「あ、おはようございます、綾佳さん」
「おはよー、斬騎君。怪我とかはもう大丈夫?」
「はい、おかげさまで完治しました」
実地訓練の次の日、死にかけた後だというのに一日で身体の調子も回復した(←すごい)。なので今日から本格的にミッションに行こうと思う。
「今日からミッションに行くの?」
「はい。でもその前にサカキ博士のところで許可を取ってからですかねー? 昨日の様子からすれば多分大丈夫だと思いますけど」
「初めての実地訓練であそこまで戦えたんだし大丈夫だよ」
「ですよね」
大型種も倒したし……綾佳さんたちが。
ブラッドアーツもあるし……燃費悪いけど。
…………大丈夫かな?
また訓練からとか……ないよね?
「じゃあ、これで」
「うん、今度はミッション一緒に行こうね〜」
一抹の不安が残るも、綾佳さんと別れ、支部長室へ。
「で? 何ですか? この缶は?」
「初恋ジュースの改良版さ。ver2.0だよ。共同開発はナナくんとリッカくんだ」
「………飲みま、せんよ?」
「…………」
「…………」
無言の攻防。
さて、どうしてこうなったか簡単にまとめると。
支部長室で俺を待ち受けていたサカキ博士は俺が到着するや否やいつぞやの缶ジュースを勧めてきた。
俺は拒否した。そりゃもう、全力かつ、速攻で。
だって飲んだらあまりの不味さに話が進まなくなること間違いなしだし。
また水を求めて、走り出すこと間違いなしだし。
「飲みたまえよ。訓練終了のお祝いだ」
「訓練終了は素直にありがたいと思いますけど。
「いやいや、そんなこと言わずに」
「いやいや、結構です」
ええい、結局話が進まない!
このマッドサイエンティストはこのジュースの何処にこだわっているんだ!?
「とりあえず今日から通常ミッションを受けても?」
「いいよ。君の力は充分、アラガミに通用するからね。ただ、不測の事態には注意してほしいけど」
「なら、今から」
「その前にこれを飲んで行きたまえ」
「無理です、嫌です、勘弁して下さい」
「仕方ない。この手は使いたくなかったんだが……飲まなきゃ減給「ありがたくいただきます‼︎」…そう言ってくれると思ったよ」
減給⁉︎ それはダメだ!
職権乱用も甚だしいが仕方ない。これも
サカキ博士から
「……ガフぁ⁉︎ゴポポポ⁉︎ ……………」
「おや、立ったまま気絶してるねぇ」
この時のことは多分一生、忘れない。トラウマ的な意味で。
次回、十五話 第一部隊と先輩