでは、行ってまいります」

 「ああ、気をつけてくれ。それと、神城くん。最後に1つだけ―――」

 

 そこで黒岩司令官は言葉を切り、今まで見たこともないような厳しい瞳で、

 

 

 「―――…敵は徹底的に叩き潰せ。極力、艦娘たちに危害を加えさせるな」

 

 

 と、搾り出すように言葉を続けた。

 

 それを聞いて、俺は苦笑する。

 黒岩司令官も怒ってるんだな、こりゃ。

 いや、だってその言葉、裏を返せば、『それ(艦娘)以外ならどんなものを壊しても構わない』って言ってるようなもんだからな。

 鎮守府のトップが言うような言葉じゃない。

 横暴だろう。誰がどう聞いたとしても。

 

 でも俺は、

 

 「―――了解」

 

 うなずきを返して、総司令室を出た。

 

 今はこの人の命令に従うべきだ。わざわざ機嫌を損ねるようなことをしたくないしな。

 鎮守府合宿も満喫したいし。

 

 廊下を走りながら、俺は心の中で毒づく。

 ―――…合宿のイベントに、こんなのは入ってないよな?ジジイ。

 

 

 

                 ★

 

 

 

 司令室を出た俺は、能力を使用するため、手近な部屋に隠れた。

 

 ココなら大丈夫だろう。全然OK~…かどうかは知らん。

 でももういいや。仕方ない。

 なんという名前の部屋かは知らないが、ありがたく使うことにする。

 ここなら、遠慮なく能力を使える。

 

 そして、俺は深呼吸をすると、

 

 「―――世界(エレメント)

 

 そう呟き、能力者モードへとチェンジする。

 

 見えない魔力(ちから)が、俺の中からあふれ出し、7色の光の奔流を作り出す。

 それらは自分の周りに、虹色の光のヴェールを靡かせる。

 まるでオーロラのように。

 ただ光っているだけなのに、そこに潜む存在感は計り知れない。

 光がゆっくりと、俺の体を覆う。

 

 そして5秒もすると、能力者となった俺が、そこに(たたず)んでいた。

 これが、ちゃんとした変身だぞ、覚えとけ?

 

 さて、肝心の形態(モード)だが…これは、使うとするなら1つしかない。

 今の状況に対応できるのは、アレだけだ。

 

 「モード、(ウィンド)

 

 風を集め、収束させて、俺の周りに気流を作る。

 最速の風を、濃密な風を、柔軟な風を。

 どんな風にも作り変えられる、空気の流れを。

 俺は、俺の魔力は、象る。

 

 そして最後に、

 

 

 「天使の靴(エアリエル)

 

 

 と告げると、

 俺の魔力が練り上げていた風が、突如俺の脚に向かって集まりだし、

 

 俺の足に、()使()()()()()()()

 

 …嘘だと思う人のほうが絶対多いよな、これ…。

 ああ…嘘だと思う人のほうが絶対多いよな、これ…。

 だ、大事な事なので2回言いました。 

 

 ただ、事実なんだよなぁ…。

 足から天使の羽が生えているようにしか見えないんだよなぁ。

 我ながらドン引きだぜ。

 

 そしてそんな格好をしている俺は、やっぱり変人なんだろうな…。

 あ、いかん。涙出てきた。

 

 足から天使の羽を生やした、(はた)から見ると変人にしか見えない状態の俺は、半分涙目で、左手を高く掲げた。

 

 「天使の靴(エアリエル)―――1、43」

 

 さらに、掲げていた左手を振り下ろすと同時、

 数字を2つ、声に出して飛ばす。

 

 すると途端、

 天使の靴(エアリエル)が、ものすごい勢いで加速し始めた。

 

 そしてそのまま、ドアを開け放って走り去る。

 

 ―――えーと、この現象を説明すると。ですね

 この天使の靴(エアリエル)は、速度の()()を調整するっつうヤツで、

 あの時俺が言った2つの数字は、速度の倍率の最小値と最大値なんだ。

 つまり、俺が速度調整するとき、さっきだったら自分の走る速さの1倍(=俺のいつもの走る速さ)から×43倍までなら大丈夫ですよということ。

 

 …自分でも思うが、結構強い能力だと思う。

 

 使うの躊躇するようなヴィジュアルがすべてを台無しにするけど…。

 ま、今は緊急時だ。これ使っても仕方ない(しゃーない)だろ。

 

 俺はその能力(エアリエル)を使い、廊下を走って現場に急行した。

 

 

 

                ★

 

 

 

 2014年の、8月3日よ!

 

 

 今日この日、私たち第6駆逐艦隊に、久しぶりの召集がかかったの。

 

 しかも提督直々に!びっくりしちゃうでしょう。

 

 いつもなら気が乗らないところなんだけど、提督直々のお願いだし、なにより私の妹たちが久しぶりの戦闘だって言うことで盛り上がっちゃって、私をおいて行っちゃったから。結局行くことなったの。

 

 私?私は一人前のレディーだから、しっかり妥協して行ったわよ。

 

 でも、戦場なんて、久しぶり。心がウキウキしてくるわね。

 戦場の高揚感は、私にとっても

 …れ、レディーにもそういうことはあるものよっ!お子様じゃないわよっ!

