「うぎゅう……」
「まーた、手酷くやられたことで。
おい、アリサ。そこの包帯取ってくれ」
「はーい」
ヴィーナスのコア回収、
これでようやく帰れるのだが、やはりダメージが酷い。
全身の至る所の骨は粉砕骨折してるし、一部の内臓器官までもが傷付いていた。
むしろ意識がある方がおかしい。
多分、戦ってる最中は脳内麻薬が大量生産されていたのだろう。
気が緩んだらヤバい。
もんのすっっっっっっっっごい痛い‼︎
「痛いで済むような怪我じゃねぇよ」(←コウタさん)
「きっと神機適合率が高いから出来る芸当だな」(←リンドウさん)
「なんで動けるんですか? ドン引きです…」(←アリサさん)
「斬騎君マジ化け物」(←綾佳さん)
言いたい放題言いやがる。
そんなことを思いながら痛みに呻いているとカナが寄ってきた。
「えい」
つん。
「ぐぎゃらぼっしゃ、うんぎゃらばぁぁぁぁ⁉︎⁉︎」
イッデェェェェェ‼︎‼︎⁉︎
痛みでのたうち回って更にのたうち回ったせいで更に激痛、そしてのたうち回って激痛(以下ループ)が起こった。
「な、なんてことしやがる、カナぁ⁉︎」
「てへぺろ?」
うっぜぇぇぇぇぇぇぇ‼︎ てへぺろで済むレベルの怪我じゃねぇんだよ‼︎
「それにしても民間人は二人いたはずだが?
もう一人はどうした?」
「さぁ……?」
リンドウさんの疑問にカナは首を傾げる。さっきの男はカナが通信に気を取られている隙に何処かに消えていたらしい。
「まぁ、ここいら一帯にアラガミの反応はないし多分大丈夫でしょ」
「綾佳さんが殲滅したからですよね、ソレ」
あの後、当然と言うべきか、綾佳さんはヴィーナス一体では飽き足らずそこら辺一帯にいたアラガミを全て撃滅した。
「いやぁ、久々に暴れたね。私」
「「「「「やり過ぎ」」」」」
その場にいた全員に突っ込まれてもあはは、と笑って流す辺り怖すぎる。
「さて、じゃあ帰るか」
「ですね。斬騎君も無事(?)でしたし。
治療は帰ってからだよ」
「さいですか。
はぁ。また入院か……」
でも落ち込みつつもまぁ、なんだかんだで生き残ったしいいかとも思えてしまう辺りこの仕事に馴染んできたのだろうか?
「それにしても内臓器官までやられるってどんなことしたんだ?」
「………あー。奥の手みたいなもんを使った代償です」
そういえば忘れてたがカヤを問い詰めねば。
あんな危険な技を使いやがった理由を聞こうじゃないか。
ちらりと手元にある神機を見るが何も反応はない。
そうそう出てくるわけないか。
そう結論付けて俺は神機を車に乗せ、綾佳さんたちの助けを借りつつアナグラまで帰るのだった。
次回、二十五話 夢想会談