※艦これ×戦艦少女Rのクロスオーバー作品です。
※自作小説の世界観で展開しているため、一部キャラの設定が公式や他の作品と異なることがございます。
※SeaArtのAI小説創作ツールで作成しています。(世界観設定・あらすじ・キャラ設定は自身で考えたものです)
人物・関係設定はこちらです。
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本編
鎮守府の本館にあるラウンジは、甘い紅茶の香りと、華やかな女性たちの穏やかな談笑に満たされていた。大きな窓から午後の柔らかな日差しが差し込み、磨き上げられたテーブルの上では、繊細な細工の施されたティーセットやお猪口、キャラクター柄のついたグラスなど異なる飲み物が置かれている。
集まっているのは、いずれも航空母艦の艤装をその身に纏う日米の艦娘たちだった。
「それにしても、日本の夏は蒸し暑いわねぇ」
レキシントン(CV-2)が、優雅に扇子を使いながらため息をついた。彼女の隣では、妹のサラトガが冷たいジュースを片手にけらけらと笑っている。
「レキ姉は暑さに弱すぎだよー。あたしはこれくらい平気っぽい!」
「あら、サラは若いからよ。この湿気は肌に堪えるの」
「おいC赤城よ。お前さんはいつもぴしりとしすぎて疲れないか?もっとこうだな。わしみたいに」
N加賀が手に持った湯呑みを傾けながら、隣のC加賀に絡みながらぼやくようにC赤城に言う。 C加賀はそのだらしない姿勢に苦労人のため息を一つ落とした。二人の間に視線を言ったり来たりさせて眉間にしわを寄せている。
「加賀先輩、勤務中なんですから少しはシャキッとしてください。それに赤城さんの真面目さがなければ、この鎮守府の規律が保てません」
銀髪を揺らしながらN加賀はケラケラと笑い、C加賀の言葉を気にもしない。
「そうでしょうか?私はC部署の規律正しい空気の方が性に合っていると感じます。特にC赤城さんの指導は的確で、日々身が引き締まる思いです」
生真面目な顔で答えたのは、N部署の赤城だ。彼女の隣で、C部署の赤城は、表情を変えずにこくこくとお茶を飲んでいる。その実、N赤城からの真っ直ぐな尊敬の言葉に、少しだけ気恥ずかしさを感じていた。
アメリカ艦娘たちも、それぞれに日常の話題を交わしていた。 レキシントン(CV-2)は、優雅な手つきで焼き菓子を皿に並べながら微笑んだ。
「レキ姉ったら、また司令官に甘いものを差し入れするんでしょ? もう、あの人は甘やかされすぎなんだから」サラトガが、少し頬を膨らませて姉に言った。
レキシントン(CV-2)は困ったように微笑んだ。
「あら、サラトガ。司令官もいつも頑張っていらっしゃるもの。たまにはご褒美も必要でしょう?」
その隣で、レキシントン(CV-16)が静かに小説を読んでいた。サラトガが、その肩を小突く。
「レキちゃんも何か言いなさいよ。レキ姉が甘やかすから、司令官がだらけるのよって。」
レキシントン(CV-16)は顔色一つ変えずに、本から視線を移さずに答える。
「司令官がだらけるかどうかは、彼自身の問題です。それに、私に言われたところで、レキシントンさんの行動が変わるとは思えません」
「もう!レキちゃんはホントにつれないんだから」
とサラトガは不満げに口を尖らせた。
レキシントン(CV-16)は実年齢ではサラトガより年上なのだが、サラトガにはいつも妹のように扱われるため、内心ではうんざりしている。
それぞれの苦労話や日常の一コマが語られるうち、話題は自然と彼女たちの本分へと移っていく。
「そういえば、あなたたちの艤装は、私たちのものとは随分と形が違うわよね。甲板の形状とか、兵装の配置とか」
