頑張らなきゃ。
「うおぉぉ⁉︎ 熱っ! 痛っ!」
ヴァジュラテイルの放った火球を避け損ねて背中に命中した。
鬼ごっこ開始から五分。
追ってくるアラガミも数を減らし、マルドゥークとヴァジュラテイル一体だけとなった。
「お返しだ、食らえ!」
足を止めずに銃モードに変形、間髪入れずに銃撃。よし、ヴァジュラテイルの足に命中。ヴァジュラテイルは足がなくなり、動けなくなった。
これで後は一番ヤバいマルドゥークだけ……って。
「ホンットしつこいな! 何処まで、追って、来るん、だよ⁉︎」
しっかし、スタミナがやっべぇ。息が切れる。酸素が欲しい。
しかしいくら吸ってもマルドゥーグがいるせいで空気が熱い。
周辺の温度が上がってる。
しかも、
GUUAAAAAAAAAAAAA‼︎
「暑いしうるせぇぇぇぇ‼︎」
大きく開いたマルドゥークの口の中に向かってスタングレネードを投げる。さっきまでいろんなとこでばら撒きまくってたから正真正銘これが最後の一個だ。
GA⁉︎ GAAAAAAaaaa…………。
「今の内に隠れて……いや、それだとさっきまでと変わらないか。………よし、ここは目と鼻と耳を潰して逃げやすくしよう」
俺は呪刀を構えると、未だ目と、耳にダメージが残るマルドゥーグに反撃を始める。
斬、斬、斬、斬!
頭部を立て続けに四回斬りつける。
一太刀で耳は切れ、返す刃で鼻は血に塗れ、三太刀、四太刀で眼球を傷付けられたマルドゥーグは更に暴れ回り、苦痛の咆哮を上げる。
俺はダッシュで逃げた。
視覚、聴覚、嗅覚は潰した。もう追ってくることはできまい。
これで逃げーーーーザシュッ‼︎
マルドゥークの爪が俺の身体に深々と刺さる。
何故、と背後を見ると、そこには………。
「ば、……かな。に、たい……め、だ…と?」
無傷のマルドゥークがもう一体何処からか現れていた。
恐らく、隠れて様子を伺っていたのだろう。
顔を傷だらけにして、転げまわる個体をあざ笑うように俺を串刺しにした爪を掲げる。
ボタ……ボタ……。
俺の身体から夥しい量の血液が流れ出す。
ここで……終わり?
全身から血の気が引いていく。身体が氷水に浸かったかのように冷えていく。
俺を刺したマルドゥークは無造作に爪を振り、俺を軽々と地面に叩きつける。
俺の身体は二、三度バウンドした後、停止する。
がらん、と持っていた神機が落ちて音を立てる。
俺の意識は徐々に薄れ、闇の中に呑み込まれていく。
嫌だ、まだ……死にたく、な……。
Mission failed……?
To be continued…….
次回、九話 冥き闇の底で