月曜日の昼休み、切嗣とセシリアは一夏にISの共同訓練を提案していた。
「…その点については問題ない。衛宮とオルコットの力を借りずとも私一人で一夏と十分な訓練が出来ている」
なぜか一夏についてきた箒が声を荒げる。どうやら二人だけの訓練を邪魔されたくないようだ。
「なら、なぜ前回の実技の授業で一夏さんは10センチところで止まることができず、地表に激突したのですか?」
「……くっ、それは……」
「それは……?」
「あの時は一夏の体調が悪かっただけだ。本調子の一夏ならあんな訓練など、問題なくクリアしているはず」
「ほう?では織斑さんは今なら完璧にISを操作することが出来るとおっしゃるのですね?」
「そ、それは……」
セシリアの指摘に黙り込んでしまう箒。下手に口を出す訳にもいかないので、切嗣はそんな二人のやりとりを心配そうに見つめるしかない。
「し、しかしそうだとしてもお前たちは今現在、ISを展開することは出来ないではないか!それで一夏にどうやってISの技術を教える気だ!」
「そのことに関しては私と切嗣さんでISの基本操作及び戦闘時に使えるテクニックを教えていこうと考えておりますわ」
箒は一夏の様子を伺う。一夏は少し考えていたが、その表情には既に答えが浮かんでいた。
「……セシリアと切嗣が教えてくれるんなら、心強いぜ」
「交渉成立ですわね」
これでセシリア・切嗣による一夏への特訓が正式に決まった。
火曜日。授業が終わり、早速切嗣たちは千冬の許可を得てアリーナでISを使った訓練をしていた。
「前に比べたら、動きは格段に良くなっていますわね」
「だな。しかし……」
「ええ。攻撃用の武器が刀だけなのにスピードや動きのキレを今以上に良くしておかないと、クラス代表レベルになったら狙い撃ちにされてしまいますわね」
「……何か手段はないのか?」
「前から織斑さんに提案しようと思っていたスキルがありますから、それを試してみることにいたします」
そう言いながら、不敵な笑みを浮かべるセシリアの目線の先には、箒と一騎打ちを行う一夏の姿があった。
「━━━イグニッション・ブースト?」
セシリアの口から出た聞きなれない単語に一夏は不思議そうな表情を浮かべる。
「そうです。イグニッション・ブーストとはエネルギーを消費し、スラスターの出力を増大させる技能の事ですわ。織斑さんは近接近戦主体のISですから、如何に相手からの被弾率を下げてこちらの間合いに相手を引き込むかが鍵になります。なので織斑さんにはこのイグニッション・ブーストをクラス対抗戦までに習得してもらいますわ」
「クラス対抗戦までだと!?どう考えても無茶に決まっている!」
セシリアのいきなりの提案に箒が反論するが、当のセシリアはそれに構わず話を続ける。
「いえ、私先ほどから織斑さんの動きを見ておりましたが、あれくらいの動きができるようであれば短期間で覚えることは十分に可能ですわ」
「しかしそれでは一夏が「俺にイグニッション・ブーストを教えてくれ!オルコット!!」一夏!?」
「俺は大切な人を守れるようになるためにこの壁を乗り越えなきゃいけないんだ!だから、みんな俺に力を貸してくれ!」
「分かりましたわ!!私たちも可能な限りフォローさせていただきます!では初めに━━━」
それから放課後の地獄の特訓が始まった。
「違う!一夏、そうじゃない!もっとクッと曲がってガッと加速する感じだ!」
「何訳のわからないことをおっしゃっていますの貴女は!織斑さん、私の言ったとおりにしてくださいね。いいですか、まず━━━」
「え?それはどういう……」
「いいかい一夏、つまり彼女たちは―――」
