「マスター、体の方に異常は無いかしら?」
「あぁ、お前の薬の御蔭で大分良くなったよ」
「そう、良かったわ。だけどもう少し飲み続けて頂戴ね」
「分かったよバーサーカー」
あれから暫く経ったので雁夜の体も元の状態に戻って来ていた。
「バーサーカー・・・分かっていると思うが・・・」
「分かっているわ。私達の目的は桜ちゃんを守る事。その為にもこの聖杯戦争を勝ち抜く」
「そうだ」
「私もそれは承知していますわ」
私は唯、聖杯に触れる事さえ出来ればいいからね。
と私が思っていると倉庫街に大きな反応があった。
「マスター・・・」
「どうした?」
「敵サーバントが戦い始めたわ」
「何!?此処から近いのか?」
「いいえ、此処から遠い倉庫街よ。どうします?行けと言うなら向かいますが・・・」
「・・・行ってくれ」
「了解したわマスター。一応この屋敷の周りには罠を仕掛けて置いたから大丈夫だと思うけど危なくなったら令呪で私を呼んで頂戴ね」
「分かった」
その返事を聞いて私は霊体化して倉庫街に向かった。
「我が名は征服王イスカンダル!此度の聖杯戦争においてはライダーのクラスを得て現界した!!」
周囲は、彼のマスターも含めて唖然となった。
「何を考えてやがりますか、この馬っ鹿はあぁぁぁぁー!?」
イスカンダルのマスターの魂の叫びが響き渡った。
するとそこに一つの声が聞こえてきた。
『あら、面白いことになってるわね』
その声と共に蝙蝠が街灯の上に人の形を作り出していく。
そしてついには蝙蝠の翼が生えた少女になった。
「こんばんわ。私は今回の聖杯戦争でバーサーカーとして現界した者よ」
その少女の言葉に周りの者達は驚いた。
「何ですって!?」
「貴様を、嘘を付くな!」
「何故狂戦士が言葉を話せている!?」
「な、なんだって!?」
「ほう、面白い奴よのぉう」
それぞれの反応を見たバーサーカーは答えた。
「まぁ、特別に教えてあげるわ。それは私自身のスキルで無効にしているからよ、征服王イスカンダル、騎士王アルトリア・ペンドラゴン、フィアナ騎士団の一人であるディルムッド・オディナ・・・」
バーサーカーの返答に各陣営は驚いた。
イスカンダルはともかく他のサーバントは真名を言っていないのに当てられたからである。
「何故私達の真名が分かった!?」
そのセイバーの質問に対してバーサーカーはため息を吐いた。
「はぁ、それくらい自分で考えなさいよ。貴方も一応王でしょう」
「っ、ぐぬぅ・・・」
「おい、お前さん。我が軍に来んか?」
この空気を読まずにイスカンダルはバーサーカーに問うた。
そのイスカンダルの行動にバーサーカーはまた、ため息を吐いた。
「はぁ、お前・・・空気の読めない奴と言われた事があるだろう」
「お、よく分かったのう。確かにあるぞ」
「はぁ、(真面目に相手するだけ無駄か)。まぁその誘いは断らせて貰うわ」
「そうか、それは残念じゃのう」
その時イスカンダルのマスターが声を上げた。
「な、なんだこれ!?」
「む?どうした坊主」
「こいつのステータスが見えないんだよ!?」
その言葉に対してバーサーカーはその事かという反応をした。
「そのことは秘密よ」
「まぁ、そりゃそうだろうな」
イスカンダルとて何でも答えてもらえるとは思っていない。
「まぁ、そろそろもう一人にも出てきて貰おうかしら?」
「む、どういうことだバーサーカー?」
「貴方達の戦いに気付いて来たのが私とイスカンダルだけではないということよ」
そういうとバーサーカーは自身が立っている逆側の街灯の方を向いて言った。
「そろそろ出て来たらどう。英雄王ギルガメッシュ・・・」
その言葉の少し後に黄金のオーラと共に一人の男が現れた。
「ほぅ、我が名を知っているとは、中々見所がある様だな女」
そう、この男こそ英雄王ギルガメッシュなのである。