問題児たちが異世界から来るそうですよ?__そう、生命の目録とコジマ粒子。   作:tomlet

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所詮は獣だ、人の言葉も解さんだろう

「ジン坊ちゃーん!新しい方をお連れしましたよー!」

 

「おかえり黒ウサギ」

 

耀たちは天幕の中へと入った。ここは彼女の所属するコミュニティのある箱庭二一〇五三八〇外門である。

そこにいた少年はジン=ラッセル。

11歳だが黒ウサギ等のコミュニティのリーダーである。

 

「すごい、天幕の中に入ったのに」

 

『あぁ、お嬢。太陽が見えとる』

 

飛鳥までもが物珍しそうな顔をしている。

すると、ジンが黒ウサギに尋ねる。

 

「そちらの二人が?」

 

「そうです!こちらのお 御二人が・・・」

 

後ろを確認して固まる黒ウサギ。

さっきまでそこにいたはずの逆廻 十六夜が消えているのだ。

 

「あ、あれぇ?もう御一方いらっしゃいませんでしたっけ・・・?いかにも俺問題児!って雰囲気出してる方が・・・」

 

「十六夜くんなら『ちょっと”世界の果て”を見てくるぜ!』って言って駆け出して行ったわ」

 

「・・・・え?」

 

一瞬飛鳥の言っていることがわからずに黒ウサギの思考が完全に止まる。

 

「なんで止めてくれなかったんですか!」

 

「騙して悪いが仕事なんでな」

 

と若干口調を変える耀。それに対し黒ウサギはどこからかハリセンを取り出し、耀の頭を叩く。

 

「やかましいのですよ!このお馬鹿様!」

 

耀に突っ込んだ後黒ウサギは地面に膝をついて嘆くと、突然あわてだす。

 

「た、大変です!”世界の果て”には”ギフトゲーム”のために野放しにされた幻獣がいるんです!!」

 

「「幻獣?」」

 

「ギフトを持った獣を指す言葉で、特に”世界の果て”付近には強力なギフトを持ったものがたくさんいるんですいます!場所によっては神格を持ったものも!出くわせば最後、とても人間では太刀打ち出来ません!」

 

ジンも黒ウサギもかなり焦っているので状況は思っているよりも厳しいのだろう。だが耀も飛鳥も態度を崩さない。

 

「あら、じゃあ彼はゲームオーバー?」

 

「ゲーム開始前にゲームオーバー?・・・斬新・・・」

 

「冗談を言ってる場合ではありません!」

 

ジンの必死の講義もどこ吹く風、問題児二人は全く意に介さない。

すると黒ウサギがプルプル怒りを抑えるように震え。

 

「ジン坊ちゃん、申し訳ありませんが御二人のご案内をお願いします。黒ウサギは・・・・・」

 

ブワッと黒ウサギの髪が鮮やかな緋色に染まる。

 

「十六夜さんを捕まえて、一刻ほどで戻ります!御二人は快適な”箱庭”ライフをご堪能くださいませ!」

 

空をかけているんじゃないか、そう思うほどの速さで飛び出していく黒ウサギ。

 

「箱庭のウサギはずいぶん高く飛べるのね」

 

「黒ウサギ達は箱庭の創始者の眷属。力もそうですが、様々なギフトの他に特殊な権限も持ち合わせた貴種ですから」

 

「様々な権限ね・・・ところでジンくん、黒ウサギに任されたということは、エスコートを頼めるのかしら?」

 

「はい、本当は黒ウサギが段取りを取っていてくれたんですが、この事態なら仕方ありません。好きなお店を言ってください」

 

そうして一同は賑わう街を食事ができるところをさがして歩く。

そして【六本傷】の旗を掲げたカフェテラスに移動した一同。すると奥から猫耳、猫尻尾の店員が現れたり

 

「いらっしゃいませー。ご注文は何になさいますか?」

 

「えーと、紅茶を3つに軽食にコレとコレと」

 

と注文をしていくジン。そこに三毛猫がかぶせるように「にゃー」となく。

 

「はいはい、ティーセット3つとネコマンマですね〜」

 

「「・・・・え?」」

 

目をみはる飛鳥と耀。飛鳥は頼んでもいないメニューが追加されたことに驚き、耀は三毛猫の言葉が通じていることに驚いた。

 

「三毛猫の言葉、わかるの?」

 

「そりゃわかりますよー、私は猫族なんですから。お歳の割に随分と綺麗な毛並みの旦那さんですし、ここはちょっぴりサービスさせてもらいますよー」

 

『ねーちゃんも可愛い猫耳に鉤尻尾やな。今度機会があったら甘ガミしに行くわ』

 

