「(何故だ、何故彼奴はあの様に戸惑う事無く人の命を奪える・・・)」
言峰は自身の在り方と同じものを感じた切嗣の事を考えながら教会の外を父に黙って歩いていた。
「(時臣師の作戦もあのバーサーカーで潰されてしまったのだったな。何故か彼奴と話しをしたら私の事が分かる様な気がする・・・)」
「その様な期待を貴方にされるなんて思ってもいなかったわ」
突如聞こえた声に警戒しながら言峰は声のした方を向いた。
「あらあら、そんなに警戒しなくてもいいのよ?」
そこには一つの目玉を胸元付近に浮かばせている一人の少女が居た。
「(何者だ?)」
「あぁ、この姿は初めてだったわね。私はバーサーカーよ」
その言葉に言峰は内心驚いた。
アサシンを通して見ていたバーサーカーと姿が全く違ったからである。
「・・・お前がバーサーカーだとして、何故あの夜と姿が違うのだ」
「あぁ、これは私がバーサーカーとして呼ぶ事が出来る理由の一つよ。私は姿を変える事が出来るのよ」
「成程な・・・(いや待て、私は先程の考えは声に出していなかったはず。なのになんで分かったのだ?)」
「それは秘密よ。自分で考えなさい」
「・・・成程、深く考えない方が良さそうだな」
そう言峰は思い至るとバーサーカーの目を見て言った。
「それで、私の事はお前には分かるのかバーサーカー?」
「えぇ、貴方ほど分かりやすい人は居ないわよ」
「何だと・・・」
「自身の事は自分では分かり難いものだから仕方ないっちゃあ仕方ないのだけれど・・・まぁ、教えてあげる」
そう言いバーサーカーは言峰に胸元付近に浮いている目玉を向けた。
「まぁ、先ずは私の質問に答えて頂戴」
「?・・・分かった」
「先ず一つ目、他者の感情を理解できない事はあるかしら」
「・・・ある」
「二つ目、他人に自身の感情を理解された事はあるかしら?」
「・・・ない」
「最後よ、目の前に見ず知らずの人が苦しそうにしている。貴方はどの様に行動するかしら?」
「・・・私は神の信徒なのだから助けるべきだろう」
言峰の全ての回答を聞いてバーサーカーは確信した様だ。
「これで確信したわ。貴方は・・・他人の傷を弄って喜びを感じる人間の様ね」
「っな!?貴様、私がその様な罪深き者だとでも言うのか!?」
「落ち着きなさい。ちゃんと証明してあげるから・・・」
そう言うとバーサーカーの胸元付近を飛んでいた目が光り始めた。
「想起「覚醒する本当の自分」。次に目が覚めた時には貴方は己の在り方を理解しているわ。まぁ、聞こえていないようだけど・・・」
そう言うとバーサーカーは立ち尽くしている言峰を放棄しその場を去った。