 

 さあ、とうとう暁の出番ね。かかってきなさい、深海棲艦。

 

 

 私たちが今日向かったのは、鎮守府からそう遠くないところ。

 

 指示されたとおりに、途中で寄り道せずに向かったわよ?

 私は言われたことはちゃんと守るから。

 

 「それにしても、司令官が直々にお願い、か」

 「司令官らしくないよねー」

 「わざわざ私たちに頼まなくても、深雪ちゃんや吹雪ちゃんに頼めばよかったのです…司令官の考えることが良く分からないのです」

 「確かに、私たちに頼むような事柄だったのかな…」

 

 目的地に向かう途中は、ずっと4人でおしゃべりしてた。

 

 なんでって?

 

 私たち4人は、黒岩司令官が何故私たち第六駆逐艦隊に任務を頼んだのか、全然分からないで固まっていたの。

 黒岩司令官って、無駄なことは極力しない主義の人で有名なのよ。

 なのに私たちに頼んだってことは…何か裏があるってことでしょ?

 

 でも、そこで私たちは手詰まり。

 だっていくら考えても、わかんないんだもん…。

 

 ………はっ!わ、私は分かってたけどね?もう子供じゃないから、妹たちのために、わざと答えを言わなかったのよ!

 

 ただ、何となく雰囲気が悪いのは…隠しようもないわね。

 

 「私の不死鳥の通り名に、何か惹かれたのかもね」

 

 響が何とかしようとしているけど、今回は無理。

 みんな何となく(うつむ)いちゃってる。

 

 それからしばらく、私たちはおしゃべりできずに、静かーに移動していた。

 

 ――――――――――――。

 

 ――――――――。

 

 ――――。

 

 ――。

 

 ――うう、もう我慢できない。こんな空気、レディーじゃなくたってイヤよ。

 

 そう、レディーよりも前に、わたしはこの子達のお姉ちゃんなの。

 妹たちが困っていたら、助けるのはお姉ちゃんの役目。―――って、古鷹さんが言ってたんだけど…ね。

 

 「―――はい、いつまでもくよくよしない。そういう時は別の話をして、気持ちを切り替えるの。私たちは、司令官に頼まれたのよ?しっかり働いて、司令官を見返すの」

 

 でも今なら、胸を張っていえる。妹たちを元気付けるためには、このくらい言わなきゃね。

 

 「―――そうね。私たちがうかうかしているわけにはいかないわ!」

 「そうだね。不死鳥の名は伊達ではないことを、司令官に証明してあげよう」

 「私も…頑張るのです!」

 

 良かった、何とか元に戻った。

 これも私のお姉ちゃんスキルのおかげね!またひとつ、一人前のレディーへの道はつながったわ!

 

 「―――でも、暁ちゃんがそんなこと言うなんて珍しいのです」

 「ハラショー。そういうことは普通、雷が言うものではなかったかい?」

 「私!?…でも、確かに…」

 「う、うるさい!私だって妹のことはしっかり見てるの!」

 

 まったく、ちょっと調子が戻るとすぐこれだから…。

 やっぱり私が面倒を見なきゃ。

 

 「おっと、そうしている間に、目的地に着いたみたいだよ」

 

 …本当についたみたい。そろそろ集中しよう。

 ここが戦場らしく、響が右斜め前を指差す。

 指差した先には、

 

 「―――何?あの大船団…」

 

 戦艦レ級3()()を中心とした、大艦隊がうなりをあげていた。

 

 「…総数、ざっと見積もっても300。かつてないほどの大規模艦隊だね」

 

 響も表向きは冷静に聞こえるけど、顔がものすごく強張ってる。

 

 ―――私たち4人が全力でかかっても、勝てる確率は0。

 

 司令官は、どうしてこんな大艦隊と戦わせようとしたんだろう…。

 

 私を含めた第6駆逐艦隊の4人は、絶望と困惑で頭を抱えるしかなかった。

 

 

 

 




 渓吾「駄文率高いなぁ…」
 作者「特に今回の話は、暁ちゃんを入れたせいで大混乱になったからね」
 渓吾「怒涛のフラグ回収も次に延期と…」
 作者「もうどうにかしてください…(パタッ)」
 渓吾「あ、コイツ死んだわ」

 作者「ちなみに皆さんはどの艦娘が好きですか?」
 渓吾「…?なんだ、急に?」
 作者「アンケートだよ、アンケート。私としては、ここらで一発、読者とのコミュニケーションを図ろうとだな」
 渓吾「感想返信遅いのに、か?今更ステマかよ」
 作者「ぐっ……!!…痛いところを」
 渓吾「事実なんだからしょうがないだろ?」
 作者「…ちなみに私は、瑞鳳が大好きです!というか、空母系統わりかし好きです」
 渓吾「はいはい、出るといいな、次」

 作者「次もまたよろしくお願いします!」
 渓吾「感想頼むぞー」
 作者「アンケートもよろしくです」

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