一夏の動きに箒が難解なツッコミを入れ、それにセシリアがさらに専門用語を交えた上級者向けのアドバイスをする。そして混乱した一夏に、切嗣がセシリアたちの言葉を翻訳して伝える。それを金曜日までの間、一夏は毎日2~3時間繰り返し続けた。
そして試合前の金曜日となり、優勝したクラスの景品と対戦表が開示された。
「賞品は1年間のスイーツ食べ放題券だそうよ!織斑くん、絶対勝ってね!!」
「大丈夫大丈夫。おりむーなら出来るって♪」
「織斑くんには私の全財産がかかってるんだから、もし負けるようなことがあれば……ふふふ♪」
がしかし、一夏にその言葉は届いていなかった。
「一回戦の相手は……鈴!?」
「そうよ。一夏を驚かせようと思って黙っていたんだけどね」
一夏が振り返るといつの間にか鈴が後ろに立っていた。鈴は得意げに一夏に声をかける。
「そっか。まさか初戦で鈴と戦うことになるとはな……。まあ、相手が誰でも俺は自分が出来ることをやるだけだ」
「ふーん……?なんか妙に自信があるじゃない。まあいいわ、今日は話があるから声をかけたんだし」
「話?」
「ここで話すのはためらいがあるから、放課後図書室で待ってるわ」
鈴はそう言うと、二組の方へ歩いて行った。
放課後、一夏は鈴に言われたとおりに図書室を訪れていた。
「待ってたわよ、一夏」
「それで、話ってなんだよ?」
「そのことなんだけど……。わ、私たち喧嘩しているじゃない?」
ここで何故か鈴の頬が赤くなる。そして、その行動が意味することを一夏が理解することはない。
「……そうだな」
「だから、次の試合勝った方が負けた方になんでも一つ命令できるって条件で白黒つけようと思って」
「ああ、そうだな。このままズルズル引き伸ばすより、そっちのほうがいいもんな」
「よし!それじゃあ決まりね!私、貴方に絶対負けないから!!」
「おう!こっちも全力で行かせてもらうぜ!」
こうして一夏と鈴の痴話喧嘩はクラス対抗戦まで持ち越されることになった。
試合当日。試合が行われる第3アリーナの観客席には試合を一目みようと大勢の生徒たちが詰めかけていた。そんな中、一夏はまもなく始まる凰との試合のためピット搬入口でISのフィッティング作業をしている。そして切嗣たちも一夏の付き添いとして搬入口に来ていた。
「調子はどうだ一夏?」
箒が一夏に呼びかける。
「ああ。お前らのお陰で調子はかなり良い感じだよ。それと、いつも俺の練習に付き合ってくれてありがとな、箒」
「な、何を言っている!?あれは私のために付き合っていただけで、別にお前のためじゃないからな!」
「……まあ、これじゃあどっちもどっちですわね」
「どう言う意味だ!」
「いいえ。ただ大変仲がよろしいと思っただけですわ」
「?何をそんなに怒ってるんだ、箒?」
「……ハァ。いいや、なんでもない」
そこにちょうどいいタイミングで千冬と真耶が入って来る。もうまもなく一夏の試合が行われるらしい。
「━━━織斑。前の試合が今終わったから、そろそろピットに入る準備をしておけ」
「分かったよ、千冬姉」
「学校では織斑先生と呼べといっただろう。……まあいい、今は試合前だし説教は後にしておいてやろう」
一夏は白式を展開し、カタパルトに足を装着する。
「一夏くん、あなたなら出来ると信じていますよ」
「一夏、健闘を祈ってるぞ」
「ありがとうございます、山田先生に織斑先生。俺、頑張ってくるぜ!」
一夏はカタパルトで射出態勢に入る。
「準備はいいですか?」
「大丈夫です。織斑一夏、『白式』出ます!」
一夏がアリーナに出るとそこには自分専用のIS『甲龍』を展開した鈴が待っていた。
