「あれ?」
おかしいな、あの後、医務室に運ばれてすぐに眠ったはずなんだが……?
何故か俺は今、白い部屋にいる。
この光景は二度目…いや、ジュースの際に行った気もするし三度目かも?
まぁなんにせよここはおそらく……。
「よく来たわね、
「カヤ……」
心象世界か。
「中々の暴れっぷりだったわよ」
「かなり代償は払ったけどな」
今医務室のベッドの上にいるのがそうだ。
「そんなこと言わないで欲しいわ。
あのままだったら確実にあの老人みたいに血だまり状態だったわ」
「確かにな」
流石に自分で赤い水たまりを作るのは嫌だ。
「でしょう?
だから強引にでも助けたのよ」
「……そうか、ありがとう」
納得はしてないが、彼女なりに考えた末の決断だろう。
「私が表に出てこられたのはスキル《妖刀憑依》を強引な解釈で
「強引な解釈て」
「言葉の通りよ。私はただの神機じゃないからね。
多少強引な手も可能なのよ。
だからこそこうやって貴方の意識をここに引き摺り込んで話せるのよ」
「まぁ、普通じゃありえねぇよな」
自分の神機が喋り出す……。うん、あり得ないな。
「
でもあれは禁じ手みたいなものだから二度と使えないわ。
だってもうプロテクト張られてるし」
「あー。やっぱ、あれに何度も期待は出来ないか……」
神機が勝手に身体を動かして勝手に技を使う。
これだけでも信じられないことだ。
そもそもこれがスキル《妖刀憑依》の効果ならばスキルの枠を大きく逸脱していることになる。
「でもあの霧の使い方は分かったでしょう?」
「まさか身体の中に取り入れて強引にオラクル細胞を活性化させるためのものだとは思わなかったよ」
「やっぱり大体の検討はついていたのね。
そうよ。あれこそが霧の真の使い方。
脳のリミッターを外し、全身の細胞を活性化させ、余剰エネルギーで外装を作り出す。
使いこなせば異常なまでの力が扱えるわ」
「ただ代償も酷く、持って1分…いや、30秒と言ったところか」
しかも麻薬みたいな効果もある。
あの時の俺、もはやバーサーカー状態だったしな。
あの場に味方がいても御構い無しに暴れまわるだろう。
………怖っ。
「それにしても
余剰エネルギーは使い手の心境が反映されるのだけれど貴方は何を考えたの?」
「さて、な………」
言えない。
「まぁ、大方厨二の産物だろうけど」
「オイコラ待てや。何をもって断定した」
「全てね」
orz
「ひれ伏しても無駄よ。一回出したらレベルⅡはアレで固定。
今後どれだけ泣いても喚いてもあの厨二コートが現れるわ」
「何その衝撃の真実。ぼくしらない」
「あら、言ってなかったかしら?」
「言ってねぇよ」
次回、二十六話 されど変わらぬ黒き記憶