The 14 Days ~鎮守府合宿での14日間~【再凍結中】   作:M崎

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 さあ、8話のフラグ大改修だ!
 …無理やりにでもテンションあげないと辛い…。

 それでは、どうぞ…。




第9話 8月3日のガーディアン

 ―――すると、瑞雲を撃ち込んでから14秒後。

 

 瑞雲12型(新型)は、周りに迫る敵潜水艦が私のところに来るのを、玉砕しながらも阻止してくれたの!

 ありがとう、本当に、ありがとう!

 

 さあ、私も、瑞雲の働きに報いなきゃ。

 純国産超弩級戦艦扶桑を、舐めないことね!

 撃つタイミングは、今!

 

 「―――主砲、目標に向かって、撃てぇ!」

 

 途端、ズドンという大きな音を立てて、私の35.6センチ連装砲が火を噴いた。

 飛び出していく私の砲弾。

 私の悲願(おもい)は、敵を滅ぼせる一手になる…っ!!

 

 やがてズガァァァァンという大きな音がなり、

 敵空母3艦が沈んでいくのが水偵からも私の目にも、しっかりと確認できた。

 

 「―――や、やったっ!!」

 

 私の主砲に、火力があってよかったっ!

 なんとか、作戦は成功ね!良かった…。

 ふう、ちょっと疲れてしまったわね。

 この戦いが終わったら、しばらくはお休みをいただかない、と…。

 

 ………………。

 

 そこまで思って、私は、

 何(・)か(・)と(・)て(・)つ(・)も(・)な(・)く(・)嫌(・)な(・)予(・)感(・)がして、首を動かし左を見た。

 

 するとそこには、

 

 

 「い、痛いっ………や、やっぱり私は…不幸、なんだ、わ…」

 「や、山城っ!?」

 

 

 中破はおろか、大破寸前まで壊れかけている妹(山城)が、かろうじて立っていた。

 見るも耐えない状況に陥っている妹。

 それを見て、私の脳も恐慌状態に陥る。

 

 ―――私は、どこで、何を、間違えたの…っ?

 ―――どうして私ではなく、山城が!?敵は私が撃滅したのに、何故!?

 

 私がオロオロと焦っていると、横から妹の苦しげな声が差し込まれる。

 

 「―――ね、姉さま…み、右を見て…」

 「やま、しろ………分かった」

 

 山城からの懇願もあり、山城から一先(ひとま)ず視線をはずし、山城へ向けて砲撃を撃ったであろう方角を見ると、

 

 

 「――――――ああ…これは無理ね…」

 

 

 敵空母が新たに6(・)艦(・)、私の方を向いていた。

 それも、私から見て、完全に死角だった方角に。

 突然、とも言わんばかりに。

 

 敵意を見せながら、ぐるりとあたりを見回しながら。

 

 彼女らの深い蒼の双眸と、私の憔悴しきった目が合う。

 そしてそれと同時、私は納得する。

 

 …ああ、だから、山城は砲撃を貰ったのね…。

 ―――私が大反乱の猛威に気づかなかったから。

 大反乱が如何(いか)に規模が大きいのか、理解していなかったから。

 敵は、大反乱のときくらい、総力を挙げて攻めてくる。

 その中に空母なんて、たくさんいるはずよ。

 

 この失態はそれに気づかなかった私のミス。

 私の、ミス―――。

 

 

 私は絶望と責任感に押しつぶされそうになりながら、蒼の双眸を見据える。

 すると、その6艦の先頭にいた空母は、私を見て、

 

 

 ―――ゆっくりと、しかし確かに、笑(・)っ(・)た(・)。

 

 

 それはまるで、私に、

 

 『小賢シイ真似ヲ。纏メテ叩キ潰シテヤルゾ!!』

 

 と、言っているふうにも見えて。

 私は、今までの私の行動が、どれだけ無駄だったのかを悟って。

 私は、今度こそ、顔全体を絶望の色に染めた。

 

 「きゃあっ!」

 「うわあっ!」

 

 前では、伊勢・日向が敵の砲撃を浴びているのが見える。

 

 ―――私の、せい。

 

 震える目で左の山城を見ると、既に大破の表示が出ており、これ以上の航行は困難な状況になっている。

 

 ―――私の、せい…。

 

 私の瑞雲も、もう2割も残っていない。

 

 ―――私の、せいっ――!!

 

 今までの痴態、全部全部、私が独断で行動したせいだっ…!

 私の…バカっ!!

