元艦娘たちとで喫茶店   作:ブラックアロー

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勿論ですが夕立以外にも艦娘(元)は登場しますよ


第二話 姉さんの元にも親父の子(?)

 

夕立が着替え終え、俺は夕立に自身の部屋となる場所へ案内した。

 

「此処を自由に使ってくれ」

 

「何だか殺風景っぽい?」

 

机やタンスなどの家具が全く備え付けられていない部屋。

掃除はこまめにしているが、普段全く使用していないのだから仕方がない。

 

「家具は今日中に揃えるさ。後でホームセンターに行って好きな物を買え」

 

「いいの?」

 

「親父から夕立の事をよろしくと言われた以上は責任もって面倒を見るさ」

 

じゃないと何を言われるか分からんしな。

揚げ足を取るのは上手だからな親父は

 

「さて、もう12時だ。そろそろ昼飯にするか。夕立、嫌いな物はないか?」

 

「何でも食べるっぽい」

 

「嫌いな食べ物無し……でいいんだよな?」

 

ぽいと言う言葉に引っかかりがあるのだが。

 

「カルボナーラでも作るか」

 

「ごっはんーごっはんー♪」

 

夕立が嬉しそうに踊っている。

まるで自身の娘の様な感覚に陥るのは何故だろうか?

 

料理が出来、テーブルに並べた。

 

「さあ、召し上がれ」

 

「いただきます♪」

 

夕立はカルボナーラを一口。

 

「美味しい!!」

 

「そうか。口に合って何よりだ」

 

商売上、美味しいと言ってくれると非常に嬉しく思う。

 

「夕立、口にクリームが付いているぞ?」

 

「え?何処っぽい?……海鳥さん!取って取って」

 

「やれやれ」

 

俺は布巾で夕立の顔に付いているクリームを取る。

 

「取れたぞ。それと、俺の事は清でいい」

 

「ありがとう、清さん」

 

夕立は笑顔でお礼を述べ、再びカルボナーラを口に入れた。

この光景は第三者視点で見れば微笑ましい親子のやり取りであろうな。

 

食後、食器を洗い終える。

しばらく経った後

 

「ホームセンターに行くぞ。支度しろ」

 

と夕立に言った。

 

「準備完了っぽい」

 

夕立の服装は最初に会った時と同じセーラー服姿である。

だが、最初に会った時の服は今洗濯中だ。

つまり、これは親父が送って来た物の一つと言う事か。

 

「……同じ服って」

 

少々呆れ、そう呟いてしまった。

 

ホームセンターに到着し、中を見て回る

 

「取りあえずテーブルにタンスにテレビだな」

 

一体いくら掛かるか?

仕入れをしたばかりでこれ以上の失費はちょっとばかり辛いな。

カード払いにするしかないか。

 

「うん?如何した夕立?」

 

夕立は立ち止まってじっと何かを見ていた。

 

「もしかしてこれが欲しいのか?」

 

クマのぬいぐるみを手に取る。

 

「ち、違うっぽい」

 

全力で否定するが、ぬいぐるみを右左と移動させると確実に目で追っている。

 

「欲しいんなら買ってやる」

 

「で、でも……」

 

遠慮している夕立を見て、ある事を思い浮かんだ。

 

「ならこうしよう。ぬいぐるみを買ってやるから店の手伝いをする」

 

「店の手伝い?」

 

「あぁ。うちは喫茶店を営んでいてな、客は少ないがちょうど誰かを雇おうか考えていたんだ。やるか?」

 

「やるっぽい」

 

即答であった。

 

「決まりだな」

 

と言う事で夕立に店のアルバイトをして貰う事にした。

さて、そうと決まればあいつの所にでも行くか。

 

ホームセンターで買い物した後、俺たちはとある一軒家へとやって来た。

 

「此処は何処っぽい?」

 

「俺の姉がいる場所だ」

 

