神様のギフト(仮)    作:砂糖露草

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たいへん遅くなりました、
決して忘れていたわけでは…決して…!
ちょっと別のところで書いている小説に熱が入ってしまいました(目逸し)
でもこれからも週一に近い感じでこちらをゆるくやっていこうと思いますので、
ゆっくりしていってください


閑話、もしくはどうでもいいような裏話
シスターさんのホンワカ裏事情


「うー、」

 一人の、まだ小学校に通っているかいないかの年の少女がしゃがみながら子猫を前に唸っている。

 対する子猫も少女を警戒してか低いうなり声をあげながら後ずさりをしていた。

 少し異様な、でもどこか日常を思わせるようなほんわかした空気が流れる中、当の本人達はいたって真剣そのものだ。

 別に少女のほうは、いじめたり、ましては取って食おうとしているわけではない。

 彼女は以前にこの子猫にひどいことしてしまい、それを悔いて謝ろうと、仲直りしようと思っているだけなのだ。

 しかし溝は深く、今なお緊張状態が続いているの現状だ。

「このままじゃ、らちが明かないよ…。一緒に遊びたいだけなのに。」

 まだ幼いためか、彼女にはどう仲直りすればいいのか検討がつかなかったことも理由の一つに挙げられる。

 そもそも野生の動物に一度警戒されれば、それをほどくのはなかなか骨の折れることなのだが…。

 とにもかくにも、彼女の計画―友達100人計画―はいきなり座礁に乗り上げてしまう。

 その時だった。

「何やってんのさ、こんな道端で。」

 一人の少年が話しかけてきた。

 その少年はこの辺りでは見かけない子ではあったが、少女は気にする素振りはせずに、答える。

「あの子と、仲直りしたいの。」

「あの子って、猫のことか。何したんだ、野良でもあそこまで警戒されないよ。」

「それは…」

 そこまで言って口をつぐむ。あまり人には言ってはいけない話も混ざってるからだ。言いたくない、その気持ちも多分に含まれてはいるが。

 それを察したのか、、それとも興味はなかったのか「まぁ、いいや」とつぶやくと少年は、自らのポケットをあさる。

「えーと、あった、あった。これ使いなよ。」

 そう言って少女に取り出したものを、いくらか手渡す。

「何これ?」

「遊び道具。ほらこうやって使うんだ。」

 少年は手渡した道具の一つ―猫じゃらし―を実演するため、もう一つ取り出し子猫の前で「ほーら猫ちゃーん、こっちでしゅよー」言いながらとフリフリと揺らしている。

 その動きに呼応して、子猫もじゃれるように動く。

 少女は目を光らして同じように揺らしてみた、今度は少し反応を示したものの、まだ警戒は解けないでいる。

「うーん、仕方ない。聞くかどうかわからないけど、これ使いなよ。」

 そう言って今度は香水のようなものを手渡した。

 訝しむ少女に、少し吹きかけるように指示をしたので、軽く吹きかけてみた。

 するとゆっくりではあるが、少女に近づきすり寄って来たではないか。

「わぁ…!」

「おろ、聞いたのか。うちの子はまるで意を解さなかったのに。」

 少女は先程までしていた鎮痛な面持ちが嘘のように笑みがこぼれ、少年は少し意外そうな顔をしてそれを見ている。

「ありがとう!」

「お、おう。良かったな。でも効果が切れたら元通りだからね」

「え、じゃぁどうすればいいの?」

「うーん、この間に可愛がりまくるとか、飼い猫にする覚悟で毎日餌をやるか…どちらにせよ時間はかかるよ。」

「そうなんだ…じゃぁ頑張る!」

「おお。がんばれ、がんばれ。道具を使ったり工夫すれば早くなつくと思うよ。刷り込みって奴だね…あってるよな?」

 まぁ人間も動物も同じだし、マタタビ使っての呑み二ケーションが一番の近道だよな、なんてことを少年はつぶやいている。

 少女も最初のころはずいぶんと嬉しそうだったが、ふと、あることに気づいた。

「ねぇ」

「うん?」

「これってさ、わたしが愛されているわけじゃないの?」

「今は猫又香水(税込2500円)のおかげじゃない?」

「もし、こうやってなつかせてたら、それは愛されているってゆうのかな?」

「…便宜上愛されてると思うよ?」

「愛って何かな?」

「子供にしては哲学的な、そうだな…」

 そこまで一気に話すと少年は顎にお手を当て唸り始める。

「愛、アイ、ためらうのが恋じゃないですか?」

「なんで別の話になっているの?」

「あ、いやちょっとしたギャグ、ネタだから。そうだな…」

 そして、また少年は考え始める。

 正直異様な光景が、この場に展開されているのは本人たちのあずかり知らぬところである。

「…あってないような、そんな曖昧なものじゃないの?」

「そんなことないもん!」

 少年のその言い分に、少女は食い掛かって反論する。その様子に気圧されながらも、少年は口を開けた。

「お、落ち着けって。こんなのただの戯言だから。戯言と書いて一つの考え方ともいうけど。」

 少年も少年で、煮え切らないことを言ったのがいけなかったのかそのまま、取っ組み合いの喧嘩にまでなった。と言っても、一方的に少年がやられているだけなのだけど。

 そうこうしているうちに、日が暮れはじめ、あたり一面が茜色へと染まっている。

「ふぅ、ふぅっ、…もうこんな時間か、そろそろ帰らないと。ここまでにしておいてやんよ」

 先程までやられていたことを棚に上げ少年が切り上げようとする。それを少女が必死に止める

「待ってよ!まだ話は終わってない!」

「いいや、終わりだ。タイムアップてやつだ。…別に否定するわけじゃないんだから、いいじゃないか。」

「絶対にあるもん!」

「じゃぁ、教えてよ。僕に愛が何なのか。」

「それは…」

 正直言って言葉で説明できるものではない。少年もそれが分かったうえであえてその質問を投げかけた。

 案の定、少女は口ごもるだけで何も答えられない。

 仕舞いには、あまりの悔しさに少女の目から涙があふれてくる。

「わわ、ゴメン。言い過ぎた。そ、そうだな、愛はあるさ、きっと、メイビー」

「…ホントに、そう思ってる?」

「ホントホント、だから泣き止んでくだち…」

 