 

 私は絶望と罪悪感に耐え切れなくなって、思わず腰をストンと落とす。

 その瞬間だった。

 

 「扶桑姉さん、後ろ!」

 

 張り裂けるような声で、山城が叫ぶ。

 震える目で後ろを向くと、敵重巡が、砲撃を放つのが見える。

 ズドン、という音と共に。

 

 私にはそれが、酷く遅く感じた。

 

 ああ―――これが、走馬灯というものですか。

 

 ―――最初から、私の策は空振っていた。

 ―――私のせいで、3人にも被害が及んだ。

 ―――今の私には、後悔しかない。

 

 私は、悔やむ。

 3人を、見捨ててしまったことを。

 

 ―――ああ、やっぱり私は、沈むのね…。

 ―――せめて、山城だけでも、無事だといいのだけれど…。

 

 ゆっくりと動く世界で、今更、後悔に震える。

 でも、もう仕方がない。運命には、逆らえない―――。

 

 せめて、私の死によって、他の3人の運命が、いい方向に動いて。

 お願い、神様―――。

 

 そう神に願い、ぎゅっと目を閉じたそのとき。

 

 

 

 「運命ってのは、一応変えられるもんだからな。諦めるには、まだ早いぜ?」

 

 

 

 決して聞こえるはずのない男の声と、ズギャン、という音が、私の耳に届いた。

 世界に色と光が戻る。

 それら2つが交じり合い、景色を形作る。

 

 そんな絶好のタイミングで、私は我に返ったように前を見る。

 そんな私の目に真っ先に飛び込んできたのは、

 

 

 

 「あらら、シケた面構えしちゃって。今から死ぬの?死ぬには若すぎるだろ、お前等」

 

 

 

 す(・)べ(・)て(・)撃(・)墜(・)さ(・)れ(・)た(・)敵の砲弾の残骸と、

 青い剣を左手に携(たずさ)え、静かに佇(たたず)む1人の男だった。

 

 その男は、私たちの前に悠然と構え、私たちを守るかのように立っている。

 蒼い光を纏い、周りの人々を癒し、護るかのように。

 誰1人として傷つけず、傷つけさせないように。

 

 しかし、彼はただ立っているだけだ。何も、特別なオーラを出しているわけではない。

 しかし、ただそれだけなのに、私の心に、安心感が漂う。

 

 「あ、あ―――」

 

 私の口から声にならない声が漏れ出る中、その男―――神城渓吾(かみしろけいご)は首だけくるりと振り向き、

 

 

 

 「―――助けに来たぜ。俺が来たからには、もう大丈夫だ」

 

 

 

 ニカっと笑った。

 

 それは同じ微笑みでも、さっきの空母の笑みとは似ても似つかぬ、優しく穏やかな笑みで…私は知らないうちに、涙をこぼしていた。

 

 

 

                 ★

 

 

 

 「運命ってのは、一応変えられるもんだからな。諦めるには、まだ早いぜ?」

 

 やはり…私の目に狂いはなかった。

 彼は私の退屈な日常を、こんな素敵な言葉と共に、打ち破ってくれた。

 しかも、以前壁を壊したとき(3話)よりも、もっと格好いい登場で。

 あの時よりもっと凛々しい顔をしていて。

 何故かは知らないけど―――見惚れてしまった。

 

 ―――私、どうしちゃったんだろう…。

 

 

 

                 ★

 

 

 

 「―――助けに来たぜ。俺が来たからには、もう大丈夫だ」

 

 

 歯の浮くようなキザーなセリフで、私たち第1航空戦隊(いっこうせん)の左に、突如現れた神城渓吾(かみしろけいご)。

 いつもの私なら、『何カッコつけてんのよ、このクソ野郎!』って軽蔑しているとこだったんだけど…。

 

 ピンチに颯爽と登場して、私たちに向かっていた砲弾を剣ですべて撃墜したこの男(神城渓吾)に、私は不覚にも―――見惚れてしまったの…。

 

 …っ!ま、まあ?私が彼に見惚れてしまったのは一瞬であって?別にジロジロ見ているわけじゃないからねっ!そこのところ、勘違いしないでよ!?

 

 でも、数瞬前まで、私たちはピンチの真っ只中にいたの…。

 

 最初はうまくいっていたのよ?赤城先輩や加賀先輩、漣、潮と一緒に、敵の重巡を沈没させて、これはいけるっ!って思ってたのよ。

 でも、敵の空母が9艦も左方向に出現してから、戦況が全部変わった…。

 敵が何時にも増して激しい攻撃をしてきて、主力空母である赤城先輩や加賀先輩が負傷してしまったのよ…。

 私たち第7駆逐艦隊の面々も、一番下の妹、潮が中破して、漣や私も小破してしまったの。

 

 敵の空母は遠くにいた3艦が沈没していたけど、6艦も残ってたら勝ち目なんてほとんどないじゃん?

 そしてそこに、敵の戦艦が砲弾を撃ち込んできて、あわや大惨事ってところに、

 

 

 「運命ってのは、一応変えられるもんだからな。諦めるには、まだ早いぜ?」

 

 

 っていう声が聞こえてきて、蒼い光と一緒に、砲弾が切り刻まれて堕ちていくのが見えた…。

 

 これで見惚れるなっていうほうが無理じゃない?

 

 ―――そうよ、私は悪くないじゃない!カッコよく登場して、綺麗にすぱっと砲弾を斬って、私たちのピンチを救って…。アイツがキザ過ぎるのが悪いのよ…っ!!あり得ないっ!!

