元艦娘たちとで喫茶店   作:ブラックアロー

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この作品は解体されたり近代化改修に使用された艦娘たちと共に暮らすほのぼの系物語です。



プロローグ 親父が再婚したってマジですか!?

俺、海鳥(うみどり)清(しん)は長年の夢であった喫茶店を経営している。

名前は『Deep sea』、つまり深海を意味する。

深海と同じく静かな場所で珈琲を味わって貰いたいと思って名を付けた。

客足はボチボチだが、赤字か黒字かと言うと答えは前者だ。

まあ仕方がない。

味に自信があっても無名の奴が淹れた珈琲を飲む人間は少ないであろう。

しかし、名前の通り静かに珈琲を飲めるので俺はこれで満足である。

 

開店して一ヶ月が経った頃、見知った客が来店した。

 

「よう、繁盛しているか?」

 

「見たら分かるだろ?こんな状況で繁盛しているって言えないさ親父」

 

その人は俺の親父である。

年齢は40後半だが、20代に見える程若い容姿だ。

親父と一緒にいると兄だと間違えられる。

 

「そうか……大丈夫なのか?」

 

親父は心配そうに問いかける。

 

「問題ないさ」

 

元々こうなる事は予測していた。

だから、経営が困難になるまで経営は続けるつもりだ。

 

「にしても、元帥がこんな所に居ていいのか?」

 

親父は海軍、それも階級は元帥である。

そんな親父が此処に居るのが不思議であった。

 

「おいおい、俺がただお前の顔を見に来ただけだと思ったか?」

 

「そうだな。せめて、注文して貰えれば有難いよ」

 

「うむ、そうだな。だがその前に……入っていいぞ」

 

そう言うと、店に奇抜な服を着た女性が現れた。

ってかあれはコスプレか?

 

「紹介しよう。俺の再婚相手である長門だ」

 

「……うん?」

 

再婚?

一体何を言っているんだ?

 

「私は長門、お母さんと呼んでくれ」

 

「……え?」

 

この人も何言っているだ?

 

「ちょっと待て、何がどうなっているのか分からないのだが」

 

「結婚したんだよ」

 

「……ハァー!?」

 

驚く中、親父と長門さんはお互いの指にある指輪を見せて付けて来た。

 

「親父!?一体全体何がどうなったらそうなった!!??」

 

「落ち着け。知らせなかったのは悪かった」

 

「悪かったじゃねえよ!!式は挙げたのか?ってか戸籍は?」

 

「式は挙げたが戸籍はまだだ。少し訳ありでな」

 

「……そうなんだ」

 

俺は複雑な気分である。

親父の再婚は喜ぶべき事なのだろうが、天国の母さんの事を思うと何とも言えない。

 

「今日はその報告に来たんだ。そうそう、長門に珈琲を飲ませてやれ」

 

「分かった」

 

親父の注文で珈琲を淹れた。

 

「うちのオリジナルブレンドの珈琲です」

 

「ありがとう。いただこう」

 

長門さんは珈琲を一口。

 

「美味い。こんなに美味い珈琲は飲んだ事ない」

 

「お世辞でも嬉しいです」

 

「お世辞ではない。それに我が子が淹れた珈琲が不味い訳ないしな」

 

我が子か……ちょっと変な気分である。

 

しばらくして

 

「さて、そろそろ帰るかな」

 

「そうだな。皆が心配するし帰るか」

 

親父と長門さんは席に立つ。

 

「親父、子供の俺が言うのもなんだが……幸せにな」

 

「おう。お前も良い嫁さんを貰えよ」

 

「余計なお世話だ!」

 

金を払い、親父と長門さんは去っていた。

 

「今日は疲れたから早めに閉店するか」

 

俺は一人になった店でそう呟いた。

 

 

 

 

「で、どうであったうちの息子は?」

 

「うむ、中々いいリアクションをしていたな。しかし、嘘を付いて良かったのか?」

 

帰り道、長門が元帥に問いかける。

 

「問題ない。嘘は特に付いてないしな。ケッコンはカリだがしているしな」

 

ニヤニヤと笑う元帥

すると長門が

 

「カリではなくガチでもいいのだが……他の皆に何を言われるか知れたものではないからやめて置こう」

 

「良い判断だ」

 

元帥は途中で止まり、そして店の方角を見る。

 

「あいつなら彼女らを任せられるな」

 

そう言って再び歩き始めたのであった。

 

 

 

 




次回はいよいよ艦娘がやって来ますよ。
誰が来るかはお楽しみに
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