元艦娘たちとで喫茶店   作:ブラックアロー

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チャレンジメニューって一度は頼んでみたい


第三話 初めてのアルバイトと完食者

 

夕立の服を取りに姉さんの家に来た。

 

「これが夕立ちゃんのメイド服よ」

 

それはヴィクトリアンメイドを意識したメイド服であった。

 

「……今思えば、何故にメイド服?」

 

「あら、ヴィクトリアンメイドはオタクじゃなくて一般人を重視したメイド喫茶で使用されているのよ」

 

「俺の所はメイド喫茶じゃないんだがな」

 

健全で普通の喫茶店なのですぜ?

 

「早速試着して見てよ、夕立ちゃん」

 

「っぽい」

 

そう言って姉さんは夕立を連れて行った。

 

数分後

 

「さあ、夕立ちゃんの登場です」

 

何故か姉さんのテンションが高い。

予想以上に似合っていたらしい事が分かる。

 

「!?」

 

ヴィクトリアンメイド姿の夕立を見て一瞬だけ見惚れてしまった。

 

「どう?似合うっぽい?」

 

「あぁ……驚いたな」

 

「やっぱり素材(夕立)がいいと何を着ても似合うわよね~」

 

素材って……だが、夕立は可愛い方だと俺は思う。

 

「そう言えば清ちゃんの服も出来たんだけど……着る?」

 

「嫌だ」

 

「ですよね~。まあ、今日は諦めるけど」

 

今日はって事はいつか着ないといけないだろうな。

覚悟はして置くか。

 

「それじゃあな。この埋め合わせはいつか」

 

「なら、あのチャレンジメニューをタダで食べさせてくれる?一度は食べて見たかったんだ♪」

 

チャレンジメニュー

バケツプリンにアイスが10種類と生クリームにフルーツがどっさり乗っているプリンアラモードだ。

1時間で食べ終えれば無料で値段は8,500円である。

今までチャレンジした人間は10人しかいないが、誰一人として成功していない。

 

「分かった」

 

俺の返事を聞くなり姉さんは幸せそうな表情を浮かべている。

大が付く甘党だからだろうな。

 

翌日

 

今日から夕立が働く事になった。

 

「……暇っぽい」

 

昼時にも関わらず客がいない状況であった。

 

「元々だから仕方がない。でも、そろそろ一人は来るはずだ」

 

そう言うと、一人の少年が店に来店した。

 

「昼飯を頼む。何でもいい」

 

「了解」

 

俺は調理を始めた。

少年はカウンター席に座り、夕立の方を見る。

 

「バイトか?」

 

「あぁ、今日から働いて貰っている」

 

「夕立です。よろしくっぽい!」

 

元気に挨拶する夕立

 

「大神(おおがみ)十火(とおか)だ」

 

無表情で自己紹介した十火。

 

「もう少し愛想良く出来ないのか?」

 

「悪いな、馴れ合いは好まない主義でな」

 

理由は分からんが、人嫌いらしい。

そう言う性格だから十火に友達はいない。

両親もとある事故で他界している。

 

「カレーライスでいいか?」

 

「構わない」

 

十火と会ったのは店を始めて1週間後の事である。

公園で一人食事をしている彼を見かけて声を掛けた。

最初は無視されてたが、心を少しずつだが開いてくれ、今の様に会話出来る状態になった。

 

「よし完成だ」

 

カレーライスを皿に盛り、直接カウンターに出そうとした。

その時

 

「清さん、私が運ぶっぽい」

 

「分かった」

 

カレーライスの皿をトレーに乗せ、夕立に渡した。

夕立は十火の所まで持っていく。

 

「お待たせしました」

 

とカレーライスを手渡しする。

 

「……ありがとう」

 

十火は小声で礼を述べた。

 

「どういたしまして♪」

 

嬉しそうにスキップして夕立が戻って来る。

それを見て、十火は一瞬であるが笑ったように見えた。

 

十火がカレーライスを食べ終え、夕立に食器を洗うように指示した。

そして俺はレジの前に立ち会計をする。

 

「なあ、あの子は一体何者なんだ?」

 

俺は驚いた。

他者の事を気にするなんて思いもしなかったのである。

しかし、質問の意味が分からなかった。

 

「と言うと?」

 

「あの子は普通の人間じゃない感じがした……ただそれだけだ」

 

そう言い残し、会計を済ませて帰っていた。

 

「普通の人間じゃないか」

 

十火の言葉が気になるが、親父の説明を聞くまでは気にしない方がいいな。

 

午後三時

 

あれから3人の客人しか来店していない。

まあ3人でも多いい方だ。

 

「それにしても夕立は覚えがいい。接客も初めてとは思えないほどに上手だ」

 

「えへへ、もっと褒めて」

 

夕立は満面の笑みでそう言った。

すると

 

「あ、あの~」

 

一人の女性が来店した。

 

「いらっしゃいませ。空いている席にどうぞ」

 

俺がそう言うと、女性はテーブル席に座る。

 

「ご注文は?」

 

「このチャレンジメニューで」

 

「分かりました」

 

チャレンジメニューに挑む客は久しぶりである。

それにしても女性の恰好が気になる。

弓道着なのか?

この近くで弓道場なんてあっただろうか?

 

「お待たせしました」

 

例のプリンアラモードをその女性の目の前に出した。

 

「お、おっきいっぽい!?」

 

夕立がキラキラした目でプリンアラモードを見ている。

 

「食べたいなら後で作ってやる」

 

「本当!?」

 

「あぁ……それではお客さん、今から1時間で食べ終えれば無料となります。それではスタート」

 

スタートの合図と同時にプリンアラモードを食べ始める女性。

流石に時間内には食べ切れないであろうと考えていたのだが

 

「す、凄い」

 

盛っていたフルーツやアイスが次々と無くなっていく現状を見て、思わず感想が口から漏れた。

 

「御馳走様でした」

 

30分もしないうちに全部完食した。

フードファイターも真っ青になるんじゃないか?

 

「あ、御代りって出来ますか?」

 

「……どうぞ」

 

夕立も唖然としている。

そんな中で女性は2杯目を頼んだのであった。

 

女性はあの後5杯目まで完食した。

あの食べっぷりを見ているとすがすがしい気持ちになる。

 

「ふう、とっても美味しかったです。所でつかぬ事お聞きしますが……」

 

食べ終えると女性はこちらの方を見て話し掛けて来た。

 

「海鳥 清さんと言う方のお家を知りませんか?」

 

「海鳥 清は俺ですが?」

 

「えぇ?そうだったんですか?それは失礼しました」

 

女性は立ち上がり俺に近づく

 

「私は赤城と言います。今日からお世話になります」

 

「……はい?」

 

思わず困惑の声が出てしまった。

 

 

 

 

鎮守府にて

 

「そう言えば、赤城たちが来る事は言ったのか?」

 

「うん?手紙に書いたはずだ」

 

「私が見た時には書いてなかったぞ?」

 

長門の言葉に提督は黙り込み

 

「まあ大丈夫だ、心配するな」

 

「……だといいがな」

 

大丈夫だと答えた提督に対して、長門はとても心配そうにしていた。

 

「二人には、もしも話が通じないようであれば俺の名前を出せと言ってある。あいつなら夕立と同じ話であると直ぐに気づくさ。なんせ俺の息子なんだからな」

 

この提督(父親)のせいでまた何かあるのは明白であった。

 




二人目は赤城でした。
話を見て分かる通り、三人目も次回登場します。
因みにですが、この話で出て来た大神 十火について
今書いている作品の主人公だったりするかもしれない(投稿未定)
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