英雄伝説 魔の軌跡   作:閃の細道

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いや、戦闘描写という戦闘描写にならなかったです、はい。
申し訳ありません……

ケルディック編までにはしっかり勉強しておきますのでご容赦を……


という訳で、第4話、始まります。

※2015.08.09 修正


特科クラスⅦ組、ここに結成

 

 ”特例オリエンテーリング”という名で始まった迷宮探索。そんな今の状況で、最初にやるべき事は戦力の確認である。

 未踏の地を進む場合は、単独行動よりも集団行動を行うのがセオリーだ。それも見ず知らずの面々であり、戦力不明の状態でいる時点でそれは明白。

 

 なのだが、そんな事よりも自身のプライドを優先して、現在進行形で揉め続ける彼らは単独行動に出て行く。

 勿論それはマキアスとユーシス。あれよあれよと言い争いを始め、それぞれ一人で奥に進んでしまった。ついでにフィーもいつの間にかいなくなっていたが、そちらはあまり気にしていない。その実力を知っているので、気にする必要が皆無なのである。

 

「全く、困ったものだな」

 

 そう扉に向けて呟いた青髪の少女は、いつまでも嘆いていても仕方ないといった表情でこちらを向く。

 

「ごもっともだな。行っちまった以上、今ここでは関係ない。で、どうするんだ?」

 

 この入学したての学院生達に合わせる為に、スレインはあえて話に加わる事を選んだ。正直言って、これくらいのダンジョンであれば単独行動でも問題がない。否、この数十倍の難易度でも問題がない。しかし、協調性というものをこれ以上崩す訳にもいかないとも思い、会話だけには参加すべきだろうという理由である。

 

「とりあえず戦力を把握しよう。自己紹介も兼ねてな」

 

 先程呟いた青髪の少女から提案があり、互いに自己紹介をしていく。

 

「人数、得物、得意分野。男女共にバランスが取れてるから、男女それぞれ3,3で進みな」

 

 青髪の少女、ラウラが、その言葉を聞いて不思議そうな顔をする。

 

「そなたはどうするのだ?」

 

 ラウラ・S・アルゼイド。『ヴァンダール流』と並び帝国の双璧とされている流派『アルゼイド流』の使い手で、『光の剣匠』と言われる大陸でも随一の剣士、ヴィクター・S・アルゼイドの息女である。得物は師であり父と同じく両手剣であり、恐らくは新入生随一の腕前の可能性がある。口調が少し固い様な気もするが、淑やかの賜物という事で目を瞑ろう。

 

「ん? 俺はとりあえず先行した奴らを追っかけるわ。どう考えても危なっかしいからな。そっちは戦力的の問題ないだろ?」

 

 手に持っている騎士剣をくるくると回しながら、ぶっきらぼうに答える。

 

「俺達は構わないが、スレインは大丈夫なのか?」

 

 リィンのその言葉と同じ疑問を抱いた他の面々も、どこか心配そうな顔でこちらを見る。

 

「まぁね。こういうの慣れてるから。じゃ、出口でなー」

 

 あまり突っつかれても答えるのが面倒なので、それだけ言い残して足早に扉の先に向かっていく。

 

 あのメンバー、ましてやこの程度の迷宮区ならば、脱落者なんて出ないだろう。それよりも問題なのはユーシスとマキアス(あいつら)だ。面倒事は御免なのだが、ここで何かあった方が面倒である。

 これ以上状態が悪化していない事を祈りながら、ため息をついて走りだすのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

―――*―――*―――

 

 

 

 道を進みだしてから数分。スレインの周囲に風が吹くと、先程から絶賛喧嘩中の片割れが見つかった。慣れていない者が警戒しつつ前に進むというのは、余程自信がないとそれほど遠くに行く事は出来ないのである。

 

「おい、マキアス!」

 

 スレインは数セルジュ先にいる緑髪の少年に声をかける。

 

「! あぁ、君は……」

 

 後ろから名前を呼ばれた彼は、相当警戒していたのだろう。瞬時に振り返り見せたその顔は、緊張の糸が解けてすぐに安堵の表情となっていた。

 

