少し疲れていただけです。本当にすみません。
今回は(も)、話のテンポが速いです。
「――――――――――!?」
――――――――――ガンッ!!
突然のことに、反応できなかった。僕は突き飛ばされ、壁にぶつかった。
「―――――っ!」
背中に激痛が走る。……痛みで、体が動かない。
「……水瀬君……!」
……雪奈さんの心配そうな声が聞こえる。
「……この野郎、調子に乗りやがって……!」
今度は、僕が暴力を振るわれていた。倒れてる僕に対して、集団で、容赦なく、無慈悲に。……理由?そんなもの、もう考えたくもない。考える意味がない―――――――こいつらの心は……腐ってるから
――――――――――思えば、この時からだった。……僕の心を傷つける『声』が、はっきりと聞こえるようになったのは。
私の名前は神代雪奈(かみしろゆきな)。私の家は貧しくて、私は周りの皆と比べて、あまり贅沢ができなかった。そして、そのことが原因で、私と皆の間には、壁ができてしまった。私は、人と話すのがあまり得意ではなかったし、もし皆と一緒に話をしても、皆の話題にはついていけない。……そして、そんな私のことを不快に思ったのだろうか。何時からか、私は皆からいじめられていた。
「あいつさ、何かムカつかない?」
「頭いいって先生に褒められているのに、全然話さないしな。あれ、俺たちを見下してんじゃねえの?」
「そうだな。ってか、絶対そうだよ」
「勉強しか取り柄がないのに?かわいそうだな」
「勉強はできるけど馬鹿だな」
「あいつ、憂さ晴らしに殴っても問題ないよね?」
……皆、私を拒絶した。助けてくれる人なんていない。先生?……駄目だ。先生は、私がいじめられているのを知っているのに、見逃している。それで、皆のいじめはもっと激しくなる。下級生も、上級生も加わって、理由もないのに、私に理不尽な暴力を振るい、暴言を吐き、それでも先生たちは、何も言わないか、何も気づいていないかのどっちかだ。頼りにならない。……こういうのを、不幸と言うんだろうか?
小学五年生になって、私のクラスに転校生が来た。名前は水瀬葉太。性格は真面目で、ルールはきちんと守る、正義感の強い人だ。私とは違ってとても活発で、話すととても楽しくて、皆とはすぐに仲良くなった……皆とは。真面目だから、先生にも好かれてるし、皆と一緒に笑顔で楽しそうに遊ぶことができる。私も、あれだけ活気だったら、虐められなかったのだろうか?……いや、貧乏だって理由で標的にされただろう。そもそも、私が虐められるのに、理由なんてあったのだろうか?本当は、誰でもよかったんじゃないのか?
……そう考えたら、何だか悲しくなってきた。気づいたら、涙を流していた。
「おい、あいつ泣いてんぞ?」
「何もしてないのに泣くとか……」
「マジかわいそう」
「ほっとこう。関わらない方がいい」
「ハハッ、そうだな」
―――――死にたい―――――
そんな考えが頭に浮かぶが、すぐに両親のことを思い出し、その考えを振り払う。私がこんな状態でも生きてこられたのは、全てお父さんとお母さんのおかげだ。二人に悲しい思いをさせちゃ駄目だ。……だから、死にたいなんて考えるんじゃない――――――――――そう自分に言い聞かせた。今の私には、両親の存在だけが、心の支えだった。
――――――――――だが
「え……亡くなった?」
私の心の支えは――――――――――消えた
いや、それだけじゃない。両親が死んでから、追い討ちをかけるように、皆のいじめはエスカレートした。両親のことまで話題に出し始めた。私の両親のことだけじゃなく、自分たちの親のことまで。
「俺の親は、あんなごみ虫を生んだクズとは違う」
「私のママ、すっごく優しいんだよ!……あいつのとは違って」
「あんなのを生んだ罰が当たったんだよ」
「つーか、もういい加減に死ねよ」
「親に見離されちゃったんだー、かわいそーに」
――――――――――それから暫くして、あの出来事が起こった。
今日も私はいじめられていた。数人の男子に、殴られたり、蹴られたり、暴言を吐かれていた。……でも、今日はいつもとは違った。
「こんな酷いこと……やめろよ!!!」
……水瀬君が助けてくれた。今まで、誰も助けてくれなかったのに………彼らのしていることは、間違っていると言ってくれた。私のことを心配してくれた。私のために、怒ってくれた。――――――――――その時、私は初めて、両親以外に信頼できる人ができた。
その後、私と水瀬君は、病院に運ばれた。近所の人が、救急車を呼んでくれたらしい。
……その時の私は、病室であんな会話を耳にするなんて、思ってもいなかった。
「何で喧嘩なんてしたの!?馬鹿じゃないの!?」
「ごめん……」
「ごめんで済む問題じゃないだろ!!いい学校に行けなくなったらどうするんだ!?それで困るのは俺たちなんだぞ!!」
「いや…」
「言い訳するんじゃありません!」
「……」
「もうこいつは駄目だな。妹の方に頑張ってもらうしか……」
「……そう、だったんだ」
水瀬君が真面目だったのは、そういうことだったんだ。私は、全てを理解した。水瀬君が何事にも真面目に取り組んでいたのは、親に追い詰められてたから。皆と遊ぶ時、あんなに楽しそうだったのは、その時だけ、親から解放されるから。でも……水瀬君は……もう……
みんなとは・・・・・・仲良くできない
過去編が悲しい(?)話ばかりなので、第五話あたりから、東方要素を入れていこうと思います。
では、また次回!