その後、翔は俺の隣に座ったが、開口一番に「昨日ぶりです!東條さん!」って大声で叫びやがったので、とりあえずは頭を軽くはたかせてもらった。目立つだろうが!
「てかお前、いつから居たんだよ」
「ん?お前が何か言われて、そっぽ向いた時だな・・・ブフッ!」
もう一発。(少々強め)
「さっきから何ニヤニヤしてるかと思ったら~」
「あててて、ただの冗談じゃねえか、そんな怒んなよ」
「怒ってんじゃねえ、ムカついてんだよ」
「やっぱ怒ってんじゃねえかよ!」
「君たち本当に仲いいんやね~」
「えぇまぁ」
「いんや、ただの腐れ縁です」
「ひでぇなお前!」
「クスクス、まるで漫才やな」
「いや別にそんなつもりは」
「なんなら俺ら二人でコンビでも組みますかね?」
「お?それ中々ええな?」
「いや、やらないっすからね?」
「ええ!?うちは良いと思うんだけどな~ねぇ加藤君?」
「えぇ、俺もこいつとなら行ける気がします!」
「ほら!!」
すごくニコニコしながらサムズアップしてくる・・・本当に楽しそうだなこの人!てか話が進まねえじゃねえか!
「それより!そろそろ本題に戻りませんか?」
「そやね、おふざけはこんくらいで」
「ですね、そんでどこまで話したんだ?」
「オーラがどんなふうに見えるかって説明し終わった所だ」
「え?まだそんだけ?」
「!?」
あ!?この馬鹿!何してくれてんだ!・・・あ~もう、また目キラキラさせ始めたじゃねえかよ!せっかく少しは落ち着いてきたかと思ったってのに!
「お前何もったいぶってんだよ、それに俺まだ昨日の事何も聞かされて無いぞ」
「あ!?そうだよ!昨日の事まだ何も聞いて無いやん!」
「あ・・・いや」
「まぁ~お前あんまり自分の事を話したがらないし、いままで東條さんみたいな人にはあったことがないから何処まで話したら良いかの区切りが見えないといったところか?」
「!?」
「え?そうなん?」
「それに・・・お前なら人の良し悪しはすぐに見分けられるだろ?」
「ちょ!?おま!!」
「え!?そんな事も分かるん!?」
「お前なぁ・・・」
「まぁ~そんな顔するなって、こうでもしないとお前話そうとしないだろう?」
「・・・後で覚えてろよ」
「へいへい、ま、取りあえず・・・もう待ちきれないみたいだぞ?」
見てみたら、今にも飛び掛かってきそうなぐらいに目を輝かせて、鼻息も荒くしてかなり興奮しているご様子だ・・・ちょっと怖いぞ;
「はぁ~分かった、話します話しますから」
「うんうん!!」
「え~と、昨日のあれは・・・いわゆる透視能力ですね」
「透視!?」
「ほう~何か久々に聞いたな」
「それじゃあのハンカチを拾ったときに動きが止まってたのって・・・あの男の人の何かがその時見えてたん?」
「えぇまぁ」
「すごいすごい!!ねぇ!それって今できたりするん!?」
「いや・・・それは・・・」
「もしかして?・・・できないん?」
「えぇ、正直その力にはムラがありまして、僕の意図とは関係なく突発的に発動するんで」
「そっか~なら今できる事ってあるん?」
「あ~・・・まぁ」
「本当!?ならやって見せて!」
「いや、見せてと言われても」
「駄目なん?」
「いや、そういうわけじゃ・・・ただ目には見えないんで」
「もう~今更疑ったりしないよ?」
「いや・・・でも」
「はぁ~やってやればいいじゃねえか?減るもんじゃねえんだから」
「・・・お前他人事だと思って、んなこと言うならここはお前が持てよ?」
「ん?はいはい何でも持ってやるから」
「言ったな?後から異論は聞かんぞ?」
「はいはいわかったから、早くやってやれよ」
「この・・・はぁ~・・・んじゃ、やってみますよ?」
「うん!!」
「ならまず、何か言い当てて見せましょう」
「お~心を読む読心術ってやつ?」
「いや・・・少し違います、読むんではなく話すんです」
「話す?」
「えぇ・・・あ~少し待っててください」
「え?うん・・・」
そして俺は目を閉じる。
「すぅ~~~~~~~~~~・・・・・・・ふぅ~~~~~~~~~~~・・・」
「?・・・精神統一?」
「まぁ~みたいなもんすかね?何でも力を練ってるんだとか」
「ほう~」
「・・・・・よし」
「お?準備OKなん?」
「えぇ そんじゃ何から当てましょうか?」
「そやね~・・・あ!」
何か思いついたらしく、カバンをゴソゴソし始めた。取り出したのはタロットカードの束だった。
「じゃ~ん ならこれからうちが引くカードを当ててみて?」
「タロットカードですか・・・まぁ~別に構いませんけど」
「よ~し!」
そう言うとカードを切りはじめ、山を二つに持ち替えた。おぉショットガンシャッフル!?かなり手馴れてらっしゃる、やっぱりスマートに出来たらかっけぇな~・・・昔やってみてトランプをバキリとやっちまった思い出がよみがえる・・・あれ以来できないと分かっててもノートや雑誌をそれに見立ててパラパラと想像しながら練習するが、本番ではまたカードの山札一つをダメにしそうで出来ないんだよな~・・・はぁ~
「じゃ~行くよ~・・・ッ」
そして机の上に山札を置き、カードを一枚引いた・・・結構引く勢いが良かった。そしてそれを確認して机の上に伏せた状態で置いて指で指すように押さえた。
「じゃ、これの絵柄は何?」
「それは・・・『吊られた男』ですかね?」
「おお!?正解だよ!」
カードを返してもらうと、木に吊るされたような男が描かれていた。・・・しかしなんだかこれは、霊能と言うよりも超能力者テストじゃねえか?
「なら次!これは?」
「・・・『正義』?」
「正解!次」
「・・・『戦車』?」
「なら次は、三枚同時だよ!」
「・・・右から『力』?『太陽』?『帝王』?」
「なら次は・・・」
そして最後のカードまで言い当てた。ちなみに最後のカードは『愚者』だった・・・最後がジョーカーかよ;
そして東條さんはかなり興奮気味でずっと「すごい、すごい!」と連呼していた、どうやらそれ以外言葉が出ないようである。
「それにしても、君意外やったね?」
「いや、別にそんな意外な事はやってないと」
「あ!そうじゃなくて、タロットの柄に結構詳しいんやね?って」
「あぁ~別に詳しくないですよ?むしろカード自体を見たのが今回が初めてかな?」
「え?でも・・・全部言えたやん?」
「それは東條さんが伏せている時、ついでに柄名も教えてもらっただけですよ」
「え?教えてもらった?そういえば話すって言ってたけど・・・でも君答え以外何もしゃべってなかったはずやけど?」
「・・・念じて会話してたんです、守護霊と」
「え!?」
はぁ~・・・まだ終われなさそうだ;
どう絡めて、動かしたら良いのか・・・かなり悩みました;