「来たわね、一夏」
「ああ。最初からお互い全力で行こうぜ」
「!ええ!私の実力、見せてあげるわ!」
「両者、位置について……始め!」
試合開始の合図と同時に、一夏は凰に斬りかかる。がしかし━━━
「その動き、読んでいたわ!」
凰の肩パーツが開き、肩の部分が光った瞬間、一夏は吹き飛ばされていた。
「何だ!?一夏がいきなり吹き飛ばされたぞ!?」
「どういうことだ……?」
一夏が吹き飛ばされたことに、箒と切嗣は驚いていた。そんな2人のためにセシリアが解説を行う。
「……お二人は何も知らないようですわね。あれは龍砲と言って、中国で正式採用された空気を圧縮して衝撃として相手に打ち出す兵器ですわ。しかも砲身が存在しないからどの角度にも撃ちだすことが可能なのです」
「つくづくISは僕の常識の範囲を軽々と越えていくな」
「現存するどの兵器よりも高い攻撃力を誇り、宇宙空間での作業を目標に作られた存在。それがISですわ」
切嗣は小さく呟いた一言をセシリアに拾われたことに驚きつつも一夏の戦いを見守っていた。
(っち、あの肩の部分の衝撃波を出してくるやつを何とかしないと…)
「ほら、ぼさっとしすぎよ!」
一夏は左からの攻撃を右に飛んで避ける。すると先程まで一夏がいた場所を凰の双天牙月が横切る。
「まだまだ行くわよ!」
凰は両手の双天牙月を構えると、一夏に斬りかかる。縦横無尽に振るわれる双天牙月を一夏は雪片弐型で防ぐものの、
「もらった!!」
凰の龍砲を直に喰らってしまう。
「っぐ!」
「どうしたの一夏?いつまでも防御に徹してても私には勝てないわよ?」
「ああ、分かってる。そろそろ俺の渾身の一撃を見せてやろうと思ってたんだ」
そう言うと、一夏は白式のワンノブアビリティーである『零落白夜』を発動した。すると、一夏の刀身がまばゆい光を放ち始める。
「…へぇ?『零落白夜』だっけ?確かにまともに当たれば驚異だけど、それなら近づかせなければいいだけの話よ」
凰の肩アーマーが外れ、龍砲がチャージされる。だが一夏は気にする様子もなく、ブーストを展開すると凰に向かって突っ込んでくる。
「…この一撃は外さないわよ!」
凰はチャージした龍砲を一夏に向かって放つ。がしかし、一夏はその直前で凰の視界から消えた。
「!?どこに行ったの!?」
レーダーからの警告に目を向けると、目の前には雪片弐型を振りかぶった一夏の姿があった。
「!いけない!!」
慌てて防御しようとした瞬間、アリーナに轟音が響いた。
「シールドが破られました!何者かがピット内に侵入した模様です!」
「今すぐに試合を中止させ、生徒たちの避難を優先させろ!あと私たちも教員用のISを装備し終わり次第出撃するぞ!!」
「!駄目です!ピットへ向かう通路の隔壁が全て閉じられてしまっています!」
「3年生で精鋭部隊を編集して隔壁のロックを解除させろ!今すぐだ!!」
「分かりました!」
千冬はピット内に現れた謎の侵入者の映像をモニターで確認していた。
「衛宮とオルコットも避難しろ!……そういえば、衛宮はどこへ行った?」
「さあ?分りませんけど、もう避難していらっしゃるのではないでしょうか?」
「どうだか……。まあいい、山田先生!」
「はい?なんですか??」
「オルコットを連れて教員用のISの格納庫へ行ってくれ!私は後で追いつく!」
「分かりました!」
そして、セシリアと真耶はモニタリングルームを後にする。
「まったく……。それでは、衛宮を探しに行くとするか」
それに続く形で、千冬もモニタリングルームを後にした。
一方その頃、切嗣はピット搬入口で黒いISと対峙していた。
