魔法戦記リリカルセイバーズ   作:ゼルガー

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その16「僕の名前はユーノ・スクライア④」

 

「ヴァンデモン様、アイスデビモンは敗れたようです」

 

「そうか・・・やはりか」

 

 

ピコデビモンの報告を聞いたヴァンデモンは深くため息を吐いた

 

アイスデビモンの敗北は大体は予想ついていた

 

奴は相手を舐めて掛かる所が有り、良くも悪くも慢心するデジモンだった

 

 

 

「いかがいたしましょう?いっその事、軍を率いて人間界に攻め込めば「ならん」何故ですか!」

 

「それでは我が覇道に反する事になる。私が目指すのは人間界とデジタルワールドの覇王。強き者を倒してこそ意味がある。弱者をいたぶる等、私の誇りが許さん」

 

「しかし!」

 

「ピコデビモンよ、私は時を待っているのだ」

 

「時・・・ですか?」

 

「そうだ。今、人間界では若い世代の芽が育とうとしている。それも急速に。その芽が育つ前に刈り取るのは簡単だ。だが、そんな弱者を倒した所で、私は強き王に見えるか?」

 

「それは・・・」

 

「そして今、かの救世主の弟子が私の相手に相応しい強さにまで成長しようとしてる。私はそれが楽しみで仕方が無い」

 

「では、人間界への進行は・・・」

 

「時が来たら攻め込む。だが、それは今ではない。それまで攻め込むことは許さん!下がれ」

 

「はっ・・・」

 

 

 

ヴァンデモンのオーラに気圧されたピコデビモンは王座から立ち去り、廊下でため息を吐いた

 

 

「我が主は甘すぎる。確かに主の覇道に反するだろう。しかし・・・私はっ!」

 

「随分と困ってるようだなぁ、ピコデビモン」

 

「ん?あ、貴方様は、『土のスカルリッチモン』!?」

 

 

ピコデビモンの前に現れたのは、フードで身を隠したデジモンだった。

 

 

 

◇チオウモン

 

属性: ウィルス

世代: 完全体

種族: 魔人型

必殺技: アースクエイク / 通常技: 猛毒の霧

 

普段はフードで身を隠し、いざと言う時は正体を表す魔人型デジモン。

アンデットデジモンを操ることに長けており、更に強烈な地震を引き起こす事ができる。

 

 

 

「ヴァンデモン様は誇り高く気高きお方。覇道を進ませるためにも、我らが邪魔者を排除せねばならない」

 

「た、確かに」

 

「だからここは、我等四天王に任せてもらおうか」

 

「四天王!?全員でですか!?」

 

「「「その通り」」」

 

 

そして、新たに三体のデジモンが現れた

 

 

 

 

 

◇カイオウモン

 

属性: ウィルス

世代: 完全体

種族: 魔人型

必殺技: 大津波 / 通常技:メイルシュトローム

 

亀と人が融合した魔人型デジモン。水を従えており、自在に操る。

その力は、枯れ果てた大地にすら水を沸き上がらせる。

 

 

◇フウオウモン

 

属性: データ

世代: 完全体

種族: 魔人型

必殺技: サイクロン / 通常技: トルネード

 

美しい身体の女性型デジモン。外見はほぼ人間だが、風そのもので、自在に操る。

その風力は樹海を一瞬で砂漠に変えてしまう。

 

 

 

◇エンオウモン

 

属性: ウィルス

世代: 完全体

種族: 魔人型

必殺技: かえんりゅう / 通常技:灼熱剣

 

四天王のリーダーにして、火を司る魔人型デジモン。

正々堂々の戦いを好み、相手が万全でなければ戦わない主義。

炎で作りし剣「灼熱剣」を自在に操る武人

 

 

 

 

「ま、まさか土、水、風、火の四天王が・・・コレは心強いですね」

 

「行くぞ。全てはヴァンデモン様の覇道の為に!」

 

「「「御意」」」

 

 

 

四天王たちはゲートを潜って人間界へと移動を始めた

 

しかし、そんな彼らは知らない

 

 

 

 

「ふむ、どうやら四天王が動き出したか・・・。まあいい、コレも予定の範囲内だ」

 

 

 

四天王の行動もヴァンデモンの中では計算内だったということは

 

誰も知らない

 

 

 

「どの道、四天王に勝てるようでなければ、この私と戦う資格は無い。精々、勝ち上がってくるがいい」

 

 

ヴァンデモンは不敵な笑みを浮かべた

 

 

「さてと・・・レッドベジーモンの農作業報告書か。肉畑の量産?許可だな。次は、デビタマモンとデジタマモンとバーガモンの料理店設立?許可」

 

 

しかし、すぐにいつもの表情に戻して書類作業に入った

 

覇王ヴァンデモン

 

その実態はワーカーホリックだった

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

未知の力『魔法』の力を手にしようとしたアリサ、すずか、フェイト

 

しかし、デジソウルと反発して暴走を引き起こして気絶してしまった

 

封印不可能になり、絶望と思われたとき、アリシアがデジヴァイスを取り出して、究極体のパートナーを呼び出して難を逃れたのだった

 

その後、気絶したアリサたちは淑乃が早急に海鳴病院に搬送し、フェレットはDATS本部へと連れて行かれた

 