「そういえば、自己紹介がまだだったな。俺はスレイン。スレイン・リーヴスだ。よろしく」

 

 彼に追いつき足を留めると、何か聞きたそうな表情で、こちらをまじまじと見つめてくる。

 

「あぁ、よろしく。ところで、君は―――」

 

「お前は戦場のど真ん中でも相手の身分を聞かないといられないのか?」

 

 マキアスの言葉は予想していたので途中で口を開いて遮る。冷ややかな目線と無表情なスレインから放たれたこの一言は、マキアスの顔は引きつらせるにはその一言で十分だった。

 

 しかし、これは威嚇でも嫌悪でもなく事実である。銃弾やアーツが飛び交う戦場で必要な事は、身分や出自ではない。敵か味方か、ただそれだけである。現状を悟らせる為にこの言葉を選んだのだが、少々キツかった様だ。彼の顔色が青ざめていくのを悟り、バツの悪そうな顔をして話を続ける。

 

「俺は貴族ではない。それでいいだろ? とりあえず、後方のメンバーと合流してそのまま出口を目指してくれ」

 

 そう言い残してスレインはもう片方を見つける為に前へと走りだした。

 

 

 

 

 

 

 

 

―――*―――*―――

 

 

 

「くっ、数が多いな。しかし!―――『エアストライク』」

 

 数体の魔獣に囲まれた金髪の少年は、斬撃の合間に、僅かな詠唱時間を挟んでアーツを打ち込む。。

 一体ずつ確実に倒しているハズが、同時に更なる魔獣が近づいていく。その戦いの音を聞きつけるがのごとく、一体を倒すと一体が歩み寄る。まさにイタチごっこと言える状態であった。

 

 そんな悪戦苦闘の状態を遠巻きに見ている少年がいた。

 

「んー、そろそろ……か。あれくらいは造作も無いと思ったんだがなぁ」

 

 物影に隠れていた少年はそう呟くと、体勢を低くして1歩踏み込む。その刹那、金髪の少年と魔獣の間に割って入っていた。

 

「ユーシス、加勢するぞー」

 

「!? き、貴様! 加勢などいらん!」

 

 何処からともなく現れた事に一瞬驚くユーシス。目の前に現れた少年の言葉に口では強がってみたものの、現実問題ユーシスの体力はかなり消耗していた。ここに来るまでも戦闘を数回繰り返した事で、疲労が蓄積されている。更に、一向に数が減らない魔獣の群れを相手に、精神も疲弊していた。

 正直な所、九死に一生の状態であるのは間違いない。そんな事を考えていたのは、ほんの数秒。緊張の糸が切れて、少しゆっくりと瞼を閉じた後、目の前の光景は考えられない状況に変わっていた。

 自身の目の前に10体はいたであろう魔獣は、跡形もなく消えていたのだ。

 

「なっ!?」

 

 言葉も出ず、目の前の事を理解出来そうもない彼に、スレインは形式的な自己紹介で対応する。はっきり言って説明するのも面倒だと思った事は言うまでもない。

 

「―――という訳で、恐らくユーシスが最後尾(ラスト)だ。とりあえず先に進もうぜ」

 

 実を言うと、マキアスと別れた後、2つ先の分岐を進んだ広間で、単身でこのダンジョンを攻略中のフィーと合流。フィーは誰も見かけていないとの事だったので、そのまま女性陣と合流して出口に向かう様に説得。1つ手前の分岐で出会ったリィン達がマキアスと合流したのを確認して、正解の道を教えて出口まで直行させた。そして、その分岐を逆方向に向かってユーシスを迎えに行った。

 というのが、ユーシスと合流する前に行っていた行動である。そう、スレインは|このダンジョンの構造をすでに把握し誰よりも早いスピードで《・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・》、他のメンバーのフォローをしていたのである。

 

「貴様、スレインと言ったな。先程のアレは何だったのだ?」

 

 最後尾という事に少し焦りを感じてくれたユーシスは、出口に向かい走りながら問いかける。瞬きをした刹那の出来事。読んで字の如く、“一瞬”で10体の魔獣を倒したあの光景についてである。

 

