この作品は昔書いていたものが出てきましたので、もたいないおばけに祟られない様に供養のため掲載します。

※一応『ユーノ×なのは』なので、このカップリングが苦手な方はご注意下さい。
※pixivにも投稿しています。

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『囚われのお姫様?』

「あれ?『本日の業務は終了いたしました』って……」

「何の冗談やっ!?」

「でも本当に鍵が掛かっているよ?」

「どうしたんでしょうか?」

 

 管理局の若きエース3人と一騎が何時もの様に無限書庫を訪れると出迎えたのは無骨な看板であった。

 しかも、まるで血の様な赤いペンキで書きなぐられたシュールなモノである。

 

「何か聞いとる、なのはちゃん?」

「こっちが聞きたいぐらいだよ、はやてちゃん……」

「無限書庫がお休みなんて信じられないですぅ」

「取り敢えずクロノに連絡してみるね」

 

 

「どうしたの、義兄さん? 何だか疲れているみたいだけど?」

 

 通信モニター越しに現れたクロノの表情は何時も以上に硬く、苛立ちげであった。

 

【フェイトか……すまないがまた後で連絡してくれるか? 今、手が離せないんだ】

「ちょ待ぃなクロノくん!! 無限書庫が閉まってるんやけど何か知らんか?」

 

 はやてがクロノに畳み掛ける様に問い掛けた。

 

【そのことか……そうだな、知っているぞ。詳しい事が聞きたければこちらに来てくれ】

 

 露骨に顔を顰めながら、半ば吐き捨てる様にそれだけ伝えるとクロノは通信を切った。

 

「なんや、えらい機嫌悪そうやったな……」

「はいですぅ……取り敢えずクロノさんの所に行ってみましょう」

 

 八神家の主従はお互いに首を傾げていた。

 

 

「えっ? ごめん、クロノ……聞き間違えたみたい……」

「わっ、悪いけどもっぺん言ってくれるか?」

「リィンからもお願いするですぅ」

「……うっ、嘘だよね。クロノくん?」

「はぁ~~だから無限書庫の司書全員が行方不明なんだ。その上、エイミィ……」

「クロノくん宛てにこんなのが届いたんだよ」

 

 エイミィが4人の前にウィンドーを開いた。そこには―――

 

『クロノ・ハラオウン殿。貴殿が我々の要求を呑まない限り無限書庫は再開しないだろう。色好い返事を期待している』

 

 という声明文が書かれていた。

 

「……あのこれドッキリとかそういうオチなん?」

「はやてじゃないんだから……」

「こんな悪戯するのは、はやてちゃんぐらいだよ」

「御免なさいはやてちゃん……リィンもそう思うですぅ」

「あはははは……そうやな管理局広しと言えど、うちぐらいか……って、そない漫才しとる場合やない!! 探しに行くで!!」

「ちょ……!? はっ、はやて?」

「にゃぁああ~~~!!?」 

「あらら……良いの、クロノくん?」

「ああ……無限書庫が閉鎖されて業務が滞っているからこちらは捜索までは手が回らない。彼女らに任せるしかないさ……まったく、あのフェレット(淫獣)の御蔭で今夜は徹夜だ」

 

 クロノは引きずられるように去っていくフェイトとなのはを指差しながら尋ねたエイミィを一瞥しながら苛立ち気に書類作成を再開させた。

 

 

「クロノ提督からの返事は?」

「全く無し……」

「司書長の様子は?」

「まだ寝ているわ」

 

 部屋の奥ではユーノが荒い息をしながらベッドに寝かされていた。

 

 

「はやて。探しに行くのは賛成だけど……」

「わたし達だけじゃ手が足りないと思うよ?」

「こない肝心な時に家の子達(ヴォルケンリッター)は仕事でおらんし……」

「どうしましょう、はやてちゃん?」

「そうや!! こんな時こそロッサの稀少技能(レアスキル)が役に立つやんか!! 早速、連絡や!!」

 

 

【探すも何も聖王医療院に居るよ?】

「「「「はぁ?」」」」

【だからユーノ先生のことだよね?】

「いや、だから何でそないな所に居るん?」

【先生が過労で倒れて司書達がストライキを敢行しているって訳だよ】

「あの~それって若しかしなくても義兄さんの……」

【ああ、クロノ君の膨大とも言える資料請求が原因だね】

「フフフフフ……そうなんだ……クロノくんが悪いんだ……」

「「「なっ、なのは“さん・ちゃん”? あっ、あの……」」」

 

 なのはの素敵なほど黒い笑顔を直視したフェイトやはやてとリィンフォースはお互いに抱き合って震えている。

 

【そっ、それじゃ僕はこれで失礼させてもらうよ……】

 

 ヴェロッサはなのは(悪魔)の笑みを見て引きつった顔で慌てて通信を切った。

 

「フェイトちゃん、はやてちゃん、リィン……わたしのお願い聞いてくれるかな?」

「「「Yes mam!!」」」

 

 なのは(悪魔)お願い(命令)に直立不動で敬礼するはやて達。

 その晩、管理局本局の訓練室が大破して、とある提督が聖王医療院に緊急搬送されたのであった。

 

 

「ユーノく~ん♪お見舞いに来たよぉ~♪」

「いらっしゃい、なのは」

「具合はどうかな?」

「心配ないよ、元気そのものだよ。明日には退院出来そうだよ」

「良かった。でもユーノくん明日からはしばらくお休みだよね?」

「うん。リンディさんとレティさんがこの際だから溜まった有給休暇を使いなさいって……僕がいなくて無限書庫は大丈夫かな?」

「大丈夫だよ。最近は資料請求が減ったみたいだから……」

「そうなの?」

「えっと……そっ、そのね。だから……わっ、わたしとお出かけしよう!!」

「そうだね、しばらくなのはともゆっくり話せる機会が無かったから二人でピクニックにでも行こうか?」

「うん♪ 喜んで♪」

「ところでなのは……隣には誰が入院してるの? なんか魘されてるみたいなんだけど」

「さあ? それよりもどこに行こうか決めようよ♪」

「そうだね、どこか行きたい場所とかある?」

 

 

「うぅ……なっ、なのは……ゆっ、許してくれ……SLBが……SLBだけはぁあ~~~~!!!?」

「自業自得だよ、クロノくん……」

 

 隣室ではエイミィが溜息混じりにクロノの看病をしていたのであった。

 

 


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