問題児たちが異世界から来るそうですよ?__そう、生命の目録とコジマ粒子。   作:tomlet

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耀がメインのはずなのにあんまり出番がない・・・

ていうかこの段階だと本編との相違点がない・・・


箱庭の世界、黒ウサギとの邂逅

ポチャン、と水膜で落下の勢いが殺され、三人と一匹は水に落ちる。メインブースターがイカれたわけでもなく水の中に落ちた耀は三毛猫を拾い上げ、ブースト用の靴、それから”VANISH”が無事かどうか確かめて、無事を確認すると、いつまでも水没しているわけにはいけないので水から出ることにした。

 

「し、信じられないわ! まさか問答無用で引き摺りこんだ挙句、空に放り出すなんて!」

 

「右に同じだクソッタレ。場合によっちゃその場でゲームオーバーだぜコレ。石の中に呼び出された方がまだ親切だ」

 

一緒に落ちていた金髪ヘッドホンの少年と黒髪ロングのお嬢様風の少女も無事なようで騒ぎ立てている。

 

「此処・・・どこだろう?」

 

耀がボソッと漏らすと、ヘッドホンの少年は。

 

「さあな。まあ、世界の果てっぽいものが見えたし、どこぞの大亀の背中じゃねえか?」

 

と、少年は笑みを浮かべて返す。どうやら彼らもここがどこなのかよく知らないらしいとわかると、耀は服を絞る作業に戻った。

すると少年が、2人に問いかける。

 

「まず間違いないだろうけど、一応確認しとくぞ。もしかしてお前達にも変な手紙が?」

 

それに対し、お嬢様風の少女は少しムッとしたような顔をした。

 

「そうだけど、まずは“オマエ”って呼び方を訂正して。私は久遠 飛鳥よ。以後は気を付けて。それで、そこの猫を抱きかかえている貴女は?」

 

耀は一応聞かれたので答えておこうという風に最低限の自己紹介をする。

 

「・・・・・・春日部 耀。以下同文」

 

「そう。よろしく春日部さん。次に、野蛮で凶暴そうなそこの貴方は?」

 

皮肉げに問いかける飛鳥に少年は高圧的に返す。

 

「高圧的な自己紹介をありがとよ。見たまんま野蛮で凶暴な逆廻 十六夜です。粗野で凶悪で快楽主義と三拍子そろった駄目人間なので、用法と用量を守った上で適切な態度で接してくれお嬢様」

 

「そう。取扱説明書をくれたら考えてあげるわ、十六夜君」

 

「ハハ、マジかよ。今度作っとくから覚悟しとけ、お嬢様」

 

早くもピリピリした空気が流れる二人と、我関せずと服を乾かそうとする耀。

それを覗く人影があった。

 

(うわぁ・・・・・呼んでおいてアレですけど、なんか問題児ばかり見たいですねぇ・・・)

 

耀たちを呼んだ張本人は彼女だったのだ。だが彼らが協力する姿は、客観的に想像できそうにない。黒ウサギは陰鬱そうに重くため息を吐くのだった。

 

「で、呼び出されたはいいけどなんで誰もいねえんだよ。この状況だと、招待状に書かれていた箱庭とかいうものの説明をする人間が現れるもんじゃねえのか?」

 

「そうね。なんの説明もないままでは動きようがないもの」

 

「………。この状況に対して落ち着き過ぎているのもどうかと思うけど」

 

(全くです)

 

ちなみに本人は隠れられているつもりの黒ウサギだが、実際は三人にすでにバレバレである。

いつまでも名乗り出ないので、十六夜が口を開く。

 

「___仕方がねぇな。こうなったらそこに隠れてる奴にでも話を聞くか?」

 

隠れているつもりだった黒ウサギは心臓を掴まれたようにビクッと飛び跳ねる。

 

「なんだ、貴方も気づいていたの?」

 

「当然。かくれんぼじゃ負けなしだぜ? そっちの猫を抱いてる奴とウサ耳の奴も気づいていたんだろ?」

 

「風上に立たれたらいやでもわかる」

 

三者三様に黒ウサギのお粗末な隠れ方に感想を述べる。

全員が茂みから出てきた黒ウサギに目を向ける。よくも理不尽な呼び出しをしてくれたな、と。

 

「や、やだなあ御三人様。そんな狼みたいに怖い顔で見られると黒ウサギは死んじゃいますよ? ええ、ええ、古来より孤独と狼はウサギの天敵でございます。そんな黒ウサギの脆弱な心臓に免じてここは一つ穏便に御話を聞いていただけたら嬉しいでございますヨ?」

 

「断る」

 

「却下」

 

「嫌だ」

 

「あっは、取りつく島もないですね♪」

 

すこしオーバーに降参のポースを取る黒ウサギ。しかしその目は彼らを値踏みしていた。冷静に、冷静に、彼らの実力をはかっていた。

だが、その思考は、1人の行動によって打ち切られる。

 

「てい」

 

「フギャ!」

 

