学園黙示録~とんでもない世界に迷い込んだんですけど~ 作:富士の生存者
今作からは、女性陣のSIDEを何人かに分けて書いていきます。本当にすみません。
主人公SIDEは基本、毎話入れていきます。
主人公SIDE
職員室の扉に内側からバリケードを作り一時的に避難する。
みんな疲れている、休息が必要だろう。
一通りメンバーの自己紹介が行われる中、撃ちきって空になった
頭からヘルメットの重りが取れ、
俺が目出し帽を取ると全員の視線が顔に突き刺さる。
そんなに平凡な俺の顔を見ないでください。
平凡な顔が蜂の巣だぜ。
まずは名前からでいいよね?
「…篠崎淳也だ」
え、それだけ?
みたいな空気になっちまったどうしよう。
だってしょうがないだろ。
いつの間にか知らない学校の屋上にいて気づいたらこんな服装してたんだから。
俺が一番知りたいよ自分の事……。
とんでもない世界に連れてきた奴、最後まで責任とれよ。せめて、書置ぐらいだけでもいいから。
「それで、彼方はいったい何者?」
ピンクツインテールの少女、
答え。
「……」
沈黙しかないよ。
嘘言うのもなんか嫌だもん。
どんな質問にもだんまりはいけないんだ。何か答えなくては……。
「自衛隊ではない」
よし、よく言えた俺の口!
このことは屋上で、俺が頭ぶち抜いたイケメン君にも説明したことだ。
やばい、屋上のこと思い出したらその時の槍術部の
ありがとう、小室君。
君はあの時、俺の
「それじゃあ、質問を変えるわ。いったいここで……この世界で何が起こっているの? 貴方なら何か知ってるんじゃないのそんな
まあとんでもないことが起こってるね。
俺の今の状況もだけど。
職員室のテレビで放送しているニュースも、このバイオな内容を暴動として放送している。確かに、いきなり人が人を食べてますなんて流せばさらなる混乱を生みかねない。世界中で同様のことが起こっているので既に大混乱なのだが。
正直、ゾンビはゲームや映画だからこそ楽しめるがそれが実際に起こってしまうとたまったものではない。
文明社会の崩壊だ。
つまり文明であるゲームやアニメが打ち切りになってしまう!!
好きな作品が途中で打ち切りになってしまうほど空しいものもない。
「残念だが、何が起こっているのか俺にもわからない(俺、自身の事も含めて)。だが、奴らを殺すには頭を破壊する以外ない」
「それは、既に証明しているわ。それに、連中は恐らく視覚、嗅覚がない。それに比べ聴覚は残ってるみたい。音には敏感よ。腕力も異常に強いわ」
「極力戦闘をさけ、静かに駐車場のマイクロバスまで移動し乗り込むしかあるまい」
俺と同じことを考えていた剣道少女、毒島冴子さん。凛とした雰囲気が年長者である保険医の鞠川静香先生よりも大人びているように感じさせる。鞠川先生は、非常におっとりとしてマイペースなのだ。それが天然なのが、いいのか悪いのか。
「でもいくらマイクロバスでも何体も奴らを跳ねれば車体へのダメージは大きいです。最悪、走行できないダメージを負う恐れもあります」
確かにそうだ。
彼、銃器大好き太っている眼鏡男子生徒、平野コータ君が言ったように何体もゾンビを跳ねれば大抵の車は少なくないダメージを負ってしまう。
なぜ、彼が銃器が大好きかわかるのかだって?