 はぁ…ホント、冗談かも知れないけど、すべて事実。

 

 私たちのピンチが救われたのは、紛れもない現実なんだから。

 

 現に、私の周りにいる漣、潮、赤城先輩、加賀先輩も目が…その、ハート型というか、夢うつつというか…よ、要するにデレてるってことよ!!

 

 ちょっとどころかすごく安直っぽいけど…実際に見てみると、違うものよ。

 神城渓吾(かみしろけいご)…ちょっと、気になるなぁ…。

 

 

 

                 ★

 

 

 

 ―――何だよー、私たち、来た意味ないじゃーん。

 

 提督から、『第1航空戦隊(いっこうせん)』を支援しろって言われて。今度こそ鎮守府に貢献してやるって出てみたら、

 

 赤城先輩や加賀先輩、第7駆逐艦隊の皆々様が、負傷しかかってるじゃーん?

 んで、その前には、敵艦隊がざっと見70艦いて、ふーふー鼻息荒くなってるじゃーん?

 

 もうこれは鈴谷たち最上型重巡洋艦の出番だねっ☆って思って、他の3人と一緒に(姉妹ともども)ぴゃーっと突撃しようとしてみたらですよ。

 

 あの集会(3話)に出てきた、神城渓吾(かみしろけいご)とかいう男が、颯爽と敵の砲弾を切り刻んでいったのよー。

 

 超カッコイイ登場の仕方だと思うじゃぁん?

 ま、それだけだったら良かったんだけど、その登場にプラスして、

 

 

 「―――助けに来たぜ。俺が来たからには、もう大丈夫だ」

 

 

 って凛々しく言ったら、もうこれ惚れるしかないでしょっ!!!

 

 顔もちょっち格好いいし?

 登場シーン超いいし?

 タイミングばっちしだし?

 というかウチ(第7戦隊)の人たちがなんか夢中になっちゃってるし?

 

 最上姉さん(もがみん)や熊野ならまだしも、三隈姉さん(くまりんこ)が堕ちちゃったのは意外だなぁ。それほど神城くんカッコ良かったんデショ。

 

 3人とも周りの景色が見えてないのよぉ~。ほわんほわんしちゃってるの。

 こういうのなんていうんだっけなぁ―――心ここにあらず、ってヤツ?

 

 ま、私も見惚れちゃったんだけどね♪やっぱ神城くんカッコいいわ♪

 まだ好きかどうかは分からんけど。

 

 

 

                    ★

 

 

 

 同時刻、鎮守府前。

 

 

 「はは、ははははははははははっ!素晴らしい、実に愉快だ!!」

 

 敵は、神城渓吾の姿を見て、哄笑していた。

 

 「こうも早く、能力を開放してくれるとは…嬉しいものだ」

 

 本心から出る言葉。しかし、それはどす黒く真っ赤な悪意に染まっている言葉。

 そんな敵は、彼の扱う剣をみて、さらに目を輝かせる。

 

 「おお、あれが神の剣…」

 

 神城渓吾が扱う、蒼い色の剣。

 氷の息吹を纏わせ、凍てつかせるような冷気を放ちながら、凛冽に、怜悧に、佇む蒼。

 

 銘を、

 

 

 「―――迅氷剣(じんひょうけん)・テュルフィング―――」

 

 

 

 ―――神城渓吾(イレギュラー)は、蒼を纏い、悠然と構える―――。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




作者「安直の2文字に尽きますねっ!!」
 渓吾「確かに…」
 作者「中盤とか半ば強引に進めたんで、ちょっとどころかものすごく変な話になってしまったし」
 渓吾「うんうん、読んだら分かる」
 作者「駄目だなこれは。私には文才がない」
 渓吾「Yes,my load」
 作者「今更従順になるんじゃねぇ!」
 渓吾「あ~、そっスね~。アンタ、文才とかね~もんなぁ~、ギャハハ」
 作者「何で対極に飛ぶんだよ!そんなチャラいの今いらん!」
 渓吾「えー」
 作者「…チッ………ま、まあ、私の気持ちはすべて曙ちゃんが代弁してくれているので、ここでは何も言いませんけどね」
 渓吾「確かにそうだな」

 渓吾「…んで?俺に断りなく迅氷剣(テュルフィング)を7話前に出した理由を聞こうか。納得できる理由なんだろうなぁ…?」
 作者「―――え?………え、えと、それは、その…」
 渓吾「問答無用」
 作者「がッ!!?………(ガク)」
 渓吾「天罰だよ、これは…。はぁ、出す気はなかったんだけどなぁ」

 渓吾「まー二つ名見たら分かる通り、7話登場の迅雷剣(ヴァナルガンド)の兄弟剣だ。俺が言うのもなんだが、結構強いぞ。何たって―――」
 作者「…なんか剣の話でここ終わりそうなので、ここいらでペンを置きます」
 渓吾「うぉい、まだ俺の話は終わっていないのだーがー」
 作者「それでは、また!10話でお会いしましょう!」
 渓吾「…コイツ終わらせやがった…感想もよろしく頼むぞー…」

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