「……お前たちの目的は何だ?」
「……」
切嗣はISを展開し、相手の動きを伺う。すると黒いISは武器を使わずに拳を突き出してきた。切嗣はそれを両手のショートブレードで受け止める。
「くっ!」
最初は拮抗していたが、切嗣自身のISの大きさの違いからか、押し込まれ始める。
(まずい、このままでは━━━)
切嗣がそんなことを考えていると、突然、目の前のISが吹き飛び壁に激突した。
「!?」
「切嗣くん、大丈夫だった?お姉さんとっても心配したよ?」
「……更識先輩。どうしてここに?」
声のする方に視線を向けると、そこには水色のISに身を包んだ更識楯無が切嗣に背を向けて立っていた。
「簡単なことだよ。切嗣くんの後をつけ……じゃなくて、監視カメラにこの子が引っかかったからそれを頼りにここまで来たわけ。さて、大事な一年生の行事を邪魔する悪い子にはキツいお仕置きが必要ね♪」
「更識先輩、自分が前に出ますから援護をお願いします」
「あらあら、嬉しいことを言ってくれるじゃない♪でもここは私に任せて君は先にピットに行ってあげて」
「……大丈夫なんですか?」
「この学園の生徒会長というのはね、学園最強の印なんだよ♪こんなところで負けるはずないでしょ♪」
「では、ここは任せます」
切嗣は楯無に後ろを任せ、ピットへ向かう。それを見た黒いISは切嗣を追いかけようとするが━━━
「ちょっとちょっと。こんな美人を置いてどこに行くつもり?お姉さん悲しいなぁ」
蛇腹剣「ラスティー・ネイル」を構え、獰猛な笑みを浮かべた楯無が立ちふさがる。
「くそ!隔壁が閉じられているとは…」
切嗣は予想外の展開に困惑していた。本来ならこのまま一夏たちの援護に回る予定だったが、強固な隔壁に阻まれている。
(この状況を打開できる何か有効な手段はないのか……!)
するとコンテンダーのグリップの部分が光り出し、光が周りを包み込む。そして切嗣が目を開けると、白い空間の中にいた。突然の出来事に切嗣が辺りを見回していると、近くから声がかかる。
(何やってる“正義の味方”?)
(またこの声……お前は一体何者なんだ?)
切嗣が声のする方に向き直る。すると、そこには黒いコートを着た白髪の男性が立っていた。
(何者って言われても……そうだな、もう一人の正義の味方とでも名乗っておこうか)
(巫山戯た事を……ところで、この状況を何とかする方法はないのか?)
(……私の右手に触れてみろ。そうすればお前の望む力が手に入るはずだ)
そして切嗣は彼の右手に触れる。その瞬間、世界が暗転した。
『……それがお前の答えか』
『いつか地獄の釜に落ちながら、このディルムッドの怒りを思い出せぇぇぇぇぇ!』
『衛宮切嗣!いつかお前を呪い殺してやる!!』
“正義”の代償である“彼ら”の憎悪が切嗣の耳に入ってくる。思わず耳を塞ぎたくなる悪意の塊、しかしそれを切嗣は感情を殺して受け止めた。すると切嗣の頭の中に文字が浮かび上がる。
最適化作業終了 『■■■』セットアップ
切嗣が意識を戻すと、自分のISの形状が変化していることに気づく。カラーリングが黒から紫を混ぜたような混沌とした色に変わり、スラスターが背中の2機から更に脚部に2機増設され、さらに指先が血の様な赤色に染まっている。専用のディスプレイには『ワンオフアビリティ:■■■■』の文字が浮かんでいた。
切嗣は手の感触を確認した後、ISの腕の部分に強化の魔術をかけ、試しに隔壁を思い切り殴りつける。すると、大抵のISによる攻撃を防ぐはずの隔壁は吹き飛び、外れた隔壁には大きな凹みが出来ていた。
(これなら……行ける!)