最初に切り出したのは、レキシントン(CV-2)だった。彼女の言葉に、全員の視線が自然とお互いの身体——正確には、そこに幻視される艤装へと向けられる。
「うむ。それぞれが歩んできた歴史が、この身に刻まれておるからのぅ。わしらは元が戦艦じゃ。その骨格故の頑丈さが自慢よ」
N加賀が、ふふんと少し得意げに胸を張る。すかさず、C赤城が冷静な口調で補足した。
「ええ。加賀さんの言う通り、私たちは他の艦種から生まれ変わった存在です。その出自が、私たちの強みでもあり、弱みでもある…ただそれだけのこと」
その声には、僅かな陰りが含まれている。
「へぇ、面白いわね。私たちレキシントン級も、元は巡洋戦艦として計画されたのよ。だから速力には自信があるの」
レキシントン(CV-2)が優雅に語る。
「そう!レキ姉の言う通り!それにサラトガはスマートなんだから!日本の空母みたいに、ずんぐりむっくりしてないもん!」
サラトガが、えっへんとばかりに胸を張る。その子供っぽい物言いに、日本の空母組の眉がぴくりと動いた。
「ずんぐりむっくりとは心外じゃな。この姿形は、幾多の海戦で流された血と涙の結晶なのじゃ。一つ一つの設計に、意味がある」
N加賀の声が、少し低くなる。CV-16は、そのやり取りを冷めた目で見つめながら、ティーカップをソーサーに置いた。カチャリ、と場に似合わない硬質な音が響く。
「感傷的な話は結構です。貴女方の設計思想が、経験則という名の場当たり的な改修の積み重ねであることは理解しています。ですが、それは我々エセックス級とは根本的に思想が異なります」
丁寧だが、体温を感じさせない言葉だった。
「我々は、最初から『勝つ』ために、最も効率的な航空母艦として設計されました。量産性、防御力、航空機搭載能力。全てが合理的な計算に基づいています。あの戦争の帰趨を決めたのは、その差です。それ以上でも、それ以下でもありません」
彼女の言葉は、和やかなお茶会の空気を一瞬で凍てつかせた。それは侮辱ではなかった。冷徹な事実の陳列であり、だからこそ、より深く相手の誇りを抉る。
「ふむ、合理性か。それも一理あるが、しかし……。」
N加賀が腕を組む。その隣で、C赤城が静かに口を開いた。
「私たちの赤城と加賀も、元々は巡洋戦艦と戦艦として設計された船体。それを空母へと改装した、特殊な経緯を持つ艦です。その記憶を受け継ぐこの艤装は、他の空母にはない独特の強さとしなやかさを秘めています」
C赤城とC加賀。日本海軍の航空戦力の黎明期を支えた、二隻の航空母艦。その存在は、艦娘の艤装を装着する者としても大きな誇りだ。
C赤城をうっとり見つめるN赤城はすかさず言う。
「艤装に込められた魂が、私たちの精神と共鳴するとき、真の力が解放されるのです」と、その言葉には詩的な響きが混じっていた。 C赤城は後輩赤城の言に頷きながらも、その瞳には静かなる闘志が宿っていた。
「私たちの艤装は、日本の空母とは異なる設計思想のもと、広大な海での運用に特化しています。その戦略的な価値は計り知れません」レキシントン(CV-2)が、あくまで優雅な姿勢を崩さずに主張した。
「いかに艤装が強くても、それを扱う艦娘の腕前がなければ意味がないわ。私のいたずらで敵を翻弄する戦術こそ、真の強さよ!」サラトガは身振り手振りで、自らの戦術をアピールする。
得意げなサラトガに、レキシントン(CV-16)が冷静に言葉を返す。
「確かに、あなたたちの艤装は素晴らしいです。ですが、私のこのエセックス級も負けてはいません。量産性と性能を両立させた、合理的な設計。多くの姉妹艦と共に戦い抜いたその記憶は、どんな状況でも最適な判断を下す助けとなります」
