なのはとアリサが学校から下校すると、真っ直ぐなのはの両親が営む喫茶店「翠屋」に向かった
翠屋は若い女子に大人気のスイーツ店でもあり、連日賑わっているのだ
「ん~おいし~♪桃子さんの作るケーキは最高ね~♪」
「・・・うげ」
「何で嫌そうなのよアンタ?こんなに美味しいのに?」
「そりゃね。お母さんは元有名ホテルのパテェシエだったしね。でも・・・生まれた頃から、毎日毎日ケーキやデザートに囲まれた生活だったの。正直、甘いものが嫌いになってしまったの」
「要するに・・・飽きた?」
「なの」
アリサも想像する
毎日毎日、デザートに囲まれる日々を
最初は夢のような幸せな日々だろう
だが、ソレが何年もとなると話は別だ
大人だったら仕事だから問題ない
でも、子供は違う
好き嫌いもはっきりしてない時期にその日常を過ごせば・・・
「ああ、納得ね」
「でしょ」
なのはが甘いモノ嫌いになるはずである
「じゃあ、今アンタが食べてるその赤いケーキはなんなのよ?」
アリサの目の前に座っているなのはは、現在真っ赤なケーキを食していた
だが、なのはは甘いもの嫌いの筈
それなのに何故、ケーキが食べれるのか?
「ああ、コレは甘いケーキじゃないから平気なの」
「へー、一口貰ってもいいかしら」
「別に良いの」
興味を持ったアリサはなのはのケーキを少しすくい、口に含んだ
その光景を、デジヴァイスの中から哀れんだ目で見つめるバンのことに気付かずに・・・
そして・・・
「かっっらーーーーーーーーーーーーーーーーーーーいっっっ!!!!!」
口から火を吐く勢いで大暴れするアリサ。すぐにケーキの生クリームを口に含み、辛さを軽減させた
※辛いものを食べて、水を飲むのは逆効果です。乳製品が効果的です
数分後、やっと落ち着いたアリサは怒り心頭でなのはに怒鳴った
「アンタね、平気で何食べてンのよ!?」
「何って・・・地獄極辛ケーキ。唐辛子たっぷりのスポンジにタバスコたっぷりのクリームのケーキなの」
「死ぬかと思ったわ!!」
甘いものが苦手となったなのはは、何故か辛いものを好むようになってしまった
そしてソレは年々鍛えられ、今ではゲテモノ・・・もとい、普通の人では食べられない辛さを平気で食せるようになっていた
現になのははソレを美味しそうに黙々と食べていた
「――――食べるの?」
「――――食べるかぁぁああ!!!」
叫んだアリサは悪くない
『それにしても、フェイト遅いね』
『我々を呼んでおいて、遅刻とは関心できぬな』
「さぁ、道にでも迷ってるとか?」
「まっさかー」
◇◆◇
その頃、噂のフェイトは・・・
「えっと、ここ何処だろう?」
『なあフェイトぉ。まさかとは思うッスけど・・・』
「うん・・・道に迷った」
『マジッスか・・・』
DATSのメンバーの一員であるフェイトはなのは達とは違って学校に通ってなかった
というのも、天才科学者であるアリシアと祖母のプレシアの血を受け継ぐ彼女もまた天才で、アメリカの大学を首席で卒業していた
なので、日本語もぺらぺらなのだ
だが、そんな彼女には欠点があった
『フェイトって、本当に方向音痴ッスよね』
「うっ!?本当のこと言わないでよぉファンビーモン」
そう、フェイトは極度の方向音痴だった
普段はDATSの施設内で過ごしてるため、外に出る機会はめったに無い
だが、今回は薩摩の以来でなのはとアリサにDATSの制服を渡すように言われて彼女達が待っている喫茶店に向かっていたのだ
「うぅ・・・どうしよう」
フェイトが困り果てていたときだった
「どうしたの?」
紫の髪の少女がフェイトに声を掛けてきたのだ
「ふえ!?あ、あの!道に迷っちゃって・・・その・・・」
「いいよ。何処に行きたいの?」
「えと、翠屋って喫茶店なんだけど・・・」
「翠屋?ああ、あのお店かぁ」
紫の髪の少女は心当たりがあったようだ
「お姉ちゃんの彼氏さんのお店なんだ。案内してあげようか?」
「本当!お願い!どうしてもそこに行かないと行けないんだ」
「うふふ、じゃあ一緒に行こう?」
「ありがとう!あ、私はフェイト・テスタロッサっていうんだ。アメリカから来たんだよ」
「へー。私は月村すずか。よろしくね、フェイトちゃん」
「うん、すずか」
二人は仲良く会話しながら翠屋に向かって歩き出した
その光景を一つの影が監視していることに気付かずに
「ようやく見つけたぞぉ、あの時の小娘ぇ。今度はちゃぁんと息の根を止めてやろう」
それは、すずかを見逃したネオデビモンだった
続く