呼び鈴を押した。

 

「はい、どちら様でしょうか」

 

「あれ?」

 

出て来た声は姉の者ではなかった。

その事に少し疑問を抱くが、名を名乗る。

 

「海鳥 清です。姉の楓はいらっしゃいますか?」

 

すると、ドアが開き

 

「やほ~♪元気だったか清ちゃん」

 

姉さんがいつも通りの加減で現れた。

 

「久しぶりだ姉さん。それより、さっき呼び鈴に出ったのって?」

 

「あぁ、あの子ね。紹介するからまずは上がって頂戴」

 

俺たちは家の中に入っていた。

 

「紹介するわ。白雪よ」

 

「白雪です。よろしくお願いします」

 

セーラー服を着た茶髪のセミロングを後ろで2つ括りにしている少女がぺこりとお辞儀した。

 

「もしかして親父の?」

 

「そう、お父さんの隠し子よ~」

 

「それを本気にしている訳じゃないよな?」

 

「勿論♪」

 

姉さんは親父に似である。

誰かをいじって楽しむタイプである。

 

「それより、そっちの子は?」

 

「夕立と言ってな、こっちも親父から頼まれたんだ」

 

「ほうほう。中々可愛い子じゃない。コスプレさせがいがあるわね~」

 

品定めする姉さんに若干怯えている夕立。

 

「怖がっているからやめろ」

 

「むう~しょうがないわね。それより、今日は如何したの?」

 

「夕立を店に働かせることになったんだ。服を作ってはくれないか?」

 

「分かったわ」

 

姉さんは裁縫が上手である。

特にコスプレに使用する服を作るのが得意である。

だが、自身が着ずに誰かに着せるのが好きらしい。

昔よく俺にドレスやら魔法少女コスなどを着せられたな。

 

「その時の写真がこれ」

 

心を読んだのか、当時の写真を見せた

 

「これが清さん?」

 

「とっても可愛いです」

 

二人はそう感想を述べた。

 

「そんな昔の写真を今まで持っていたのか?」

 

「そりゃあ、家族写真だから持ってても不思議はないわよ」

 

確かに持っていても不思議はないが、こちらとしては恥ずかしい限りである。

 

「昔は可愛かったけど、今も女装すればそこら辺の女よりかは可愛いと思うな~……女装してみる?」

 

「丁重にお断りします」

 

そう言ったが

 

「清さんの女装姿を見てみたいっぽい」

 

「わ、私も」

 

夕立、そして白雪がキラキラした目で俺を見る。

 

「それじゃあ、清ちゃん用に服を作って置くわね」

 

「……ハア、何を言ってもそっちに持っていかれるな」

 

俺は諦めた。

 

「それより、夕立の服を頼む」

 

「OK。可愛いメイド服を作ってあげるわ」

 

「ありがとう。それじゃあ、出来上がったら取りに来る」

 

「分かったわ。完成したら連絡する」

 

夕立が着る店の服を姉さんに頼み、俺たちは店へと戻っていた。

 

店に戻る車の中で夕立は何故か寂しげな表情を浮かべている。

 

「どうかしたか?」

 

「清さんたちを見ていると、何だか変な気分になるっぽい」

 

「変な気分?」

 

「うん」

 

ホームシックと言うものであろうか?

夕立にだって家族はいるはずだ。

 

「なあ、夕立。しばらく同じ場所で暮らすんだ、俺の事は兄妹と思っても構わないからな」

 

「え?」

 

突然の事に驚きの声が出た。

 

「いや、それでその気分が晴れればいいなと思ってな。嫌なら構わないが」

 

「……ありがとう清さん」

 

夕立は笑顔でそう答えた。

 

一週間後

姉さんから服が完成したとの連絡を受けて取りに行く。

果たしてどんな出来栄えなのか楽しみである。

 

 




次回は夕立が喫茶店でアルバイトです。
更に二人目登場の予定
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