拙い作品ですが見ていただけたら幸いです。
それではどうぞ。
「気が付くとそこは何にもない空間でぼくはただ呆然と突っ立ていた。」
なんだろうかこの使い古されていたネタ的空間は、記憶をさかのぼっても皆目見当もつかない。…いやまぁ予想はつくのだが…。
「あのー…聞こえていますかー?」
「いつ現れたのか、目の前に気弱そうな幼女が立っているではないか。しかも結構可愛い。10年後が楽しみだ。僕はキメ顔でそう言った。」
「あ、ありがとうございます。そ、それでですねあなたに話が合って呼ばせていただきました。」
「素直にほめたのだが、彼女は先程から変わらない様子で言葉を返す。どうも警戒されているようだ。僕は思案顔でそう言った。」
「…先程からなんでわざわざ口に出してるんですか?そんなことしなくても-」
「それはこの状況とあなたの存在感を鑑みて神様なのではないかと考察したからだ。こういうパターンは、過程がどうであれ神様の前では隠し事ができないというのはよく聞く。ちなみに敬語を使わないのはまだ確信を持てないから。」
「そうですか。あなたの言う通り私はここで神様をやっているんです。…落ち着いていますね、大体の方はもっと動揺するのですが…」
「ああ、それはまだ夢見心地だからで、ついネタに走ってるだけで、地に足ついてないだけです。足ないみたいですけど。」
そういって足元を見ようとする。しかし視線は固定カメラのごとく動かなかった。
「いきなり丁寧語なんですね…話を進めましょう。これからのあなたのことです。大事なことなんで真面目に聞いて。」
「これから…?もしかしてわたしは死んだんですか…。あの時、銀行強盗に会って。」
「はい。銀行強盗の撃った流れ弾で。ごめんなさい私の不注意であなたを殺してしまいました…。」
予想していたこととはさすがにショックだった。未だ希望は残ってるが、それでも目の前が真っ暗になった気分だ。眼下に広がるのは真っ白な空間だけど。
「でも安心してください!」
「戻れるんですか!」
女神様(?)の言葉に食い気味に反応してしまった。そのせいで驚かしてしまったようだ。彼女の口からかわいらしい悲鳴が漏れた。でも仕方ないんだ。とても重要なことだから。それとおびえる顔も可愛かったです。
「ご、ゴメンナサイ!それはできないんです!代わりに三つまでなら願いを叶えてあげますから!」
まぁ、ウン。ワカッテタ。わかってましたよ…。でもやっぱりもしかたらってあるじゃないですか…うん?向こうから誰k
「貴方ですか。妹をいじめるのは。滅しますよ」
「ヒュイ!?いじめてません!いじめてませんから!ちょっと驚かせちゃっただけですからぁ!」
―そんなやり取りが神(妹)がとめるまで続き、その間生きている心地がしなかったとは後の彼の談である。―
「すまなかった。人間。とんだ勘違いをしてしまったようだ。何度か無礼な輩もいたものでな。」
「イエ、ワカッテイタダイタダケデモ、アリガタイデス…ハイ。」
体がないはずなのに、何故か感じる疲労感。
「で、では!改めて!願い事を三つまでお願いします!出来うる限り、叶えますから。」
願い事…願い事か、あるにはある、あるんだけど。今一番の願い事
「一日だけでもいいので、生き返らせてください。」
「「駄目です」」
姉妹揃って駄目出しをうけてしまう。出鼻を挫かれてしまった、ガーンだな。いやまだだ、まだ終わるわけにはいかない。
「どうしてもですか?」
「どうしてもです。」
「一時間、いや三十分だけでもいいんですなんなら願い事の三つのうち二つを使っても」
「くどいぞ、人間。なぜそこまで前世に執着する。」
「そ、それは…」
女神(姉)が威圧するように一瞥し言い放つ。あまりのプレッシャーに言葉が途切れ、思考が途切れかける。それでもこれだけは言わなきゃならない、主張しなきゃならない。
「…Dドライブの中身は消して、家族に謝るまではいきたくない、死にたくないんです。」
―その刹那、女神さま達が一斉にすっころんだ姿が見えた。一瞬でもとに戻ったが。
「順番が逆な気がしますけど…、それでもダメです!死者は生まれ変わることはできても、蘇ってはいけないんです!いい加減にしないと滅しますよ!」
「わかりました!速攻で別の考えます!だから滅さないでぇ!」
目に
「まったく最近の人間は礼儀を知らない、我慢を知らない、神を信じないと、ないないづくしだな。たまにはまともな人間がいると思ったとたんにこれだ。」
「みんな自分勝手すぎます…怒鳴ったり、癇癪起こしたり、私のことも考えてくれる人はあの人だけです…」
なんだか愚痴を言い合っているようだ。わざわざ目の前でやってるということは、聴かせたいのだろう。少しは反省しろ、と。前々任の奴がやらかしたことや前世の世界で不信者が増えてることはどうしようもないんだけど、まぁ、いい。願い事は決まった。
「決まったみたいですね。」
「はい。僕の願いは―天寿を全うすること、それだけです。」
その言葉に二人は目を細める。まるで僕を品定めするように。
「それだけ、ですか?あなたの言動からもっと派手な能力や突拍子もないことをお願いするものだとばかり思いましたが。」
「いやまぁ、確かにそういったものにあこがれはあります。
前者があれば段ボール一つでどこでも快適移動型マイホームが、食べても太らないスイーツが、挙句の果てには自分の生涯の、理想のパートナーさえ手に入るのではと思えた。しかし血を吐く思いで除外するのだ。
「血涙流すような悲壮な決意をしなくても、それ合わせて3つですから、大丈夫ですよ?」
若干引かれてしまったがそれでも言う。
「僕は、あくまで前世にできなかった平和な人生を送りたいんです。職を全うして、年老いて家族に見送られながら死ぬ。そんな人生を」
まっすぐ見据えるように、これが願いだと断ずるように。…痛いのはもう勘弁です
「…あなたの願い、しかと受けらせていただきました。それでは転生の準備に入ります。次なる生を受ける世界は≪魔法少女リリカルなのは≫です。」
「え」
「どうしました?」
「いえなんでも」
まさかあの世界に行くことになるとは…というか世界は決めさせてくれないんですね。ま、まぁなんとかなるさ…たぶん。あ、そうだ
「女神様方、一つだけいいですか。」
「もう間もなく転生が完了しますから手短にお願いします。」
「では…神様でも失敗するのかとかいろいろあるけどともかくいきなり殺されて文句ないやつなんてそうそういないと僕は真顔でs―――」
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「変な人だったね。」
今はただ二柱の神しかいない空間で小さな女神はそうつぶやく。
「ふむ、そうだな。軟弱者ではあったが頭は悪くはないな。」
彼女たちは今また旅立っていった一個の存在に考えをめぐらす。せめて来世では幸せが訪れてることを祈って…
「…それで彼の者の願いは、いったいどんな風にまとめたの?」
「えっと…、―――にしました。ちょうどいいのがあってよかったです。」
「これは…、ちょっと拙いかもしれないな…」
「え!?」
「まぁ後でフォローすればいいさ。」
…そんな会話があったそうな。
今回出てきたネタ全部わかる人いたらその人とは美味しい酒が飲めそうな気がします。