「んー? 別に? ただ10体を三回ずつ切っただけだぞ? 切れ味が悪かったから大変だったぜ」

 

 ケラケラ笑いながらそう話す少年の言葉に絶句する。10体を三回。つまり一瞬で30回の斬撃を繰り出した(・・・・・・・・・・・・・・・)と言っているのだ。いくら何でも常人には無理な芸当である。いかに剣術に優れていても、そんな事が出来る人間など聞いた事がない。

 頭の整理が出来ていないユーシスを横目に、最奥まであと一歩の所まで来ている事が分かるスレインは、目の前の気配に違和感を感じていた。

 

「ユーシス。あの部屋が出口なんだが、敵が1体いる。大型の魔獣だ。出口に入った瞬間、アーツを足元にぶち込めるか?」

 

 その冷静な言葉を聞いて我に返ったユーシスは、彼の目が真剣で、かつ今までと違う事に気づき、相槌を打つ事しか出来なかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

―――*―――*―――

 

 

 

「石の守護者『ガーゴイル』……なぜこんな所に?」

 

 長髪を1つに結い、両手で魔導杖を持っている少女、エマ・ミルスティンはそう呟く。

 

「くっ、ダメージが通らない」

 

「浅く入ると回復されるな」

 

 ラウラ・リィンの順で言葉を発し、その巨体を前にたじろぐ。

 

「一旦、下がろう。アーツの方がいいかもしれない」

 

 そう呟いた長身の槍使い、ガイウス・ウォーゼルが作戦を立てる。

 

「援護する」

 

 双銃剣(ダブルガンソード)を両手に操るフィーが弾幕を張る。一拍置いて「僕も援護する!」と発しながらマキアスもショットガンで加勢し、ガーゴイルの行動を阻害する。

 そして前衛組3人が前線を下げると同時に、3種のアーツが連発した。

 

「―――敵の弱点を調べます! 『アナライズ』!」

 

「―――これならどう? 『アクアブリード』!」

 

「―――これで終わりよ! 『ファイアボルト』!」

 

 エマは弱点を探す為にアナライズを発動し、エリオットはガーゴイルの顔面をめがけてアクアブリードを、それに合わせて金髪の少女、アリサはファイアボルトを打ち込む。

 銃弾とアーツの爆煙で敵の姿が見えなくなった彼らは、「これなら少しはダメージが入っているだろう」などと、淡い期待を抱いていた。

 しかし、その数秒後。煙が晴れた途端、一同は困惑と戦慄の表情を浮かべる。

 

「効いてない……くそっ、どうすれば……」

 

 リィンがそう呟いた、まさにそのタイミングだった。

 

「くらうがいい! ―――『エアストライク』!」

 

 後方から聞こえた、その悠々たる声に目線が聞こえたと同時に、アーツの軌道が目線に入る。そして、見据えていたその標的の前に、1人の少年が現れる。

 一体どこから、いや、どうやって目の前に現れたのか。自分達8人が敵の前にいる時点で、この戦闘は混戦状況。前衛組が一線引いたとしても、後衛組との距離が近いので、仮に後ろから来たとしたら誰かに接触する可能性もある。それにも関わらず、誰も気づかない様な速度で最前線に出た少年に、一同は目を丸くして声を出す事さえも忘れていた。

 

「いやー、よく頑張ったねぇ。こいつ相手じゃ、確かにアーツが良いんだが、前衛ももう少しきばろうぜ」

 

 そう呟いたスレインは、目にも留まらぬ早さで斬撃を敵に浴びせていく。そして、バランスが崩れた箇所に力を乗せた一突きを放ち、ガーゴイルを数セルジュ後方に吹き飛ばす。

 かろうじて剣筋が見えたリィンでさえも、5撃目からは把握しきれていない。一同はその剣捌きに唖然として、一歩も動けず、ただ呆然と見る事しか出来なかった。

 

「あれは侵入者を感知すると生命体となり襲い掛かって来くる守護者だ。その中でもとにかく頑丈な上に自己再生能力とかも備わってる種だから、一気に潰さないと長引くだけだぞ」

 