 泣き出す少女をあやすのに、また小一時間かかったそうな…

 

 

「決めた。わたし、もっと勉強してあなたに愛を教えてあげる」

「はい?」

 唐突な少女の決意に、少年は目を点にして生返事をした。

「だから、あなたに愛を教えるの。それが私にできることだから。」

「どうしてそうなった…、あ」

 少女の言葉に頭を抱えていた少年だが、親の呼び声が聞こえたことに慌てて立ち上がる。

「ホントにヤバいわ、じゃあね。たぶんもう会うことはないだろうけど」

「必ず、必ず教えに行くから、待っててね!」

 だが断る!と大声で断言しながら帰途に就く少年と、それを見送る少女。

 少女の側には、子猫がまだ寄り添うようにいた。

「…一緒に長くいるんだから、名前決めなくちゃね。」

 とりあえず気に入りそうなものを順々に読んでいくもののなかなか反応が返ってこない。最終的に一番シンプルなものになった時のことだ。

「ミケ、クロ、ネネ、…ネコ」

 にゃぁ

 ようやく反応をこぼしたものの安直すぎる名前に、微妙な顔をする少女。

 如何やら一連の可愛がりで覚えてしまったようだ。

 でもいいかと考えることをやめて、一歩だけ前進できたことに満足して、家族のもとに帰るのだった。

 

 

 

 

 

 

「ああ、もう!見ててもやもやするなあ。」

「どうしたの、ニンフお姉さま?」

 あれからしばらくたち、少女も少しずつ成長していった。

 彼女の家には、同じ事情を持った四人の少女たちが身を寄せ合って暮らしているのだが。

「二人のことよ、いつまでもくっつかないもんだから、見てるこっちが恥ずかしいわ」

 ここの家主である青年と、一人の少女が両思いにもかかわらず、未だにある一線から先に動こうとしないのを、ニンフと呼ばれた少女は我慢ならないようだった。

「仕方ないですよ、片方は鈍感馬鹿、もう片方は自分に正直になれないんじゃどうしようもないですよニンフ先輩。」

「それでも、限度ってものがあると思わない?。」

「アハハ…。確かに」

 ニンフの言い分に思うところがあったのか、γ(ガンマ)と呼ばれた少女も苦笑いするしかなかった。

「でも、それでいいの?お兄ちゃんが取られちゃっても。」

 少女が一番の疑問を投げ掛けると、二人の姉は一瞬固まったものの、すぐにたてなおす。

 しかし、何処か覇気のない顔で微笑うのだった。

「いいのよ。あいつには勝てる気がしないし、二重の意味でね。」

 だから、と湿った空気を払拭する用にニンフは続ける。

「だから、今回は一計を案じて、アイツ等の仲を進展させる作戦を考えたのよ!名付けて、二人だけの、ドキドキ同居生活!」

 彼女はそのままの勢いで作戦概要を伝える。内容としては、単になかなか進まない彼等のために、何ヶ月間か家を開けようぜ的な意味合いのものだった。

「それいいですね!師匠のところに泊まらせてもらえば一石二鳥ですし。」

 その発案にγと呼ばれる少女も賛同する。

 なぜ一石二鳥なのかというとその師匠と呼ばれる人の家に行けばそれはもう豪華なご飯にありつけると思ったからだ、止まらせてくれるかどうかは別だが

「んー、それもいいけど、私は、一人でどうにかするわ。一箇所に固まっていると、すぐ見つかっちゃうだろうし。カオスはどうする?」

「わたしは…。」

 カオスと呼ばれた少女に作戦の決定権はなかったようで、そのまま話が進んでしまったのだが、カオスとしても彼らの仲を進展させたいと思っているところだったので渡りに船だった。

 しかし、彼女に泊まらせてくれるような伝手はなく、どちらかについていこうか迷ってしまう。そんな時だった。

 ―そう言えば、あの子にまだ愛を教えてなかったっけ―

「お姉様、わたしも別のところに行ってみる。もしダメだったらお邪魔するかもしれないけど。」

 昔、一方的にだが約束したものを思い出した彼女は、そう言って自らの姉達に、こちらは心配ないといい含ませた。

「…そう。まぁアンタのことだから心配ないでしょうけど、いつかはちゃんと帰ってきなさいよ?そうしないとアイツラも心配するでしょうし。じゃ、これで一旦解散ってことで。」

 それを機に、少女たちは己の赴くままに移動を開始した。

 カオスと呼ばれた少女も、いつかの少年を探すために行動を始める。

 ―とりあえず、世話するのを条件に泊めてくれないかな―

 そんなことを考えながら、彼女も自らの家を後にするのだった。




次回予告!
ーやまないイタミの雨、
―どうしてこうなったのか、自分のせいかそれとも他の誰かのせいか、今となっては、もう、分からない。
―ただ、ひとつだけ、叶うのなら、あの頃に戻リタイ。
 総懇願し続けた彼に、1筋の糸がたらされる、それは仏の垂らした掬いの糸か、それとも…。



というわけで、次回はシリアス風味?話しを何話か使ってお送りします。
ドキ!アースラクルーのSAN値直送クトゥ○フをお楽しみください
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