学園黙示録~とんでもない世界に迷い込んだんですけど~   作:富士の生存者

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今回はとても短いです。



第11話 『とんでもないバスト』

 

 

 主人公SIDE

 

 

 

 

 ようやく小室君たちと合流し、一時的に休める場所も決まった。

 鞠川先生の案内のもとバイクで偵察に出ているが、俺の背中には弾道ミサイルが着弾している。

 

 宮本さんの胸は防弾プレートで防げたが、鞠川先生の胸は大陸間弾道ミサイルだ。

 たかが防弾プレートで防げる代物ではない!

 

 ヤバい、ハンドル操作をミスりそうだ。

 

 

 鞠川先生の友人の自宅に無事到着した。

 途中事故らなかったのは奇跡だ。

 

 アパート駐車場にはなんと軍用ハンヴィーが停車しており、テンションが上がる。

 どうやら鞠川先生の友人の乗用車らしい。

 

 『ハンヴィー』 全世界70カ国の軍隊で使用され,小型軍用車のデフォルト・スタンダードとなっている高機動多用途装輪車両(こうきどうたようとそうりんしゃりょう)である。

 最大の特徴は,その驚くべき汎用性だ。

 基本型の人員・物資輸送に加え,救急車,誘導ミサイル搭載車,通信車,衛星通信車,地対空誘導ミサイル搭載車など,あらあゆる特殊なバージョンを同じシャーシから作り出している。

 

 俺がプレーしていたゲームでもお馴染みの車だ。

 幾度となく助けられ、一緒に吹っ飛んだものだ。

 

 いざアパートの中に入ると当然のことながら住人はゾンビとなっている。

 そうですよね。

 

 何事もなく避難所に逃げ込めるわけある訳ありませんよね。

 わかっていましたよ。

 

 銃を右構えで保持した。

 左手の指はハンドガードに。

 銃床の底部を肩に押し付け、安全装置を解除してから引鉄に指を掛ける。

 

 呼吸———光学サイトの光点に標的を重ね、頭部を狙って撃った。

 立射の姿勢は基礎通り。

 肩は丸め、肘と脇を内側に締める。

 銃床は胸に近い位置に当て、肩で固定し抑え込む。

 

 何発か撃ちながら照準を調整したあと、セミオートで連射した。

 連なる銃声。

 金色の空薬莢が立て続けに宙を飛び、反動が肩を殴りつける。

 

 あれ?

 俺、このとんでもない世界でゾンビとか危ない不審者とかしか戦ってなくね。

 

 ここまでその事になんの疑問も抱かなかった。

 俺もヤバい奴になりつつあるのかな……。

 

 

 

 

 

 

 ◆

 

 

 

 

 

 鞠川静香SIDE

 

 

 

 篠崎さんの運転するバイクで警察SATに所属している友人―――南リカのアパートまで案内している。

 こんな世界になってしまってもバイクを走らせて受ける風は心地がいい。

 

 彼の上半身の周りには鉄砲の弾や無線機などゴテゴテした物が多くつけられている。その為しっかり捕まる必要がある。

 

 そうすると彼の背中に自分の胸を押し当てるようになりとても恥ずかしい。

 やっぱり男性は、胸の大きな女性の方が好きなのかしら。

 

 篠崎さんが胸の大きな女性についてをどう思っているのか気になった。

 先ほどからこれでもかと胸を押し付けているのに何も反応を示さない。 

 

 どうすれば彼は反応してくれるのだろう?

 

 そんなことを考えているとリカのアパートまで着いてしまった。

 よかった~。まだ、戦車みたいな車は止まっていた。

 

 少ししてから小室君たちも到着した。

 

 

 篠崎さんはアパートを覆っている塀の入り口を慎重に開ける。

 警戒しながら中に入るとそこには〈奴ら〉と化した元住民たちがいた。

 

 小室君と毒島さんが動く前に篠崎さんの鉄砲が〈奴ら〉を倒していく。

 動く〈奴ら〉がいなくなってもそれでもしばらく、彼は完全に緊張を解いてはいなかった。

 

 呼吸を整えて、アドレナリンを血管内に蓄え続けている。

 

 小室君たちと共にリカの部屋に入り彼は張りつめていた気を緩めた。

  

 さっきまでとても怖かった。

 

 機械のような人としての感情が何もないかのように。

 それなのに今はそんな感じがまったくない。

 

 顔を隠していた黒いマスクをとり、小室君たちに休憩をするよういろいろと指示を出している。

 

 普通の感情を持ち、機械じゃなく些細な優しさを知る人間なのだと・・・・・・確かに感じることができた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




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