翌日、俺は東條さんと話をするために神田明神に向かった。
「あれ?」
「やっほ~又木君」
東條さんが階段の淵で座っていた。
「何で上じゃなくてここに居るんすか?」
「何で?ってただ単にバイトの日じゃないからやけど?」
「あっそうなんすか?てっきり仕事してると思ってたんでこれ上るの覚悟してたんすけどね~」
「ふふふ、なら上る手間が省けてよかったやん?」
「まぁ~そうですね」
「そういえば加藤君は?」
「あいつは後できますよ。『なんで掃除当番何てあるんだよ~!』って言ってたんで」
「くすす、昨日会った時から思っとったけど、中々賑やかな人やね加藤君って」
「えぇ・・・ま、それが一つの取り柄な奴ですからね」
「ふふふ、そんじゃ~昨日の続き聞かせてもらえる?」
「えぇ、ですけど・・・さすがに此処じゃ昨日みたいに邪魔が入ったりしたら面倒何で何処か適当な所にでも入りませんか?」
「それもそうやね~んじゃ行こっか?」
そうして俺たちはしばらく歩いた先のファミレスに入った。
「ドリンクバーで」
「あ、うちもそれで」
「かしこまりました。ドリンクバーお二つですね」
適当に注文を済まし、飲み物を取りに行き席に戻る。ちなみに俺はウーロン茶で東條さんはジンジャーエールだ。
「さて・・・・・・」
「(わくわくきらきら)」
「あぁ~(汗)・・・昨日何処まで話しましたっけ?」
「オーラが見えるって事と、力を100%は理解や制御はできてないって所だよ!」
「(ちょっと声が大きいですよ!!)」
「あっ・・・すいません。(ごめんごめんやっと聞けると思ったら・・・ね?)」
周りにペコリと頭を下げながらてへぺろと言った風に謝って来た。
「ふぅ~・・・あまり人目を引き付けるようなことはしないでくださいよ?じゃないとここに入った意味がないんですからね?」
「うっ~・・・ごめんなさい」
「まぁ~良いですよ。それじゃオーラについてから話しましょうか?」
「うん!」
(本当に分かってんのかなこの人?)
(まぁまぁ~これぐらい可愛いもんじゃろ?)
(それは・・・否定しねぇけど)
「それじゃ説明しますね」
それから大まかにオーラがどのように見えていて、人の感情や精神状態で変わる等の世間一般でもよく聞くような部分から説明していった。
「と言った風に見えていますね。まぁここまではオカルト本や漫画アニメの類でもよく聞くような事でしょうけど?」
「うん、確かにそうやね・・・ここまでって事はまだあるん?」
「えぇ、オーラが変わる時と言うのは大抵がその人にとっての何らからの『きっかけ』になる物・・・あるいは人や状況ですね」
「きっかけになる物や人や状況?・・・それって芸能人とかが良く言うスイッチのオンオフや、仕事と日常の切り替えみたいなもん?」
「えぇそのイメージで大体合ってます。後は、野球選手がグローブやバットを持ったら燃えてくるとか、女の子とかが雑誌を見て御洒落に目覚める、といった感じのその人の意識を変えたり、呼び覚ましたりするような事に触れる時に変わることが多いですね」
「へぇ~・・・でもそれも言ったらなんやけど、比較的に良く聞く事やと思うんやけど?」
「んなこと言われても、実際そうなんだからどうしようもありませんので」
「ひ・・・開き直るんやね」
「事実なんで開き直るも何もありませんけどね~」
「うぅ~・・・あっ、そういえば昨日うちの事オーラがどうとか言ってマジマジ見とったよね~?」
「うっ」
なんかニヤニヤしながら言ってきた。
「正直・・・あれ結構恥ずかしかったで~結構熱い眼差しで見つめてきたからな~?」
「それは・・・ガン見したことは悪かったですよ~・・・ただ」
「ただ?」
「東條さんがカードを手に持って語りかけてくる時にわずかですけどオーラに変化が起こったんですよ」
