それとあとがきにブラッドアーツの詳細があります。
斬騎side
霧の使い方が頭の中に流れ込む。
どこをどう動かせば霧が自分の手足のように動くのかもわかってきた。伸ばしたり、相手の身体の中に侵入させて内側から爆発させたりと自由度がやたらと高い。しかもこの霧はどうやら周囲のオラクルに反応して自動的に捕食までしているみたいだ。
仲間を呼ぼうとしたマルドゥークの咆哮を掻き消して吸収、霧の範囲を広げていた。
だが、一つ問題があった。
このブラッドアーツ、使用中は三秒ごとに俺のHP、OP、STの最大値全てを少しずつ喰ってる。
その上、範囲が広がるにつれ、持っていかれる量も増えてる。
はっきり言おう。燃費がめっちゃくちゃ悪いのだ‼︎
「うわ、怠い、重い、疲れる。命がかかってる場面なのにやる気が著しくダウンしてく」
何だろうね、シリアスな場面なのに俺のテンションだだ下がりだよ。
そんな俺を見て油断してるとでも思ったのか、マルドゥークがこちらに走り寄ろうとしたきた
俺は霧を操作して刀身を伸ばし、目の辺りを無造作に斬る。
更に傷口から霧が侵入し、結合を阻害、崩壊させていく。
「
少し趣向を変えて、音声起動にしてみようかな。
まずは対象部位の確認。
マルドゥークの傷口から黒い輝きが放たれる。
「
次に何が起こって欲しいのかを指定。まぁ、阻害か崩壊しか出来ないみたいだけど。しっかし、起こることを明確にしようと考えただけで消耗のスピードが更に上がっていく。
確実にこれで仕留める……!
「
最後は起動。マルドゥークの頭部が結合崩壊で砕け散った。
でもなんかまだ生きてる。
そして今の一撃でオラクルも尽きたのか黒い霧が解除されていく。
身体の力も抜けてその場から動けなくなった。
うわぁ、やべぇ! これまた死ぬわ!
「斬騎君!大丈夫⁉︎」
「綾佳さん⁉︎ やっと来てくれたんですね⁉︎」
俺に襲いかかったマルドゥークから装甲を展開して守った人ーー綾佳さんは後ろから走ってきたブラッドのメンバーに指示を出す。
そして、間も無くマルドゥークは討伐された。
しかし、二体いたはずの内の一体ーー顔を傷だらけにしてやった方はいつの間にかいなくなっていた。
「いやぁ、今回の訓練は大変だったねぇ、二人とも」
「「ホントにな‼︎」」
アナグラに戻った俺たちを支部長室に呼び出したサカキ博士は今回の件を軽〜く俺たちに切り出した。
思わず上下関係無視してツッコミ入れるくらいの軽さだった。
「大変だったじゃないですよ⁉︎ ガルムにマルドゥークって実地訓練にいちゃいけないでしょう⁉︎ 私の時にも似たようなことがありましたけど、彼はまだゴッドイーターになってまだ一週間経ってない新人です! 何かあったらどうするんですか⁉︎」
「今回の件は予測不可能な事態だった。事前に黎明の亡都を探索したゴッドイーターからも中型以下のアラガミしかいないと報告された上であそこを訓練場所に選んだんだ。安全性はかなり高かった」
そこまで調べていたのか。やはり侮れないな、この人。
しかし綾佳さんは納得できていない様子である。
「だったら何で⁉︎」
「恐らく、斬騎君。君の神機の影響だ」
「俺の神機の……? どういうことですか?」
「その神機の刀身パーツの名前はもう聞いたかい?」
「はい、呪われた刀ーー呪刀ですよね?」
「あぁ。その通りだよ。その呪いの力がガルムやマルドゥークを呼び寄せた可能性がある。」
「呪いの……力?」
さっきカヤが言ってたプロテクトをかけてきた奴の呪いだろうか?
博士なら神機にも詳しいし何か知ってるかもしれない。
「と、いってもその力を誰がかけたのかまでは確信していないがね。その神機は元々の使い手の記録がないんだ。いや、正確には抹消されていた、と言うのが正しいかな」
次回、十三話 呪刀の謎
BA紹介
呪怨の太刀・黒……呪刀に宿る呪いの一部を開放し、黒霧の形で現界させる技。
三秒ごとに体力、オラクル、スタミナの最大値を霧の範囲に応じて減らし、使用者自身にも精神的負担を与える上に、敵味方問わずオラクル細胞の結合を脆くするバットステータスが付くが、霧の中での自由度はかなり高い技。
刀身を伸ばしての遠距離攻撃、傷口,呼吸器から侵入することでの結合の阻害,崩壊、任意タイミングでの効果の発動、オラクルを消費して使われる技の吸収、それに伴い霧の範囲拡張、視界の阻害などが可能。
但し、それぞれの技にもオラクルの消費が伴い、また、BA使用中は盾,捕食,銃など他モードへの神機変形が不可能となる。