切嗣は拳を握り締め、ピットへ急ぐ。そして切嗣がピットの入口にたどり着いた時、一夏と凰は切嗣が先ほど相手にしたのと同様の機体と交戦中であった。
「……やってみるか」
切嗣は待機状態に戻したコンテンダーを取り出すと、“切り札”を装填し謎の機体に狙いを定める。
「はぁぁぁぁ!」
一夏は相手の腕から放たれるビームを避けながら接近戦を仕掛け、凰も一夏の邪魔にならないよう龍砲で相手の動きを牽制していた。がしかし、必中のタイミングで放たれた一夏の攻撃を、目の前の相手は人間業とは思えない動きで回避する。
「……」
「嘘!?あそこからの攻撃を避けるなんて!」
「今のは完全に死角から斬りかかったのに、まるで完全に動きを予測しているような動き……あれは、もしかして」
「何!何かわかったの、一夏?」
「あぁ……。あれはおそらく無人機なんだと思う」
「無人機って……。どこの国もそんな開発に成功した例なんて聞いたことないわよ?」
「けど……。それじゃあ、あのまったくブレが生じない規則的な動きの説明が付かない」
「それで、無人機だったとしてどうするの?」
「無人機だったら、遠慮なく戦うことができるだろ」
「あんたねぇ、今の状況でそんなこと言っても全然説得力ないわよ」
「ひとつだけこの状況を打開する作戦がある。手を貸してくれないか」
鈴と一夏が通信を使い作戦の内容について会話する。がしかし、一夏が作戦について説明し終わったところで鈴が一夏に食って掛かる。
「馬鹿じゃないの!?そんなことして無事で済むわけないじゃない!」
「頼む、鈴!今の状況を打開するにはこの作戦しかないんだ!」
「!!もう、どうなっても知らないわよ?」
一夏は後部スラスター翼からシールドエネルゲーを溜め込み、凰は一夏の後ろに回り込む。
「…一夏、準備はいい?」
「ああ!いつでも大丈夫だ!!」
「……それじゃ、行くわよ!」
鈴は一夏に向け、肩の龍砲を放つ。
「……っぐ!」
一夏は龍砲によって加速しつつ、更にイグニッション・ブーストを使い相手に接近する。
無人機は腕からビームを繰り出そうとするが、
「……遅い!」
凄まじい速度で接近した一夏に構えていた右手を斬り落とされる。しかし、無人機は取り乱すことなく無事な方の左手で一夏を横から殴りつけた。一夏は吹き飛ばされながらも笑みを浮かべる。その視線の先には、主力武器であるスターライトmkIIIを構えたセシリアが映っていた。
「━━━狙いは?」
「完璧ですわ!」
セシリアの掛け声とともに大小のビームが雨あられのように無人機に降り注ぐ。そして大きな爆煙をあげて無人機は地面に叩きつけられた。
「やったか!?」
「一夏、危ない!」
鈴の声に一夏が反応すると、無人機が左手からビームを一夏に放とうとしていた。がしかし、パンッ!と言う一発の銃声が聞こえた後、無人機は一瞬不気味な光を発して停止してしまう。
「今のは……?」
一夏は銃声が聞こえた方を見たが、そこには誰もいなかった。
無人機が機能を停止したのを確認し、切嗣はコンテンダーを胸ポケットにしまうと、搬入口から立ち去ろうとした。がしかしその途中で
「衛宮!……あれを止めたのはお前か?」
千冬と遭遇してしまう。
「……僕が来た時には一夏があのISを止めたところでした。おそらく、一夏の攻撃でエネルギー切れを起こしたんじゃないですか?」
二人の間に沈黙が流れる。がしかし、先に口を開いたのは千冬だった。
「……まあいいだろう。私はこれからあの馬鹿どもを回収しに行くが、お前はどうする?」
「少し疲れたので先に教室に戻っておきます」
切嗣はそう言うと出口へ足を向けるが、後ろから千冬の声がかかる。切嗣が何気なく振り返ると、そこには頭を下げる千冬の姿があった。
「衛宮」
「……?」
「お前のおかげで私の大事な弟が怪我をせずに済んだ。礼を言わせてもらう」
「……失礼します」
切嗣は千冬に頭を下げると、その場をあとにした。
切嗣のISの名前についてですが、今現在いい案が思い浮かばずに少々難儀しています。もし、誰か良案を持っていたら自分のところまで連絡していただけると嬉しいです。因みに切嗣のISの第一形態ですが、イメージとしては武装錬金に出てくる鷲尾が部分展開した所+なのはのクロノを2で割ったのを想定してもらえればいいと思います。