元艦娘たちとで喫茶店   作:ブラックアロー

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サブタイトルからしてあの人だと言う事が分かりますね。


第一話 妹(?)がやって来たっぽい?

 

「う~ん……ちょっとだけ高くなったか」

 

仕入れを終え、車で帰る途中でそう呟いた。

珈琲豆が以前よりも高値であった。

いや、珈琲豆以外にも外国産の品物は全て高くなっている。

 

「仕方がないか」

 

理由は分かっている。

今現在、深海棲艦と呼名された化け物が海に居るからだ。

それらが現れてから海路と空路の安全性が不安定となり、輸出や輸入が困難となった。

だが、これでも昔よりはいい方だ。

以前は完全に制海権を奪われて、通信機器も殆んど使用不能となり、鎖国状態に陥った。

そんな状況よりかはまだましだ。

 

「喫茶店として珈琲がないのは痛いな。確か沖縄で珈琲豆を栽培しているはずだけど……原価は今と同じかそれ以上か」

 

考えていると、雨が降り始めた。

 

「振り始めて来たか」

 

俺は一旦考えるのを止め、運転に集中した。

 

店に到着すると、店の目の前に一人の少女が立っていた。

 

「この辺の人じゃないな」

 

腰まで伸びる白に近い金髪、額で蝶結びとなるリボンをしている。

年は小学生~中学生くらいだろうか?

パッと見何処かのお嬢様みたいな子である。

 

「もしかして海鳥 清さんっぽい?」

 

「(ぽい?)あぁ、そうだけど……」

 

「良かった。このまま会えないかと思ったっぽい」

 

ぽいと言うのは口癖みたいなものか。

人のアイデンティティをどうこう言うつもりはないが、可笑しなものだ。

 

「うん?君、いつから此処に?」

 

疑問に思った俺は少女に質問する。

 

「雨が降る前からいるっぽい」

 

雨が降り始めたのは1時間も前の事だ。

つまり1時間以上は此処にいた事になる。

よく見たら、彼女の服は雨に濡れたか汗か分からないがびしょびしょだった。

 

「聞きたい事はあるが、取りあえずまずはシャワーだな」

 

俺は少女を店に居れた。

 

店の二階から三階は住居となっている。

二階部分が俺の住まいで三階は空き部屋である。

何故三階建てにしたかと言うと、店が経営困難に陥った時に三階部分を貸出し、その家賃でやりくりしようと思い立ったからである。

 

「さあ、シャワーでさっぱり……っておい、何で服をもう脱ごうとしているんだ!?」

 

俺がいる前で少女は躊躇なく服を脱いでいた。

 

「だって服を着たままじゃあシャワーを浴びれないっぽい?」

 

「そうだが、男がいる前で……あぁ、俺が出て行けばいいんだよな」

 

よく考えればその通りだ。

俺は直ぐに脱衣所から出て行った。

 

「疲れる。あ、彼女の着替えは如何するか?」

 

服はまあいいとして、問題は下着である。

男一人だから女物の下着などない。

あったらそれは変態であろう。

 

「早急に洗濯して乾燥機……下着って乾燥機OKだったか?」

 

そんな事を考えていると

 

ピーポーン

 

呼び鈴が鳴り響いた。

 

「白猫宅急便です。海鳥 清さんのお宅でよろしいでしょうか?」

 

「あ、はい。今出ます」

 

俺は玄関へと歩いて行った。

 

荷物を受け取った後、俺は送り主を確認する。

 

「親父から?」

 

先日来たんだからその時一緒に持ってくれば良かったのに……

などと思いつつ荷物の中身を確認する。

 

「なんじゃこりゃ?」

 

中身は女物の服や下着が沢山入っていた。

それと一緒に一通の手紙もあった。

 

「つまり、あの子は親父の知り合いって事か」

 

いくらなんでもタイミングが良すぎる。

そうじゃないと親父が変態になったと考えてしまう。

 

「手紙を見るか」

 

俺は封を切り、中の手紙を取り出して読み始めた。

 

『拝啓、愛する我が息子よ

 突然の美少女襲来で驚いているだろう?』

 

やはり親父の知り合いか。

 

『彼女の名前は夕立と言ってな、俺と長門の子……つまりはお前の妹だ』

 

「はぁ!?」

 

嘘だろ?

あの子がいくつか知らんが、もしかして出来ちゃった婚って奴か!?

もしくは長門さんがバツイチなのか!?

兎も角続くを読もう。

 

『ってのは嘘だ』

 

「……糞親父!!!!」

 

待て、冷静になれ。

あの親父は昔から俺をからかって楽しんでいるんだ。

もういい加減に慣れないと疲れるだけだ。

 

『っての嘘だ』

 

もう突っ込まないぞ。

 

『何だつまらないな』

 

手紙で会話すんな。

 

『ははは、さて本題に入るぞ。

 しばらく夕立の面倒を見て貰いたい。

 夕立は少々生い立ちが特殊でな、彼女からは何も聞かないでほしい』

 

特殊な生い立ちか。

親父の仕事に関わる事かな?

だとしたら軍機と言う物があるから聞くつもりはないけど……

 

『お前の言いたい事は分かる。

 軍機がある事柄を一般市民のお前に頼むは筋違いだろう。

 が、お前は俺の子だ。

 海軍の上層も昔からお前を知っているから問題なと言っていた。

 だから軍機については何も心配するな。

 漏れたとしても別に支障はない』

 

ならいいんだが。

 

『説明は後日必ずする。

 それまで彼女の事をよろしく頼む』

 

手紙はそれで終わっていた。

 

「俺の有無は聞かないで勝手だな」

 

溜息が出るが、まあしょうがない。

彼女―――夕立をしばらく預かる事にしよう。

 

「着替えを持っていくか」

 

親父から送られてきた荷物から衣服を適当に持って脱衣所に行く。

 

「ラッキースケベは嫌だな」

 

俺はノックをする。

 

「ぽい?」

 

と返事がきた。

 

「服だ。此処に置いておくからな」

 

俺はドアの前に衣服を置き、俺はその場を即座に去っていた。

 

「やれやれ、これから如何なる事やら……」

 

一応俺も男だ。

美少女と屋根の下で理性を保てるかどうか……大丈夫だな。

俺はロリコンじゃないし、部屋は三階を使って貰えれば問題ない。

面倒と言っても食事や身の回りの世話をすれば大丈夫だろう。

 

この時の俺はそんな安易な考えでいた。

 

 

 

 

一方、とある鎮守府では

 

 

 

 

「何の前触れもなく夕立を向かわせて良かったのか?」

 

と長門が元帥に問いかける。

 

「問題ないさ。うちの息子は間違えを犯すほど落ちぶれちゃいない。ってか間違えを起こしてくれたら方がいいんだがな」

 

元帥は書類を見ながら返事を返した。

 

「奥手と言うか鈍感と言うか……女に興味がない訳じゃないんだが、一体はいつになったら彼女を出来るのか?親としては心配だ」

 

「全く提督に似なかったと言う事か」

 

「あぁ、母親似だ。あいつも鈍感だったからな……そこが可愛い所だったのだが」

 

「のろけ話なら別の人にしてくれるか?」

 

長門はムスッとした顔をしている。

そんな彼女を見て元帥は

 

「無論、長門も負けず劣らず可愛いがな」

 

「……調子が良いな、全く」

 

呆れながらも内心は喜んでいる長門であった。

 




ラッキースケベとか言うイベントは認めない!!(嘘)
次回は夕立との同居生活スタートです。
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