レキシントン(CV-2)とサラトガのアピールにもレキシントン(CV-16)は食らいつく。
「いやレキちゃん!あなたどっちの味方なの!?」
急にフレンドリーファイヤーされる形となりサラトガはレキシントン(CV-16)の肩を叩いてツッコむ。
日米の空母艦娘たちの議論は、次第に白熱していく。それぞれの艦の歴史、性能、そしてそれにまつわる想い。誰もが自らの艤装こそが最強であると信じ、譲らない。
「やっぱり、総合力で言えば私たちのレキシントン級が一番よ!」
「いいえ、安定性と拡張性ならエセックス級が上です!」
「何を言うか。一撃の破壊力と、それを支える強靭な船体こそが空母の本質じゃ!」
「ええ。そして、その二つを最も高いレベルで両立させているのが、私たちなのです」
「どっちが優れているか、ここでハッキリさせたらどうだ!」
「望むところです!」
議論は完全に白熱し、一触即発の雰囲気さえ漂い始めていた。まさにその時だった。
「おー、なんかすごい熱気だな。何を話してるんだ?」
ラウンジの入り口から、のんびりとした声が聞こえた。そこに立っていたのは、コーヒーを片手に通りかかった西脇提督だった。
その瞬間、全員の動きがピタリと止まる。そして、次の瞬間、まるで示し合わせたかのように、全員の視線が提督に集中した。
「「「「「「「提督(あなた様・司令官・アドミラル)!」」」」」」」
地響きのような呼び声と共に、七人の美女が一斉に提督へと詰め寄った。
「ちょうどいいところに来ましたね、アドミラル。公平な第三者の意見を聞かせてください」
「司令官、私たちの話を聞いてくださる?」
「あなた様!お聞きくださいまし!」
提督は、突然自分を取り囲んだ空母たちの、尋常ではない迫力に完全に気圧されていた。(な、なんだ!?何の話だ!?さっきまで和やかにお茶してたじゃねぇか!というか顔が近い!いい匂いがするけど近い!)
「まあ、提督。冷静に、公平に判断してくださいね?」
C加賀が、有無を言わせぬ笑みで提督の片腕をがっしりと掴む。
「アドミラル。我々のうち、誰が最も優れた存在か…貴方の口から、論理的に説明していただきたいのです」
CV-16が、その整った顔立ちに一切の感情を排した瞳で、提督の顔をぐいと覗き込む。
(一番!?何が!?え、もしかして、この中で誰が一番好みか、みたいな話になってんの!?いやいやいや、そんな公衆の面前でセクハラみたいなことできるか!)
「そうじゃ!提督!わしじゃろ?わしを選んでくれるんじゃろ?」
N加賀が、提督のもう片方の腕に豊満な胸を押し付けながら甘えた声を出す。
「待ってください!提督は、私のような大和撫子の奥ゆかしさをお好みのはずです!」
C赤城が、真剣な顔で提督の正面に回り込む。
「レキ姉やわたしが一番よね?選んでくれたら毎日幸せだと思うなー、なんて」
サラトガが背後から提督の肩に顎を乗せる。その姉であるレキシントン(CV-2)は、提督のネクタイの歪みを優しく直しながら、「ふふ、困らせてしまってごめんなさいね、司令官」と微笑むが、その目は「分かっていますわね?」と雄弁に語っている。
四方八方から迫る、絶世の美女たちの圧倒的な圧力。それぞれが放つ芳香と体温、そして真剣すぎる眼差し。提督の脳内キャパシティは、完全に限界を突破した。
(無理無理無理!選べるわけねぇだろ!というか議題が議題ならもっとこう、ロマンチックなシチュエーションとかあるだろ常識的に考えて!こんな公開処刑みたいな場で何を選べって言うんだ!死ぬ!物理的にも社会的にも死ぬ!)
