GE2RBbefore 呪怨の刀使いリメイク   作:紅 星鎖

24 / 31
更新遅めです。



二十二話 妖刀憑依

 

迫るヴィーナス、動けない俺。

そんな絶望的な状況の中、呆れたような少女の声が、聞こえるはずのない彼女の声が聞こえた。

 

『仕方ないわね、我が主(マイマスター)。まだ死なれるわけにはいかないし、今回は特別』

「カヤ?」

 

神機から仄暗い輝きが発生する。

動かなかった身体が勝手に動き出した。

 

『スキル《妖刀憑依》。この力の真の使い方、教えてあげる』

 

「《妖刀憑依》? まさか今までの取り憑かれる様な感覚って……⁉︎」

 

向かってくるヴィーナスをステップで回避してブラッドアーツを発動する。

この間、僅か二秒。明らかに俺の動きじゃない。

 

『《呪怨の太刀・黒》、ね。

なかなか本質を突いてるじゃない。

まぁ、正式名称は他にあるんだけど……』

「ちょ、これ使ったら体力やらスタミナやらが……⁉︎」

『大丈夫、私を信じなさい』

 

呪刀から黒い霧が発生する。

そこまではいつもと同じだった。

だが、その後がまるで違う。

 

収束(convergence)

 

黒い霧が元の刀身や俺に吸い込まれていく。刀身から漂う嫌な気配が更に強く、凝縮されるように。

 

適応完了(adapt complete)

 

「何だ、これ……?」

 

全身が重く禍々しい気配を纏った。

脱力感は無いが一刻も早くこの神機を手放したくなる。

更に霧を吸収したせいか、まるで身体の内側の深い部分まで侵食されるような感覚がある。

 

「お、おい。これどうなって……」

『ちょっと収束が甘かったかしら?

少し呪いが抑えきれてないわね。

まぁ、すぐにケリをつければいいだけか。

ほら、構えて我が主(マイマスター)

来るわよ』

 

KYAaaaaaaaa‼︎

 

紫電を纏ったヴィーナスが再び突進してくる。

 

「くそ、後で話を聞かせてもらうからな」

 

俺の身体は怪我する前より滑らかに動いた。その結果、紫電を躱しつつ、突っ込んできたヴィーナスの左足のゼリー体を切り裂くという荒技に成功する。

 

「あとひとつ」

 

バランスを崩し、倒れるヴィーナス。しかし臀部のゼリー体からグボロ・グボロの頭部が現れる。

 

「無駄だ。今の俺には通用しない」

 

確信を持って言える。今の俺はさっきまでとは明らかに異なる、何か別のものへと変化していることに。

 

「《呪怨の太刀・黒》レベルⅡ」

 

言葉を紡ぐ、導かれるように。

霧で構成される黒衣がいつの間にか身に纏われていた。

 

「発動。《呪悪妖衣・月無夜(コートオブムーンレスナイト)》」

 

グボロの口から水弾が発射される。

だが、俺は既に空中に身を躍らせていた。

 

斬‼︎

 

そのまま一刀両断。最後のゼリー体も破壊する。

 

KYAaaaaaaaa⁉︎

 

「どうした? 余裕がなくなってきたじゃないか」

 

ヴィーナスの叫びが先ほどまでのこちらを嘲笑うようなものではなく、命の危険を感じてのものに変わっていた。

 




次回、二十三話 狂気と憤激の剣閃
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。