Kishaaaaaaaaaa⁉︎
斬!
グボロ・グボロの背面に回り込んで一閃。
軽い感触と共にグボロ・グボロは事切れた。
「今日も絶好調だな、斬騎!」
「せ、先輩としての威厳が……」
「負けてられないな。行くぞ我が神機ポラーシュターン‼︎」
やはり、おかしい。
ここ最近やけに調子がいい。
いや、それ自体は喜ばしいことなのだが、たまに自分が自分じゃない感覚があるような……?
まるで身体を勝手に動かされてるみたいだ。
「お、おーい。斬騎? それもう死んでるぞ」
ざっくざっくざっくざっく。
………あ。
我に返ってみるとそこには見るも無惨なグボロ・グボロの姿が。
と、とりあえずこの状態でもコアの取り出しは出来るはず。
「…………………」
「どうしたの? 斬騎君。最近ぼんやりしてることが多いけど」
「あ、綾佳さん」
第一部隊に所属して一週間。この生活にも慣れてきた。
ミッション対象のアラガミもそうじゃない突然現れる予想外のアラガミも片っ端から斬って斬って斬り続ける日々。
血と硝煙の香りが漂う戦場で非情にアラガミを殺し続けた結果、あの取り憑かれているような感覚がどんどん強くなっている気がする。
「なんでもないです」
「そう………。無理はしないでね」
「はい」
このことは言わない方が良いだろう。
誰かに知られて心配されるより、一人で完結させてしまった方が良い。
「そうだ! 気分転換に一人でミッションに行ってみれば? もしかしたら何か掴めるかもしれないし」
「………それもいいかもですね。
じゃあ嘆きの平原辺りにでも行ってきます」
こうして俺は《真夏の蝉》と言うミッションを受けた。
これが、運命の分岐点である事に気付かずに。
「あれ? そういえばあの時………」
斬騎君を送り出して少し後、私は嘆きの平原、と言う単語で引っかかりを覚えた。
何か……忘れてるような?
「………お! 綾佳じゃないか。どうした? 頭抱えて?」
「リンドウさん」
うーむ、と唸っているとリンドウさんが来た。
「嘆きの平原辺りで最近なんか起きる気がしてたんですが……。何でしたっけ?」
「嘆きの平原かぁ………。あぁ、アレじゃないか?」
「アレ?」
「ほら、前に変な宗教団体のアジトに行った時の」
「変な宗教団体………。あぁ!」
少しだけ思い出した。
確か二週間ほど前に受けたミッションに奇妙なものがあったんだった。
なんか女神がどうとか…………。
やっぱりいまいち思い出せない。
ここは詳しい人に聞くか。
「ヒバリさーん。嘆きの平原付近にあったアジトにいた宗教団体の名前ってなんだっけー!」
「二週間前に受けたミッションのですか? 確か………」
嘆きの平原にて、天霊斬騎
斬!
「オウガテイルの堕天はこれで全滅っと」
オウガテイル堕天は普通のオウガテイルと比べてなんか青かったな。
呪刀に付着した血糊を払い、オウガテイル堕天のコアを取り出していた俺はそんな事を考えていた。
「ん?」
今、人の声が……?
耳を澄ますとゴッドイーターになったおかげで上がった聴力でしっかりと聞き取れた。
「おい、急いでコイツをG地点に連れて行け。
《女神様》にこの『生贄』を捧げ、この世界に希望を取り戻すのだ」
「了解ッス、教祖様!
これで我々の女神様の力を世界に知らしめ、忌々しい他の神どもを一掃できるんスね⁉︎」
「あぁ、その通りだとも、我らが同志よ‼︎
今日で歴史は大きく変わる!
《女神様》以外の低俗で野蛮な神々は消え、世界に平和と秩序、繁栄が約束されるだろう。
女神様と我々、《世界平和を願う女神崇拝者》達の手によってなぁ‼︎‼︎」
………………うわぁ。まためんどくさいの出てきちゃったよ。
次回、十八話 簡単なソロ狩りだと思っていたら大変なことになりました(中)