彼女の詩   作:サカヅキ

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1. プロローグ

彼女が、日本人らしい綺麗な顔を歪ませている。

 

「まぁ、そうだよね。」

 

とても悲しそうに、彼女は女にしては

 

少し低めの声でそう呟いた。

 

容赦なく俺達を濡らす雨が彼女の

 

エナメル線のような髪を濡らして、

 

一層、彼女を悲しそうに演出していた。

 

「ごめん…。」

 

俺は、心底情けない声でそう呟いた。

 

否、そう呟くしかなかった。

 

「いいんだよ。仕方がないんだよ。」

 

そんなことを言っても、コートの裾を

 

握り締めている彼女の手は震えていた。

 

彼女の白い腕には、見覚えのある

 

ブレスレットが身に付けられていた。

 

それが、余計に悲しさをひきたたせる。

 

でも、今こうしなきゃ、彼女は壊れてしまうから。

 

だから、もう一度いった。

 

「ごめん。」

 

彼女は、そのセリフにもう返事をしなかった。

 

そして、これだけ言った。

 

「ごめんね。ありがとう。________

 

ジリリリリリリリリ!!!

 

「!!」

 

目が覚めた。

 

とても嫌な夢を見た気がする。

 

体中が汗に濡れていて気持ち悪い。

 

むっくりと体を起き上がらせて

 

カレンダーをぼんやりと眺める。

 

「そうだった。今日は終業式だ。」

 

ぽつりとそう呟いてベッドから降りた。

 

朝ごはんのために階段を下りていると、

 

何かが頭を掠めた。

 

「?」

 

あれ、なんか用事とかあったっけ?

 

スマホを確認しても今日の予定は

 

終業式のみだ。ほかにはなにもない。

 

なんだかモヤモヤしたまま

 

焼き鮭を口へと運ぶ。

 

 

 

__________

 

食べ終わって、2階に上がろうとするときに

 

「皮のこしたわね。」

 

と言う不満げな母の小言がきこえた。

 

相手をしている暇はない。

 

早く学校へ行かなければ。

 

そして、何よりも早くこのモヤモヤを

 

ぬぐい去りたかったんだ。

 

暑い。今日は何度まで上がるのだろう。

 

夏はあまり好きじゃないな。

 

俺はそんなことを考えながら道路を歩く。

 

暑い。暑い。溶けそうだ。

 

喉も乾いた。駅でジュースでも買おうか。

 

でも、そんなことをしていたら

 

乗り遅れるのがオチだろう。

 

でも乗り遅れたって、遅刻するわけじゃない。

 

あれ、なんで俺は焦ってるんだ?

 

頭の中がごっちゃになってきた。

 

きっとこれも夏のせいなのだろう。

 

「夏、か。」

 

なんでも夏のせいにする自分に苦笑が漏れる。

 

言い訳がましいな。まるで…

 

「ん?」

 

やっぱり今日はどこかおかしいのかも知れない。

 

思い出せない。今、

 

俺は何を思い出そうとしていたんだ?

 

ガツッ

 

「?!い゛っ…」

 

強かに頭を強打してわれに帰った。

 

やっと駅についた。

 

さっさと中に入って頭を冷やそう。

 

俺はエレベーターに足を踏み出した。

 

 

あの時、無理にでも

 

休んでいたら良かったのかもしれない。

 

To be continued……




初めての小説投稿です。拙い点もあるかと思いますが、
少しでも楽しんでいただければ幸いです。
これからよろしくおねがいします。
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