東方閉心録~隠された過去~   作:リアス

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前回は、後書きで変なことを言ってしまってすみません。(見てない人もいるかもしれませんが)

少し疲れていただけです。本当にすみません。



今回は(も)、話のテンポが速いです。


第三話 二人の変化

「――――――――――!?」

 

――――――――――ガンッ!!

 

突然のことに、反応できなかった。僕は突き飛ばされ、壁にぶつかった。

 

「―――――っ!」

 

背中に激痛が走る。……痛みで、体が動かない。

 

「……水瀬君……!」

 

……雪奈さんの心配そうな声が聞こえる。

 

「……この野郎、調子に乗りやがって……!」

 

今度は、僕が暴力を振るわれていた。倒れてる僕に対して、集団で、容赦なく、無慈悲に。……理由?そんなもの、もう考えたくもない。考える意味がない―――――――こいつらの心は……腐ってるから

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――――――思えば、この時からだった。……僕の心を傷つける『声』が、はっきりと聞こえるようになったのは。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私の名前は神代雪奈(かみしろゆきな)。私の家は貧しくて、私は周りの皆と比べて、あまり贅沢ができなかった。そして、そのことが原因で、私と皆の間には、壁ができてしまった。私は、人と話すのがあまり得意ではなかったし、もし皆と一緒に話をしても、皆の話題にはついていけない。……そして、そんな私のことを不快に思ったのだろうか。何時からか、私は皆からいじめられていた。

 

 

「あいつさ、何かムカつかない?」

 

「頭いいって先生に褒められているのに、全然話さないしな。あれ、俺たちを見下してんじゃねえの?」

 

「そうだな。ってか、絶対そうだよ」

 

「勉強しか取り柄がないのに?かわいそうだな」

 

「勉強はできるけど馬鹿だな」

 

「あいつ、憂さ晴らしに殴っても問題ないよね?」

 

 

……皆、私を拒絶した。助けてくれる人なんていない。先生?……駄目だ。先生は、私がいじめられているのを知っているのに、見逃している。それで、皆のいじめはもっと激しくなる。下級生も、上級生も加わって、理由もないのに、私に理不尽な暴力を振るい、暴言を吐き、それでも先生たちは、何も言わないか、何も気づいていないかのどっちかだ。頼りにならない。……こういうのを、不幸と言うんだろうか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

小学五年生になって、私のクラスに転校生が来た。名前は水瀬葉太。性格は真面目で、ルールはきちんと守る、正義感の強い人だ。私とは違ってとても活発で、話すととても楽しくて、皆とはすぐに仲良くなった……皆とは。真面目だから、先生にも好かれてるし、皆と一緒に笑顔で楽しそうに遊ぶことができる。私も、あれだけ活気だったら、虐められなかったのだろうか?……いや、貧乏だって理由で標的にされただろう。そもそも、私が虐められるのに、理由なんてあったのだろうか?本当は、誰でもよかったんじゃないのか?

 

……そう考えたら、何だか悲しくなってきた。気づいたら、涙を流していた。

 

 

「おい、あいつ泣いてんぞ?」

 

「何もしてないのに泣くとか……」

 

「マジかわいそう」

 

「ほっとこう。関わらない方がいい」

 

「ハハッ、そうだな」

 

 

―――――死にたい―――――

 

そんな考えが頭に浮かぶが、すぐに両親のことを思い出し、その考えを振り払う。私がこんな状態でも生きてこられたのは、全てお父さんとお母さんのおかげだ。二人に悲しい思いをさせちゃ駄目だ。……だから、死にたいなんて考えるんじゃない――――――――――そう自分に言い聞かせた。今の私には、両親の存在だけが、心の支えだった。

 

 

――――――――――だが

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「え……亡くなった?」

 

 

私の心の支えは――――――――――消えた

 

 

いや、それだけじゃない。両親が死んでから、追い討ちをかけるように、皆のいじめはエスカレートした。両親のことまで話題に出し始めた。私の両親のことだけじゃなく、自分たちの親のことまで。

 

 

「俺の親は、あんなごみ虫を生んだクズとは違う」

 

「私のママ、すっごく優しいんだよ!……あいつのとは違って」

 

「あんなのを生んだ罰が当たったんだよ」

 

「つーか、もういい加減に死ねよ」

 

「親に見離されちゃったんだー、かわいそーに」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――――――それから暫くして、あの出来事が起こった。

 

 

今日も私はいじめられていた。数人の男子に、殴られたり、蹴られたり、暴言を吐かれていた。……でも、今日はいつもとは違った。

 

 

 

「こんな酷いこと……やめろよ!!!」

 

 

 

……水瀬君が助けてくれた。今まで、誰も助けてくれなかったのに………彼らのしていることは、間違っていると言ってくれた。私のことを心配してくれた。私のために、怒ってくれた。――――――――――その時、私は初めて、両親以外に信頼できる人ができた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、私と水瀬君は、病院に運ばれた。近所の人が、救急車を呼んでくれたらしい。

 

……その時の私は、病室であんな会話を耳にするなんて、思ってもいなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「何で喧嘩なんてしたの!?馬鹿じゃないの!?」

 

「ごめん……」

 

「ごめんで済む問題じゃないだろ!!いい学校に行けなくなったらどうするんだ!?それで困るのは俺たちなんだぞ!!」

 

「いや…」

 

「言い訳するんじゃありません!」

 

「……」

 

「もうこいつは駄目だな。妹の方に頑張ってもらうしか……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……そう、だったんだ」

 

水瀬君が真面目だったのは、そういうことだったんだ。私は、全てを理解した。水瀬君が何事にも真面目に取り組んでいたのは、親に追い詰められてたから。皆と遊ぶ時、あんなに楽しそうだったのは、その時だけ、親から解放されるから。でも……水瀬君は……もう……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

みんなとは・・・・・・仲良くできない

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




過去編が悲しい(?)話ばかりなので、第五話あたりから、東方要素を入れていこうと思います。


では、また次回!
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