神様のギフト(仮)    作:砂糖露草

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 一か月以上待たせてしまい申し訳ございませんでした!(土下座)

 三人称視点にするか一人称にするか迷った挙げく、思ったよりも伸びたので今回の話は分けて投稿しようと思います。


 それでは、ゆっくり楽しんでいってください

 最後にブクマや評価をしてくださった方、そして変わらずに見てくださる方、本当にありがとうございます!
 応援のコメントいただいたときはさすがに気分が高揚しました(涙)


不死鳥
羽化


 ヒタリ、ヒタリ、ヒタリ

 街道から離れた裏路地に、音は響く。

 もともと人気の少ない場所だ。普段はめったに通らない場所に音が響いても誰も、興味を持たない。

 そんなところに好んでいくとしたら、ドロップアウトした少年少女くらいだろう。

 今回も例にもれず、そんなドロップアウトボーイたちがこれ見よがしに裏路地をたむろしている。

 そんな彼らは今は自らの戦利品片手に汚い笑みを浮かべている最中だった。

 

 ヒタリ、ヒタリ

 

 一人の少年が異変に気付く。異変と言っても音がだんだんと近づいてくるというだけで、煩わしくは思いつつもそこまで気にはしなかった。

 

 ヒタリ…

 

 そしてついに音が鳴りやむ、それはあたかも自らの手前で止まったかのように思えた。

 

 しかし、彼らが見渡しても何もいない。

 

「ねぇ、」

 

 否、近くから声が聞こえた。

 まだ幼い、高く見積もっても彼等より年が下で、男が女か判別の付かない中性的な声だ。

 突然聞こえた声に驚きその居所を探る、するとその声の先には一人の子供が立っていた。

 その身にはボロボロの布をまとっている。

 

「ねぇ、お兄さんたちはここで何をしているの?」

 

 子供はそんな彼らに抑揚のない言葉で話しかける、それがなんとも不気味さを醸し出している。

 

 この場に一人でいたのなら、そのおかしな自体に困惑して何も言わずに離れていたかもしれない。

 彼らが善良な市民ならそのみすぼらしい格好を見て、哀れみ、警察へ届け出たかもしれない。

 

 しかし、そもそもの話こんなところに一人で、善良な市民が訪れるはずもなく、例にもれず彼らはそんなこととはかけ離れた者達だった。

 

 彼等はまず、こんな小さな子供に少しでも恐れを持った自分に憤慨して、それをあろうことか目の前の子供のせいだと決めつけた。

 

 次に彼らは子供がボロボロの布をまとっていることに、捨て子だと当たりをつける。

 ーそもそもの話、麗らかな町並みにここまで景観を損ねるものがある時点でおかしいと気づくべきだが。

 そこまで考えた彼らは、目の前の子供を使って鬱憤を晴らすことに決めた。

 

 それは、目の前の子供が必要とされてない、いなくなっても誰も怪しまれないという算段と、

 今まで底辺として見られたことに対して、自らより下に位置する子供にヤツ当たりしたいという、それだけの理由で。

 

 直ぐに彼等は子供を囲ってやりたい放題に傷めつけた。殴る蹴るは当たり前、合間に罵詈雑言を入れてけなし貶める。

 

 子供はそれを只黙って受け入れた、若しくは最初の一撃で気絶してしまったのかもしれない。ぐったりと動かなくなった。

 

 彼等が、異変に気づいたのは惨劇が始まり狂気の熱から冷めた数分後。

 その子供はすでに息を引き取っている

 彼等はここまで来て自らの過ちの大きさに気づく、すでにすべてが手遅れになったあとに。

 

 そこからの行動は早い。

 直ぐに、子供だった肉の塊ちかくに落ちていたゴミ袋に詰め込み。視界の隅に追いやると、一目散にその場を離脱したのだ。

 罪の重さから逃れるように、果ては本当に逃げ切れると思ったのだろう。

 

 必死に足を動かし、さらに『人目につかない場所』へと進んでいった。

 

 がむしゃらに走ったからか、彼等、否彼は出口を見失いただ一人呆然と立ち尽くす。

 一緒に連れ立った仲間は、どこがで置き去りにしてしまったようでいまや姿形も見えない。

 

 声を張り上げ仲間たちの行方を案じたが、それに答えたのは

 

ヒタリ、ヒタリとどこかおぼつかない足音。

 聞き間違えるはずもない、先ほどまで響いていた、あの子供の。

 

 嘘だ、ありえない。

 先ほど殺して、そしてゴミ袋へと詰め込んだはずだ。

 ーだからこれは幻覚、罪悪感が産んだ、ただの幻覚。

 もしくは仲間たちのいたずらに違いない、そうだ、さっきのもただの人形だったんだ。ー

 

 先ほどの行いを夢幻としてまで彼は正気を取り戻そうと必死になるもののしかし、その足音は段々と迫り、そして誰も姿を一向に見せない。

 

 突如ピタリと音が鳴り止む、それから数分、いや数秒たっただろうか。

 あの子供が、目の前にいる。

「ねぇ、」

 その体の至るところに、打撲痕や切り傷、果てには骨折が痛々しいほど残っていて、それが彼らによってつけられたものと一致していた。

 

 逃げようとしても恐怖で足がすくみ、『それ』から目をそらそうとしても何故か視界の外に追いやることができない。

「なんで、こんなひどいことするの?」

 あくまで問いただすようにして、のぞき込んでくるその顔は今にも死にそうな、否、死んでいないとおかしいおぞましい程の生傷がそこかしこに刻まれていた。

 

「ぎ、」

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

「アッハハハハ!すっごい顔で気絶してやがんの!」

 

 先ほど怪奇現象の起こった真っ只中で爽快に、病気的に嗤い声を上げる一人の少年がいた。

 と言うか僕です初めまして君原香取ダヨー。

 え、久しぶりじゃないのかって?それはきっとドッペルゲンガーだよきっとメイビー。

 だって僕は一人しかいないし君たちにあったことなんてないからね!きっと、D4Cでも食らったんじゃないかな?

 「とと、狂言まわし(とうじょうじんぶつごっこ)も程々にして、剥ぎ取り作業に入ろうっと」

 

 目の前で呑気に気絶している不良から素材、もとい戦利品を剥ぎ取る。

 何かと問われればそれは衣服だったり財布の中身だったりだ、まぁ慰謝料代わりだと思って諦めてほしい。

 次に目が覚めた時はパンツ1丁だけどね!

 一体どんな反応をするんだろうか、興味をそそられるね。

 

 でも図らずして目標が2つ達成できたのは僥倖だ、元々第一村人にここがどこか聞くつもりだったんだけど…、その村人さんは風邪をひいてもおかしくない恰好で寝てるからどうしようもないんだよね。

 他のお仲間さんも同様だね、流石に服までひッペがしてないけど。

 善良な一般市民の人だったらついでに乞食もできたのに、ああ、唐傘お化けみたいに人を驚してお腹が膨らめばなぁ。

 

 過ぎたことを嘆いても仕方ないか、陽のあたる場所へ行けばもっとちゃんとした人がいるよね、きっと。

 

 -それよりも、やっぱりこの服丈が合わないなぁ。松の廊下じゃあるまいし、ハァ、前途多難なような洋々のような…間を取って普通でいいか。

 

 ―それじゃあ、いい御縁がありますように―

 

 

 

 




今回の語り手は主人公であって主人公ではありません。
それ以前に久しぶりなこともありますが…(汗)
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