今回から理不尽モードの実地訓練が始まります。
黎明の亡都にて、ブラッドside
「クソ、コイツらどっから湧いてきやがった!」
ギルの焦った様に言う。それもそのはず、斬騎君の訓練中、いきなり五匹ものガルムが現れたからだ。
私は隊長として皆に指示を出す。
「シエル、後ろから牽制。ガルムの注意をこっちに。
ナナとギルは私について来て。斬騎君を逃すよ‼︎」
「「「了解」」」
高台から飛び降り、急いで斬騎君の元へと向う。
「うお、あぶねっ⁉︎ っと、こっちもやばっ!」
四方八方をガルムに囲まれて狙われる俺。
マグマの塊を躱し、爪を避け、体当たりを回避する。
でもこんな曲芸みたいな真似がいつまでも続くわけがない。
「ぐっ! っ痛⁉︎」
背後から飛んで来たガルムの爪撃を避け損ねて右腕を掠めた。
掠っただけにも関わらず血がだくだくと流れ、鋭い痛みが襲う。
しかしここで止まっている訳にもいかない。すぐに次の攻撃が迫るからだ。
クソ、何か反撃の糸口は……!
「斬騎君! 大丈夫⁉︎」
綾佳さんの声。どうやらブラッドが来たらしい。
爪撃を躱しつつ、そちらを見るとナナさんがハンマーで一体の頭を叩き割り、ギルさんがもう一体の後ろ脚をスピアで串刺しにしていた。
「一人一殺。私が二体やるから皆もそれぞれ一体ずつお願い」
「おい、それだと隊長の負担が……!」
「だいじょーぶ! 私、強いから」
綾佳さんが何やら無茶なことを言ってるみたいだ。
俺はシエルさん(スナイパーなので姿は見えないが)の支援を受けつつ、執拗に狙ってくるガルムの猛攻を捌いていく。
「斬騎君、チェンジ! 後は私が……!」
「お願いします!」
バックステップで爆風を回避、そのまま下がる。
反対に綾佳さんは前へ、ガルムたちへと斬りかかった。
二体のガルムは標的を俺から綾佳さんに変更したらしく、マグマの塊を撃ち出す。
「綾佳さん、避け…!」
「よく見てて、斬騎君」
綾佳さんが神機を横に一閃すると突如、紫色のバリアのようなものが彼女を包んだ。
そしてマグマがバリアに触れた瞬間ーーマグマは空気に消えるようになくなった。
「これが
斬‼︎
「攻撃も可能。攻防一体の技だよ」
片方のガルムの首が宙を舞う。
ズズン、と地響きを立て首から上を失ったガルムの身体が地面に崩れ落ちる。
「それじゃ。こっから先は任せて。私たちで何とかするから」
振り向きざまに綾佳さんが見せた笑顔は、これ以上ないくらい心強かった。
次回、七話 実地訓練(難易度ナイトメア)下