 解説と対策を同時に話したスレインは後ろを振り向く。口を開けて呆然としていた一同は、少年と顔を見たと同時に、正気を取り戻したかの様に各々の武器を構え直した。

 

「(さて、どうやってこの戦いを終わらせるかだが……)」

 

 スレインは心の中でそう呟くと、再び正面を向き直し、この戦いを終わらせる為の方程式を考える。

 

「(ARCUSを使っての実戦闘。オリエンテーリングが簡易的ではあるが、迷宮区画を踏破するという事。そして支給されたのがARCUSという事。って事は、戦術リンクだろうな。ガラじゃないんだが、もう一度敵さんに集中してもらうか)」

 

 この戦いを終わらせる方程式が組みあがり、体勢を取り戻しつつある標的を前に、一呼吸置いて全体を見渡す。

 

「前衛組は俺と合わせて左右から敵の足を中心に体勢を崩せ! 後衛組はバランスが崩れたタイミングでアーツを右から胴体めがけてぶち込むんだ! フィーは反撃のタイミングを狙って遊撃! いくぞ!!」

 

 スレインは叱咤するかの如く、全員へ向けて一息で発言する。その言葉で今やるべき事を悟った全員は、スレインの言葉を実践する為、それぞれの役割を果たしていく。

 

 その刹那、全員の懐に青白い温かな光が発せられ、光のラインで10人が結ばれる。不思議とその光には、言葉がなくても全員がどう動くかが瞬時に頭の中に流れ込んでいく。

 

 スレイン・リィン・ラウラ・ガイウスが、左右からガーゴイルの足を切り崩しにかかり、それと同時に行われるフィーの牽制で、敵は動けずに反撃の機会を失っている。数秒を置き、足へのダメージが蓄積していた敵はその巨体のバランスが崩れた。

 その瞬間を知っていたか様なタイミングで、アーツの猛襲が敵に襲いかかる。その勢いで敵は地に足を付ける事を維持出来なくなり、大きくよろめき転倒した。

 刹那、手に持つ大剣を上段に構え直したラウラが飛び出し、首筋めがけて大きく切り下ろし頭部を切断。その動きには迷いもなく、戦いに慣れている証でもあった。

 

 たった数秒の出来事であったが、手に取る様に互いの動きが分かった彼らには、達成感と安堵感をが現れていた。そして、敵が活動停止した事を確認すると同時に、魔獣特有の赤黒い閃光を放ちながらその巨体は霧散した。

 

「(なんとか上手くいったか。ぶっつけ本番にしちゃ上出来かな)」

 

 スレインはそう心の中で言葉を発し、この戦いの最終幕(ラストスパート)に起きた現象について、不思議に思っている全員の顔を見た。

 

「なぁ、スレイン。今のは……」

 

 恐らく、青白い光の事について、何か感づいたかの様な表情をしたリィンが問いかける。

 

「ま、どういう事かは教官様に話して貰えばいいだろ? サラ、説明よろしく」

 

「そ。今のが”戦術リンク”。それが新型戦術オーブメントARCUSの特徴にして本領。戦場で使用するには、まさにうってつけの機能ってわけね」

 

 ”リンク”で繋がれた者同士の行動を互いに予測し、常に一手先の行動を判断し作戦を立案・実行できる機能。それが今回の様に、複数人の間で結ばれるとなれば、戦場において絶大な恩恵をもたらすのは明らかである。どんな状況下でも最大限の連携が可能となれば、対人戦闘の中では、革命的とも言える機能である事は明白だ。

 

 大広間の上段、この旧校舎の出口の前で石の守護者(ガーゴイル)との戦闘を、そこから見守っていたサラは、そんなスレインの言葉に促されて階段を降りて彼らの前まで歩を進める。

 

 その発言は、このオリエンテーリングの意味が、先程の戦いで自分が導き出した結論と同じだと裏付ける発言であった。

 戦術リンクという、ARCUSの最大の特徴を身をもって体感させる為に行ったに違いない。戦闘慣れ(・・・・)をしているスレインやフィーはともかく、一介の学生達に置いて、実戦を経験している者は少ないだろう。そんな面々であっても、この戦術リンクを利用する事で、多少レベル差があるにせよ、今回の大型魔獣は倒せるという事を踏んだ『初実戦』がこのオリエンテーリングという訳だ。