「え?そうなん?」
「えぇ、それにあまり感じたことのない雰囲気だったんで・・・ちょっと興味を惹かれてしまって」
「あぁ~だからあの時はあんなにあっさりと、うちのカードが告げるって言うことを信じてくれたんやね?」
「まぁ~ありていに言えばそうですね」
「そんで?」
「え?」
「あまり感じたことがない雰囲気ってどんなんだったん?うちからどんな力を感じたん!?」
「・・・また声が大きくなってますよ?」
「あ」
「ふん~・・・まぁ~力なんて大それたものを感じたわけではないんですけど・・・それに」
「それに?」
「何て表現すればいいか言葉には表しにくいんですよ、かなり直感や抽象的な感覚なものですから」
「それでもうちは知りたい・・・又木君は一体うちのオーラをどう感じたん?」
今までの感じとは打って変わり、かなり真剣な面持ちになった。
「う~ん・・・何といいますか・・・付いて行きたくなるって感じですかね?」
「付いて行きたくなる?・・・それってつまりどういうこと?」
「つまりと言われても・・・そういう風に感じたんで具体的に説明は正直今は無理です」
「そっか~・・・でも悪い感じではなかったんやね?」
「え?・・・そりゃまぁ~悪い人には付いて行きたくはなりませんからね」
「そっか・・・よかった~」
「どうしました?」
「いや、あんなに真剣に、それに結構鋭い目で見つめられたから、ひょっとしてうちから悪い力でも感じたんかと思って、ちょっと不安になってもうてな」
「え?そんなに鋭い目してましたか?」
「うん、かなり・・・こ~んな感じに」
そう言いながら、指で両目を釣り上げてニヤニヤとしていた。いや、流石に盛りすぎだろ;
「いやいや、そこまでじゃないでしょう?」
「む~、君ノリ悪いよ~そこは『なんでやねん!』って突っ込むとこやで?」
「いや、ここでツッコミのダメ出しをされましても困りますんで」
「まぁ~この話は置いといて」
「置くんかい」
「お?今のは良かったな」
「・・・しまった、つい流れで」
「まぁええで、それよりうちから感じた感覚なんやけど」
「それはさっきも言いましたけど、説明できませんよ?」
「うん・・・でもな?」
「ん?」
「もし見つかったら・・・教えてほしいな?」
子供を見る母親の様な表情で、俺を見つめてきた。
「っ!?~・・・わかりました」
「やった!」
今度はあまり大きな声ではなく、小さく叫びながらガッツポーズをしていた。しかし・・・さっきの表情には少しやられた。
「ですけど!・・・絶対見つかるなんて保障はできませんからね?」
「うん、でも『いつか』は見つかる様な気がするんよ?」
「何でそう思うんですか?」
「何でやろうね?・・・なんだか君ならできるような気がしてな?」
「そんな過度な期待もたれても困りますけどね」
「それでも・・・うちは待ってる、だから頑張ってね?又木君」
「・・・・ふんっ」
なんだか子ども扱いされてる様で、少しだけ気に入らないな、しかしここまで期待されたら、応えないわけにもいかないか。
「んふふふ♪」
急に上機嫌な含み笑いをし出したので、そちらを向きながら言う。
「なんですか?」
「いや、君って結構子供っぽいやなって思って?」
「っ!?~~ からかわないでくださいよ!」
「ふふふ♪今度は君の方が声が大きいで?」
「うっ~・・・(ガシ!)んっんっ(ゴクゴク)」
まともに東條さんを見ることが出来ず、ウーロン茶を流し込みながら、横目で外を見てみると。
「(じ~~~~~~~)」
「んっ・・・・・・・・」
翔のやつと目が合った。・・・いつから居たんだよお前;・・・てか入って来いよ!周りの人たち引いてんじゃねえか!
読み直してみて、ちょっと最後が唐突な展開だなと思ったので修正しました。