そして司令室では、薩摩とクダモンの目の前に手当てをされたフェレットが机に座って向かい合っていた

 

 

 

「私はDigital Accident Tactics Squad・・・通称DATS長官の薩摩だ」

 

「私は薩摩のパートナーデジモンのクダモンだ」

 

「で、私は技術部の責任者。アリシア・テスタロッサよ」

 

「えと、僕はユーノ・スクライア。こんな姿ですけど、一応人間です。あの、デジモンって何ですか??」

 

「話してもいいけど、君の世界のことと、あの異形のことを話してもらう前提と、私たちが話したことは『管理局』には秘密にするならいいよ」

 

 

アリシアの管理局という言葉を聞いて、フェレットは確信を得た顔をした

 

 

「はい、分かりました。それとやはり、貴女は管理世界の人間なんですね?」

 

「元・・・ね。生まれて5年くらいしかミッドに住んでないけど」

 

 

 

まずはアリシアが語り始めた

 

 

 

「私と母『プレシア・テスタロッサ』は元々地球の人間じゃないの。この地球やデジタルワールドとは違うもっと遠い世界・・・次元の海の先にある世界が幾つも存在してる。その中の一つ『ミッドチルダ』が私の出身世界」

 

 

彼女は語った

 

次元世界のことを

 

管理局のことを

 

そして、魔法のことを

 

 

「成る程、だからアリサたちが気絶したのか」

 

「ええ。まさか魔法とデジソウルが反発した上にお互いを暴走させるなんて予想外よ」

 

「えと、デジソウルって何ですか?」

 

「デジソウル・・・人間に秘められた想いによって変化する未知の力。そして、デジモンを進化させることが出来るわ」

 

「では、デジモンについては私が説明しよう」

 

「頼む、クダモン」

 

 

 

クダモンは語った

 

デジモンのことを

 

デジタルワールドのことを

 

我々DATSの目的を

 

 

「成る程・・・魔法文明が無い管理外世界なのにそんな不思議なことが」

 

「今度は君が話してくれないか?」

 

 

ユーノは語った

 

 

自分のことを

 

ジュエルシードのことを

 

何故、自分がフェレットの姿をしているのか

 

 

 

「魔法とは、凄いな。人間を動物に変化したり空を飛べたり出来るのか」

 

「ああ、だが・・・危険だ」

 

「え?どうしてです?」

 

 

薩摩とクダモンの言葉にユーノは疑問を上げた

 

ソレに答えたのはアリシアだった

 

 

「管理局・・・特に本局はね、魔法主義なんだよ。しかも非殺傷を心がけてる。犯罪者を無傷で捕らえる・・・うん、それだけ聞くといいことかも知れない。それに、魔法も力なのには変わらない」

 

「魔法が使えない人にとってはどうなんだ?ユーノ」

 

 

クダモンの答えにユーノは苦い顔をした

 

 

「扱いは・・・悪いです。正直僕も、管理局のその対応には嫌悪してます」

 

 

ユーノは知ってる。管理局は魔法さえ使えれば幼い子供すらも使うことを

 

ユーノの一族にユーノよりも幼く魔力の高い少女がいた

 

だが、管理局はそれに目をつけて無理やり連れ去ってしまった

 

そして、幼いのに前線に立たせ・・・

 

 

「確かに管理局がいたから解決した事件も多いです。でも!妹のように可愛がってたあの子を殺したのは許せない!だから僕は、ジュエルシードを管理局に連絡しなかったんだ!管理局が嫌いだから!」

 

 

 

それがユーノの本音だった

 

 

 

「子供を使うか・・・耳が痛いな。私が言える立場ではないな」

 

 

薩摩もアリサたちを使ってる時点で同類だった

 

だが、それでも現在戦える人間が彼女達以外いないのは事実だった

 

 

「あの、こんなことを頼むのはおかしいと思います。でも、お願いします!ジュエルシードの回収を手伝ってください!今の僕では、全てを回収できると思えないから・・・」

 

 

アリシアはそんなユーノを見て罪悪感が沸いた

 

最初、管理世界から来たユーノを一方的に敵視していた

 

母であるプレシアは管理局に嵌められ、名誉と立場、自分以外の全てを失った

 

自分の父親のことはもう覚えてない。だけど父は死んだ

 

父は自分と同じく魔力無しの人間だった

 

あの事件・・・ヒュードラの動力炉暴走に巻き込まれて・・・

 

私を・・・庇って

 

精神が病んでいた母と私は魔法とは無縁の世界「地球」に移住した

 

そしてアメリカで様々な出会いがあった

 

私も運命の出会いを果たし、子を「フェイト」を授かった

 

あ・・・そろそろあの人もアメリカから来るかも

 

 

「いいわ。でも条件がある」

 

「え?なんですか?」

 

「お、おいアリシア博士。勝手に決めてもらっては「何か?」・・・すまん」

 

 

アリシアはニヤリと黒い笑みに薩摩とクダモンは顔を引きつった

 

 

「薩摩・・・人間の女性とは恐ろしいな」

 

「言うなクダモン」

 

 

そんな二人を無視して、アリシアは条件を出した

 

 

「君にはデジソウルをマスターして貰うわ」

 

「え?」

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