 

 それでも、いきなりこの戦術リンクを利用出来る人間は数少ない。おおよそ、ARCUS適性が高い人間がこのクラスという訳なのだろう。

 

「(あの皇子は武装集団でも作るつもりかよ……)」

 

 しかし、それと同時に、ARCUSの適性が高いだけで選ばれたクラスなのか、という疑問も生まれる。適性と言っても、利用者にそれほど優劣が付く様なものではない。元々戦術オーブメントは、誰でも利用が出来る様な状態で世に出ている為、適性で勝敗が決まる様な事はありえない。仮に戦術リンクに高い適性が必要であっても、それを上回る個の力があれば簡単に状況はひっくり返る。つまり、適性が高い事を表面上の理由にして、他の隠された理由で集められたメンバーがこのクラス。そう考える方が、このメンバーの顔ぶれを正当化するには妥当な回答である様にも思えるのだ。

 

 そこまで考えた時点で、スレインは無闇に詮索する事を諦めた。そんな背景を探ったとしても、どうせ本当の目的を聞く事は出来ないだろう。上手くあしらわれて、会話をすり替えられるのがオチだ。口論で勝てない事を知っているからこそ、この推論がどれだけ意味のないものかは歴然であった。

 

「で、スレインはどうするの?」

 

 ここまで結構な時間が経っていたのだろう。そう問いかけるサラは、「どうせ聞いてないだろう」という諦めの表情をしている。念の為に周りを見渡すと、全員が何かを決意した表情でこちらを見ていた。

 

「あー、ごめん、考え事してて聞いてない。なに?」

 

 自身の推論に夢中になり、本当に何も聞いていなかったので、素直に白状する。

 

「特化クラスⅦ組に参加するかどうかよ。一応、個人の意思に従う様に聞いてるの」

 

「あぁ、そんな事? 俺に不参加って選択肢はないみたいだし参加で。スレイン・リーヴス、謹んでお受けしますよ」

 

 どうやら自分が最後だったらしく(物思いにふけっていたので最後になるのは当然だった)、ここに”特科クラス《Ⅶ組》”が無事に設立されたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

―――*―――*―――

 

 

 

「変に疲れたな……」

 

 オリエンテーリングが終わってから数刻。月明かりが照らす宵の時刻では、活気のあったトリスタの街も静寂を決め込み、静かに一日の終わりに向かっている。そんな中スレインは、Ⅶ組専用として割り当てられた寮である『第三学生寮』の自室ににいる。ベッドの脇にあるデスクチェアーに腰をかけ、窓から見える月明かりに照らすその景色を前にポツリと呟いた。

 

 あの後、自己紹介らしい自己紹介をしていないメンバーもいたので、夕飯と合わせて、寮の近くにある喫茶【キルシェ】で食事をしながら談話していた。その際、ラウラやリィンに剣術について詮索された事や、人見知り……というより面倒で喋らないフィーと話していた事を詮索され、気付けば会話の中心にされていた事に精神力を削られた。この疲れは主にこちらの方がウェイトが大きい。

 

 引っ越して来たばかりではあるが、以前の住居から送った荷物を放置する訳にもなれず、ひと通り荷解きをして今までと遜色変わりない配置を済ませている。

 

「とりあえず、やるべき事はやるか」

 

 そう呟くと同時に立ち上がり、机の脇にある大型の機械と簡易的な椅子に腰をかけ、慣れた手つきで機械を操作していく。

 

「初期状態で持っているのも落ち着かないし、とりあえず出来る所まで済ませるか」

 

 目の前の大型の機械をいじり始めたスレインは、自身のARCUSを機械の中心にセットすると、黙々と作業に取り組むのであった。

 

 

 




オリエンテーリングが終わりましたが、正直シーンを覚えていないのでグダグダになってしまいました。ファンの皆様、申し訳ありません。


スレイン君の戦い方は徐々に明らかになりますが、その戦闘スタイルに必要不可欠な内容も多い為、次回はその1片を語っていくと思います。

それでは、お読み頂きありがとうございました。
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