耀が黒ウサギの背後に回り、黒ウサギの耳を思い切り引っ張ったのだ。

 

「ちょ、ちょっとお待ちを! 触れるだけであれば黙って受け入れますが、まさか初対面で遠慮もなく黒ウサギの素敵耳を引き抜きにかかるとは、どういう了見ですか!?」

 

 

「好奇心の為せる業」

 

「自由にも程がありますよ!」

 

「へえ? このウサ耳って本物なのか?」

 

今度は十六夜が興味を持ったように黒ウサギの右耳を引っ張る。

 

「じゃあ、私も」

 

それに便乗し、飛鳥が黒ウサギの左耳を持つ。

そんな中、黒ウサギはこんなことを考えていた。

自分はどうやら、とんでもない問題児を呼び出したようだ、と。

 

 

「───あ、あり得ない。あり得ないのですよ。まさか話を聞いてもらうために小一時間も消費してしまうとは。学級崩壊とはきっとこのような状況を言うに違いないのデス」

 

「いいからさっさと進めろ」

 

ウサ耳をたっぷりいじられ、泣き言を言うとこの扱いである。半ば本気の涙を浮かべる黒ウサギ。

だが、話を聞いてもらえる雰囲気ができたのを確認すると、気を取り直して説明に入る。

 

「それではいいですか、御三人様。定例文で言いますよ?言いますよ?さあ、言います!ようこそ、”箱庭の世界”へ!我々は御三人様にギフトを与えられた者達だけが参加できる”ギフトゲーム”への参加資格をプレゼンさせていただこうかと召喚いたしました!」

 

「「「ギフトゲーム?」」」

 

三人が一様に疑問そのままに口にする。

 

「YES!既に気づいていらっしゃるでしょうが、御三人様は皆、普通の人間ではございません! その特異な力は様々な修羅神仏から、悪魔から、精霊から、星から与えられた恩恵でございます!”ギフトゲーム”はその“恩恵”を用いて競いあう為のゲーム。そしてこの箱庭の世界は強大な力を持つギフト保持者がオモシロオカシク生活できる為に造られたステージなのでございますよ!」

 

それに対し、飛鳥が質問を投げかけ、黒ウサギと軽い問答をする。

 

「まず初歩的な質問からしていい? 貴女の言う“我々”とは貴女を含めた誰かなの?」

 

「YES!異世界から呼び出されたギフト保持者は箱庭で生活するにあたって、数多とある“コミュニティ”に必ず属していただきます♪」

 

「嫌だね」

 

軽薄に笑う十六夜に黒ウサギはすこし取り乱して返す。

 

「属していただきます! そして”ギフトゲーム”の勝者はゲームの”ホスト”が提示した賞品をゲットできるというとってもシンプルな構造となっております」

 

「・・・・・”主催者”って誰?」

 

と、今度は耀が質問を飛ばす。

 

「様々ですね。暇を持て余した修羅神仏が人を試すための試練と称して開催されるゲームもあれば、コミュニティの力を誇示するために独自開催するグループもございます。特徴として、前者は自由参加が多いですが”主催者”が修羅神仏なだけあって凶悪かつ難解なものが多く、命の危険もあるでしょう。しかし、見返りは大きいです。”主催者”次第ですが、新たなを手にすることも夢ではありません。後者は参加のためにチップを用意する必要があります。参加者が敗退すればそれらはすべて”主催者”のコミュニティに寄贈されるシステムです」

 

「後者は結構俗物なのね………チップには何を?」

 

「それも様々です。金品・土地・利権・名誉・人間………そしてギフトを賭けあうことも可能です。新たな才能を他人から奪えばより高度なギフトゲームに挑む事も可能でしょう。ただし、ギフトを賭けた戦いに負ければ当然───ご自身の才能も失われるのであしからず」

 

挑発、とも取れる笑顔を浮かべる黒ウサギ。が、すぐに普段の表情に戻す黒ウサギ。

 

「箱庭の世界における質問を答える義務が黒ウサギにはございます。新たな同士候補である皆さんを何時までも野外に出しておくのは忍びない。ここからは我らのコミュニティで

お話しさせていただきたいのですが・・・・・・よろしいですか?」

 

それに対し、十六夜が口を挟む。

 

「待てよ、まだ俺の質問が終わってない」

 

「なんでしょう?」

 

「この世界は面白いか?」

 

「_____YES。”ギフトゲーム”は人を超えた者達だけが参加できる神魔の遊戯。箱庭の世界は外界より格段に面白いと、黒ウサギは保証いたします♪」

 

黒ウサギの答えに満足したのか、十六夜はそうか、と言って笑った。

 

 

 

 

 

 

 

 




正直今回一番悩んだのは黒ウサギに「箱庭にようこそ、歓迎しよう、盛大にな」って言わせるかどうかです。キャラあってなすぎて言わせないことにしましたが。

ちなみに私AC系統は一応触れてはいるけどAC乗りとしての腕前は酷いもんです二段QBすら使いこなせない粗製です。
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