「あ、あのな、みんな、ちょっと、落ち着こ……」
提督が、か細い声で停戦を呼びかけようとした、その時。
「さあ、提督。詩的な感性を持つあなたなら、きっと真実を見抜いてくださるはず……」
N赤城がトドメとばかりに、提督の頬にそっと手を添え、吐息がかかるほどの距離で囁いた。
その瞬間、提督の中で何かが、ぷつりと切れた。
「うわあああああああああああああ—————っ!!」
情けない悲鳴を上げると、提督は空母たちの包囲網を、文字通り火事場の馬鹿力でこじ開け、脱兎のごとく廊下の向こうへと走り去っていった。
しん、と静まり返ったラウンジに残されたのは、呆然と提督が消えた方向を見つめる七人の空母たちと、床に転がった空のコーヒーカップだけだった。
数秒の沈黙の後、最初にそれを破ったのは、サラトガのくすくすという笑い声だった。
「ふ、ふふっ…あはは!今の見た!?アドミラル、すっごい顔して逃げてった!」
サラトガのその一言がきっかけだった。N加賀が、こらえきれずに「ぶふっ」と噴き出し、やがて腹を抱えて笑い出した。
「あっはっはっは!見事な逃げっぷりじゃ!何か勘違いしておったようじゃが、あやつも隅に置けぬのう!」
その陽気な笑いは伝染し、それまで張り詰めた表情をしていたC赤城も、ふっと口元を緩ませて小さな笑みを浮かべた。N赤城は口に手を当てて、上品に、しかし楽しそうに肩を揺らしている。
「…まったく、締まりのない司令官ですね。あれでは示しがつきません」
CV-16が、呆れたようにため息をつく。しかし、その口調には先程までの刺々しさはなく、むしろどこか面白がっているような響きがあった。
「ふふ、でも、少しやりすぎてしまったかしら。司令官、驚かせてしまったわね」
レキシントン(CV-2)が、困ったように微笑みながら、床に落ちた提督のカップを拾い上げた。
「本当に。私たちも少し、頭に血が上りすぎていたかもしれません」
C加賀が、冷静にそう言って自分たちのテーブルを見渡す。そこには、すっかり冷めてしまった紅茶と、手付かずのお菓子があった。さっきまでの熱気が嘘のように、ラウンジには気まずさと、そしてどこか可笑しさが入り混じった空気が流れていた。
「…あの、さっきはごめんなさい。サラ、ちょっと、言いすぎちゃったかも…」
サラトガが、ばつが悪そうに日本の空母たちに頭を下げる。
「いや、良い。わしらも少しムキになりすぎたわい」
N加賀が、カラリと笑ってサラトガの頭をわしゃわしゃと撫でた。
「そうですね。お互いの歴史を背負っているからこそ、つい熱くなってしまいます。…申し訳ありませんでした」
C赤城も、深く頭を下げた。
CV-16は、その光景を黙って見ていたが、やがてふいと視線を逸らすと、テーブルの上のお菓子を一つ、指でつまんだ。
「…このお菓子、まだ食べられますか?」
「え、ええ、もちろんですわ。提督が持ってきてくださった、街で評判のケーキなのですよ」
N赤城が答えると、CV-16はそれを小さな口に運び、こくりと飲み込んだ。
「…甘すぎますね。ですが、悪くありません」
そのぶっきらぼうな感想に、なぜかその場の全員の頬が緩んだ。凍てついていた空気が、完全に溶けた瞬間だった。
「そうだわ。今度のお茶会では、司令官の好きなお菓子を用意しましょうか。確か、シンプルなショートケーキがお好きだったはず」
レキシントン(CV-2)が提案すると、全員が「それはいいわね」「賛成です」と頷いた。
「だったら、サラがいいお店知ってるよ!この前、駆逐艦の子たちと見つけたんだ!」
「ほう、それは楽しみじゃのう。その時は、わし秘蔵のブランデーを少しだけ紅茶に垂らして…」
「加賀さん(先輩)。お酒はダメです」
C赤城とC加賀からのWツッコミがN加賀に命中した。
さっきまでの代理戦争が嘘のように、ラウンジは再び、穏やかで暖かい笑い声に包まれていった。窓から差し込む午後の光は、彼女たちの友情を祝福するかのように、キラキラと輝いていた。