神様のギフト(仮)    作:砂糖露草

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―ねぇ、愛って何だと思う?-
― 子供にしては哲学的な、そうだな―


愛の求道者?

「間に合ってるんで、それじゃ。」

 そういってドアを閉めようとする。が、そうは問屋が卸させてくれないようで、一瞬で隙間に靴を入れ閉められないようにした後、こじ開けようとする手が伸びてくる。

「なんで閉めようとするの!?」

「宗教勧誘お断りって言ってんでしょーが。て、うわ!力つよ!」

 奮闘むなしく開け放たれるドア。今日は厄日ですか、神様…。

「宗教勧誘じゃないよ。それに私はシスターじゃないもの。」

 それじゃぁ、なんでそんな恰好しているんだ、と言いたくなるけど。わけありにしか見えない。藪蛇はいやなのだ。

ここはさっさと話を聞いてお帰り願おう。

「それでは、いったい何の用でこちらに?見ての通り、今親は長期不在中で、いつ帰ってくるかもわかりません。ですので大したおもてなしもできませんし。ごく一般的な家庭ですから金銭的にも余裕があるわけではないですよ。」

 暗に早く帰ってくれと促す。親が長期不在の時点ですでに一般的と言っていいのか、わからないけど。この町、魔導士の家系や殺人剣の使い手の喫茶店マスター兼父親とか、親が事故で…とか普通にあるので、まだ普通の部類だろう。ちなみに二人とも報道関連の仕事についている。

 しかし、その話を聞いた途端、どこをどう化学反応を起こしたのかシスターの表情が曇る。

「一人で、寂しくはないの?」

「いえ、ときどき友達が遊びに来るのでそんなに寂しいとは思いませんから。」

 ときどきではなく、時間があれば、遊びではなく、飯をたかりに来る強かな友人である。楽しくはあるのだが。

「まぁ、それは置いといて、本当になにしに来たんですか。場合によっては警察呼びますよ。」

 一般市民の伝家の宝刀TUUHOUを使い勝負を決めにかかる。見ず知らずの人専用の最終奥義これを食らえば大体はすごすご帰るしかない。

「ま、待って!というか覚えてないの!?」

「残念なことに、ええ、全く。巫女とは面識ありますがシスターとはさすがに皆無です。」

 そう言うと、目に見えたように落ち込むシスター(仮)。これはもしかしてどこかで会ったのか、会ったのだろう。宗教関連の服って特徴が先行しすぎて、割と個性が隠れやすいと思う。知り合いの巫女見習いも私服と仕事服ではまとう雰囲気が違ったし。

 気を取り直すように、咳払いする

「私は、あなたに会いに来たの。」

 そういって話を始める。真剣なまなざしでこちらを見つめる

「あなたは昔、わたしと会って、こういったの。愛なんて、あってないようなものだと。」

 正直、覚えがない。おそらく世間話のような感覚で言っていたのだろうか。

「だから、愛を教えるために、あなたをお世話することにしたの。」

「んん?途中までは理解できてたはずなのに、最後の部分だけまるで意味が分からなかったぞ?すまないが、最後の部分だけ、もう一回頼む。」

「わたしは、愛を示すために、あなたをお世話することにした。」

「わざわざわかりやすいように簡潔に言い直したみたいだけど、大事なことなので二回言おう。まるで意味が分からんぞ!?」

 なんだそのリトバス的なノリは。お世話をしよう。介護者はリトルチルドレンだ!!て、誰が小さい子供だ!

「わたしにはお世話くらいしか、やってあげられないし。それに一人暮らしは大変でしょう?」

 なんだこの子は、いきなり押しかけて家政婦の真似事って、エロゲか。スピンオフでしたね…。

「確かに大変だけど、もう慣れたし、それに教わる必要も、ない。」

 ともかく、はっきりと拒絶の意を示す。すると少女はズイッと近づいてくる。

「ホントに?」

 目と鼻の先まで近づいているため、彼女の吐息が顔にかかる。

「な、なにがだよ。」

 もう一寸もないんじゃないかという距離で見つめ合ってるせいか、緊張して声が震えてしまう。

「教わる必要がないってこと。」

「お、おう。そんなもん、いまどき小学生だってわかるさ。」

 なんとかそう返すと、僕の目をじっと見つめてくる、この子、今まで気にしてなかったけど、服の性質上わかりづらいけど出るところは出て、くびれもある。綺麗な金色の髪に大きな瞳、悔しいが身長も高いし、総合的に見ても普通に、いやくちゃくちゃ可愛いぞ。ふと、満足したのか、少女は何事もなかったように距離をとる。ようやく解放されて、さっきとは別の意味で早くなる鼓動をなんとか宥めつつ、盗み見ると、彼女は神妙な顔をしていた。

「あなたは、どこか、一線を引いてる感じがする」

「な、何を、言ってるんですか。見ず知らずの人に心開くワケないじゃないですか。」

「だから知り合いなんだけど、そうじゃない。私が言いたいのは、あなたが観測するすべてを、敵として見ている。そんな感じがする。」

 瞬間、時が凍る、否、自分の時間だけが凍ったような感覚を覚える。しかし彼女はお構いなしに話を続ける。

「ううん、そうじゃない。もっと」

「やめてくれ、わかった。わかったから。何が目的なんだ。」

 これ以上言われたら、どうにかなりそうで慌てて口をはさむ。全く、今日はほんとに厄日だ。

「だから。愛を教えに」

「それ以外でだ。わかったぞ宿無しなんだな。泊めてほしいんだな。」

「確かに今、ちょっと立て込んでて泊めてほしいというのもあるけど。」

「よ-し。わかったその願い。確かに承った。だから愛だのなんだのそういう話はおしまい!」

「えー」

「えーじゃない。泊めてやるんだから、家主命令は絶対!」

 そういって、無理やり話を切る。まだグチグチ言ってる気がするが華麗に無視することにする。こうして金髪シスター(仮)奇妙な同居生活が幕を開けたのである。

 …あとで御祓いに行きたいけど大丈夫かな。




なかなか進みませんが気楽に、気長に見ていただければ幸いです。
それと一つ目のクロスオーバー先は原作後のお話になります。(漫画版準拠)
とりあえず出し尽くしました。区切りのいいところまでは早めに投稿する予定ですが、
おそらく週一更新になります。
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