「やだもーお客さんお上手なんだから♪」

 

セクハラ一歩手前のセリフだが、煽てられ、気を良くした店員は鉤尻尾を揺らしながら嬉しそうに店内に入っていく。もともとそういう発言を気にしない人なのかもしれない。

 

「”箱庭”ってすごいね、私以外に三毛猫の言葉が分かる人がいたよ」

 

そう言って三毛猫を撫でる耀に三毛猫は『来て良かったなぁ』と短く鳴く。その様子にジンは声を荒げる。

 

「す、凄いです。全ての種と会話が可能なら心強いギフトですね。この箱庭において幻獣との言語の壁というのはとても大きいですから」

 

「そうなんだ」

 

割とどうでも良さげに耀が答え、そのまま飛鳥に質問をする。

 

「久遠さんは」

 

「飛鳥でいいわ。よろしくね、春日部さん」

 

「う、うん。飛鳥はどんな恩恵(ギフト)を持ってるの?」

 

そう聞かれると途端にバツの悪そうな顔をする飛鳥。

 

「わたしの力なんてひどい物よ」

 

「おんやぁ?誰かと思えば東区画の最底辺コミュ”名無しの権兵衛”のリーダー、ジン君じゃないですか。今日はオモリ役の黒ウサギは一緒じゃないんですか?」

 

その会話に一匹の畜生が紛れ込んだ。2メートルはありそうな巨体をピチピチのタキシードで包んだ、上品ぶってはいるが気品のかけらも持ち合わせていないような畜生が紛れ込んだ。

 

「僕らのコミュニティは”ノーネーム”です。”フォレス・ガロ”のリーダーガルド=ガスパー」

 

「黙れ、この名無しめ。聞けば新しい人材を呼び寄せたらしいじゃないか。コミュニティの誇りである名と旗印を奪われてよくも未練がましくコミュニティを存続させるなどできたものだ____そう思わないかい、お嬢様方」

 

ガルドはそういうと近くの椅子を取り相席し、飛鳥と耀に愛想笑いを浮かべる。飛鳥と耀からの視線は冷ややかなものだが。

 

「失礼ですけど、同席を求めるならばまず氏名を名乗ったのちに一言添えるのが礼儀ではないかしら?」

 

「おっと失礼。私は箱庭上層に陣取るコミュニティ”六百六十六の獣”の傘下である「烏合の衆の」コミュニティのリーダーをしている、ってマテやゴラァ!!誰が烏合の衆だ小僧オォ!!!」

 

失念していたと自己紹介を始めるガルドの言葉に途中でジンが割り込む。すると途端におそらくそれが素なのであろう、荒々しい態度をとるガルド。

 

「口慎めや小僧ォ・・・紳士で通っている俺にも危機逃せねえ言葉はあるんだぜ・・・・・?」

 

あの程度であそこまで態度を荒げるのだ、紳士とは程遠いことがよくわかる。

 

「森の守護者たった頃の貴方なら礼儀で返していたでしょうが?今の貴方はこの二一○五三八○外門付近を荒らす獣にしか見えません」

 

「ハッ、そういう貴様は過去の栄華に縋る亡霊と変わらんだろうがッ。自分のコミュニティがどういう状況に置かれてんのか理解できてんのかい?」

 

ここで低次元な口論に発展しそうだったため飛鳥が口を挟む。

 

「事情はよくわからないけど、貴方達二人の仲が悪いことは承知したわ。それを踏まえた上で質問したいのだけれど_____」

 

「ねぇ、ジン君。ガルドさんが指摘している、私たちのコミュニティが置かれている状況・・・・・・というものを説明していただける?」

 

「そ、それは」

 

押し黙るジン。それに対して気を良くしたのがガルドが返す。

 

「えぇ、説明いたしましょう。ジン=ラッセルのコミュニティは魔王とのゲームに敗れ、名と旗そして人材までも奪われました。今のノーネームは黒ウサギを除けば子どもばかりですよ。私は黒ウサギが不憫でならない」

 

押し黙るジン。春日部はガルドに尋ねる。

 

「それで、何が言いたいの?」

 

「簡単な話です、黒ウサギ共々私のコミュニティに来ませんか?」

 

「な、何を言い出すんですか!」

 

「黙れや、ジン=ラッセル。お前が我が儘を言わずにコミュニティの名と旗を改めていればこうはならなかっただろうが」

 

ガルドが威圧感たっぷりにそういい、ジンを黙らせる。

 

「それでは、改めて。うちのコミュニティに来ませんか?」

 

ニコニコと浮かべられる愛想笑い、耀は少し気分が悪くなる。

代わりに飛鳥がガルドに返答する。

 