そりゃあ、あんなキラキラした目で自動小銃や拳銃を見られたらね~。
キラキラ度合いが半端ない。あのメガネにはそうゆう効果があるのかもしれない。
など、バカなことを考えるうちにも話は進んでいる。
「家族の無事を確認し、どこに逃げ込むかが重要だな。とにかく
そんな毒島さんの提案でチームを組むことになったんだが、できれば別行動でもいいかな。
だって、宮本さんは結構な頻度でこっちを見てくるし。高木さんは俺のことずっと睨んでいるし。毒島さんに至っては俺とあまり顔を合わせないようにしているし。
正直、女子高校生に嫌われまくっているよ。
何このおっさん。
みたいなこと思われてるよ。
凄くへこむ。
いや、誰だって異性には好かれたいだろう。
流石に女子高校生に手は出さないよ。
もう、30ですし。
鞠川先生は守備範囲内だが、世界がバイオな訳のわからない状況で恋愛をする余裕を持つなんて俺には無理だ。もれなくゾンビの仲間入りを果たすだろう。
このチートボディーでゾンビになったら某バイオに出てくる『スターアぁぁぁぁズ!!』って叫びながらロケット弾を撃ったり何度もしつこく復活して出てくる存在になってしまうかもしれない。そうなる前に自分でかたをつけよう。
自分のしでかしたことは自分で片づける。
これ社会のジョウシキ。
◆
宮本麗SIDE
ようやく無事に職員室にたどり着くことができた。
これも、彼のお蔭だろう。ここに来るまでに何体もの〈奴ら〉と化した生徒に出くわしたが、彼が銃で頭を吹き飛ばしたり。大きな刃物で的確に頭を破壊していた。
私と孝だけだったらなかなか職員室に辿り着けなかっただろう。
そして、私たちのことも頼ってくれる。
あまり〈奴ら〉の数が多くない場合は、私と孝が仕留めた。
職員室の中に入り、一時的な休憩を入れることになった。
確かに極度の緊張が続いて疲れがたまってきているのはわかる。
ペットボトルの水を彼に配ると普通にお礼は言ってくれるがそれ以外のことは何も話さない。黙って銃の弾を込めている。
少し落ち着いてから改めて自己紹介が行われた。
私たちの自己紹介が終わり、みんなの視線が彼に集まる。
彼は自己紹介をしている中でも弾を込めていた。ようやく全部の弾がつめ終わったのか視線を上げる。
ヘルメットを外し、顔全体を覆っていた目だし帽をとった。
整った顔。傷跡が刻まれた顔は、彼の性格そのものを表しているのかもしれない。
少しも表情を纏わない顔。その、光る眼差しを向けられると私の鼓動が早くなる。
恐らく年齢は20代後半だろう。
「…篠崎淳也」
彼は名前だけを名乗った。それから他に言うことはないといった雰囲気が漂う。
高木さんが彼―――篠崎さんに何者なのか聞いた。
「……自衛隊ではない」
彼はすぐには答えなかった。
篠崎さんが自衛隊でないのは既に屋上で聞いている。では、彼は本当は何者なのだろう。
私の中で篠崎さんへの疑問と何とも言えない感情が大きくなっていく。
◆
高城沙耶SIDE
ひとまず職員室に避難することはできた。
さっきは危なく奴らに噛まれるところだったが間一髪で
だけど、
服装、装備…どう見ても一般人でもない。だが、なぜこの学園にいるのだろう。
どこかにの軍隊に属しているなら単独で動くことはないはず。
正直、ここ藤美学園はただの私立の学校である。特に特別なものもない。
それに、私の質問に一応、答えたがこれといった情報は聞き出せなかった。
もし、個人で銃や装備を揃えていたなら…篠崎は私たちの知らない何かを知っている。
まさか、自己紹介の時に
篠崎の顔はいかにも歴戦の兵士だった。顔にある傷跡がその印象をさらに大きくする。
しかも、面影がどこかパパに似ている。
私ともあろう天才がいったい何を考えてるの!?
確かに、命を救われて腰が抜けてうまく立ち上がれないときに手をかしてもらったけど感謝する以上に胡散臭さの方がうえでしょ!
どうして、こんなに取り乱すの!!
これも全部、
ご意見やご感想があればよろしくお願いします。
続きのツトックが切れてきたので、少し投稿が遅れるかもしれません。
皆様にはご迷惑をお掛けします。
申し訳ありません。