「結構よ。私はジンくんのコミュニティで間に合っているわ」

 

「・・・失礼ですがレディ、理由をお聞かせいただいても?」

 

「私、久遠飛鳥は──裕福だった家も、約束された将来も、おおよそ人が望みうる人生の全てを支払って、この箱庭に来たのよ。それを小さな小さな一地域を支配しているだけの組織の末端として迎え入れてやる、などと慇懃無礼に言われて魅力的に感じるとでも思ったのかしら。だとしたら自身の身の丈を知った上で出直してほしいものね、このエセ虎紳士」

 

飛鳥の答えにプルプルと震えだすガルド。

 

「私は決まりよ、春日部さんは?」

 

「あら、じゃあ私が友達一号に立候補しようかしら」

 

耀は飛鳥の言葉を聞き頷くと。

 

「飛鳥は私の知ってる人とは感じが違うし大丈夫」

 

「そう、これからよろしくね春日部さん。ところであなた、ガルドといったかしら?『わたしの質問におとなしく答えなさい』」

 

飛鳥の一言でおとなしくなるガルド、店員が慌てて間に入る。

 

「お客さん、当店での揉め事はこまります!」

 

「丁度よかったわ。店員さんも第三者として聞いてちょうだい。おもしろいことが聞けるはずよ」

 

そういうとニヤっと笑って飛鳥はガルドに幾つか質問を投げかける。

 

「貴方はこの地域のコミュニティに”両者合意”で勝負を挑み、そして勝利したと言ってたわね。だけど、私が聞いたギフトゲームの内容はちょっと異なるの。コミュニティのゲームというのはホストとそれに挑戦する様々なチップを賭けて行うもののはず。・・・・・ねえ、ジン君。コミュニティそのものをチップにゲームにするのはよくあることなの?」

 

「や、やむを得ない状況なら稀に。しかし、これはコミュニティの存続を賭けたかなりのレアケースです」

 

突如話を振られジンが慌てて答える。

 

「そう、それならガルド、あなたはどうやってそのレアケースをそんなに引き起こせたのか答えなさい」

 

「き、強制させる方法は様々だ。一番簡単なのは、相手のコミュニティの女子供を攫って脅迫すること。これに動じない相手は後回しにして、徐々に他のコミュニティを取り込んだ後、ゲームに乗らざるを得ない状況に圧迫していった」

 

「まあ、そんなところでしょうね。貴方のような小者らしい堅実な手ね。けど、そんな違法な手段で吸収して、あなたの下で従順に動いてくれるのかしら?」

 

侮蔑を込めた瞳でガルドを見下ろす飛鳥と耀。飛鳥はさらに質問を投げかけていく。

 

「各コミュニティから、数人ずつ子供を人質に取ってある」

 

「……そう。ますます外道ね。それで、子供達は何処に幽閉されているの?」

 

「・・・もう殺した」

 

その言葉に空気が完全に凍る。

 

「初めてガキ共を連れてきた日、泣き声が頭にきて思わず殺した。それ以降は自重しようと思ったが、父が恋しい母が愛しいと泣くのでやっぱりイライラして殺した。それ以降、連れてきたガキは全部まとめてその日のうちに始末することにした。けど、身内のコミュニティの人間を殺せば組織に亀裂が入る。始末したガキの遺体は証拠が残らないように腹心の部下が食」

 

「黙れ・・・!」

 

飛鳥が怒りとともにそういうと、ガルドは拘束から解かれ飛鳥に襲いかかる。

 

「この・・・・小娘がァァァァァァアアアアアア!!」

 

しかし、その体は耀に蹴り飛ばされる。

 

どうやら靴のブースターをによって加速したらしい。ぶっちゃけるとブートチャージである。

 

「あなたには水底が似合いだ」

 

ガルドを蹴り飛ばし多少はスッキリしたのか席に着く耀。

 

「ありがとう、春日部さん。それでジンくん、この外道をこの世界の法で裁くことは出来るのかしら?」

 

「難しいですね、裁くことはできますが、それまでに彼らがこの箱庭の外に逃げれば手の出しようがありません」

 

「そう、それならギフトゲームで決着をつけましょう」

 

耀と、飛鳥はうなずき合い。目の前の畜生に宣戦布告するのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




次回は白夜叉からあの武装をもらいます。4系統じゃ無いんですけどね。一応は繋がってる世界らしいので。

でもこのままじゃ生命の目録が空気になる・・・まぁ、ノリで始めた作品ですしなるようになりますよね!(丸投げ)

ではこの辺で。

ご視聴ありがとうございました!
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