DARK SOULS ~Revenge of the knight~   作:だ~くぱんぷきん

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第16話[獅子と処刑人~Lion and Boondock Saints~]

ー貴公、何を寝ているー

 

兜の上から頬を叩かれ、目を覚ます

 

ー・・・あ?ー

ーあ?ではない、心配したぞー

ーていうか貴公は何をしていたんだ!危うく死にかけたんだぞ!ー

ーいや、急ぎ過ぎたせいで奴の貼っていた罠に引っ掛かりかけてしまってな、こちらも危なかったー

ー貴公は・・・ハハハ!ー

ー?、何を笑っている?ー

 

久し振りに笑った気がする。

新しい友はホントに俺が何故笑ってるか、分かっていないようで、顔に困惑の色を浮かべている

当たり前だ。笑ってる俺ですら何故笑ってるか分からないのだから。

 

ーというより貴公。奴を倒したのか・・・?ー

ーあぁ…奇跡だよ。魔法とかそういうんじゃなくて。ー

 

だがあの放浪者に勝てたのは本当に奇跡の様なものだ。いつもの俺なら武器を失った時点でヤケクソになって殺されていただろうし、放浪者が柔術の事を知っていたらまず勝てなかった。

次会った時は最初から本気で来るだろう。

彼の様な奴には2度と会いたくないな…

 

ー私でも"ユイ"って奴と協力してやっと退けたんだ。貴公には驚きっぱなしだよー

ーそうか・・・年上として嬉しいよー

ー・・・貴公今調子に乗ったなー

ーかもな。ほら、とっとと先に行こう。ー

 

起き上がろうとすると腹部に鋭い痛みが走る。

そういえば腹を執拗にやられてんだった。

かつての相棒であるツヴァイヘンダー。とある王子が持っていた刺剣。混沌の魔女が持っていた魔剣

あれだけの攻撃をよく生きていたなと自分の頑丈さに感心する。放浪者にゴキブリと言われるのも仕方無いな。

上半身だけを起こし、エストを飲む。

少々、ダメージを受け過ぎたせいでエストもあと2口飲める程度の量になってしまった。

 

ーまた貴公無茶したな。傷が酷いぞ。ー

ーそんくらい奴が強いんだろ。それは貴公の方が分かってるんじゃないのか?ー

ーそれはそうだが・・・ー

ーよし!行くか!ー

 

騎士の肩を借り、再び立ち上がる。

放浪者に高所から落とされ、そのせいで死にかけたが、かなりショートカットが出来たようだった。

 

少し先に進むと下の大広間に2体の巨人衛兵。逆の階段には大弓をもった銀騎士がこちらを狙っていた。

 

騎士がナイフを銀騎士の頭に命中させて怯ませる。

その隙に鋼鉄斧の衝撃波で銀騎士を倒し、その姿をソウルへと変える。

 

下の大広間に降りるために階段に進もうとすると、腰にぶら下げている黒い瞳のオーブが震えだした

 

ーここに奴が・・・ロートレクがいるのか・・・ー

ーなにか言ったか?ー

ーいや、何でも無い。ー

 

しかし奴を殺すのは今ではない。

騎士と共にあの霧の先にいる奴を倒してからだ。

 

黒い瞳のオーブを再び腰にぶら下げ、階段を降る。

 

ー君は正門付近の巨人を。俺はもう一体をやる。いいか?ー

 

騎士は頷き、少し高めの所から巨人へと向かい出した

俺も階段を全速力で下り、巨人へと向かう

 

巨人がこちらに気づくのが戦闘開始の合図だ

 

巨人のハルバードがこちらに迫ってくるが、それを避けて、巨人の股に足から滑り込み、背後に回る。

 

もらった。と思い、竜王の大斧を振り下ろす所だった

 

巨人から何かが放出され、痛みと共に身体が吹き飛ぶ。

 

フォースか?しかしフォースにダメージは無い筈・・・

 

巨人はこちらを振り向き、ハルバードを横に薙ぎ払う。

 

それを巨人の大盾で弾き、竜王の大斧で巨人の腹部を削り取る。

 

巨人が痛みで倒れそうになっている所に大斧の攻撃を顔面に加える。

 

当然の如く、巨人の顔面は見る影も無くなっていた。

 

騎士の手助けをしようと彼の方を見るが、ちょうど彼も巨人を倒した所の様だ

 

正門を開けるために騎士の方へ走り、その奥に有ったレバーを動かす。

すると正門が開くと共にゆっくりと暖かい太陽の光が城内に差し込む

 

正門が開いたことを確認してから、今度は銀騎士がいた方の階段を上る。上からとあるサインが見えたからだ。

そしてそのサインを書いた不死人を召喚する。

 

太陽の戦士ソラール。

 

腕をY字に広げ、その騎士は現れる

 

ー貴公か。時とやらが来たようだなー

ーあぁ、どうやらそうみたいだぜ?ー

 

ソラールは騎士へと目を移す

 

ーおお!貴公も一緒なのか!ー

ーなんだ。2人も知り合いか?ー

ーあぁ、友だよ。ー

 

さすがは太陽の戦士 ソラールだ。人望も厚いらしい

もしかしたら、違う世界の不死人達も助けて回ってるのだろうか。だとしたらソラールはとんでもないお人好しなんだなと改めて思う

 

3人揃った所で大広間から見える霧の壁へと近づく。

この霧の中にいるのは尋常ではない力を持つものだろう。その気配が霧の外からでもピリピリと伝わってくる。

 

ー行くぞ・・・ー

 

騎士が大剣に魔法のエンチャントを施したのを確認し、霧の中に足を踏み込む

 

かつてとある不死にこんな話を聞いた事があった

 

王の器を求める不死たちの最後の試練

 

1人は大王グウィン直属の四騎士の長。その騎士の持つ槍は古き竜の鱗を貫き、人などは軽々と吹き飛ばす。

もう1人は四騎士に入れる程の力を持っているにも関わらず、その残虐さ故に四騎士に数えられなかった処刑人

 

竜狩りオーンスタイン

処刑人スモウ

 

その2人の猛者が今俺の目と鼻の先にいる。

 

俺の後に続き、2人の不死人が霧の中に足を踏み入れる

 

太陽の戦士ソラール

名も知らぬ手練の騎士

 

役者は揃った。

 

数的には三対ニでこちらの方が有利だが・・・

 

相手は手練の多い神の一族の中でも数える程しかいない猛者。

 

たった1回の攻撃で形勢がひっくり返るかもしれない

 

竜狩りの一撃で戦いは始まった

 

その一撃を大盾で受け止める

 

ー俺があのデカ物を殺る。貴公らは竜狩りを!ー

 

そう彼等に伝え、俺は1人スモウへと走る

 

ー似た者同士・・・正々堂々と一対一で戦おうぜー

 

しかしこの処刑人にはそんな騎士道と言ったものは無く、俺を殺そうとその大槌を振りかざす

 

その大槌をローリングで回避してから処刑人の大きな腹を大斧で抉りとる

 

ーほら?余計な脂肪が無くなったぜ?良かったなぁ!ー

 

処刑人は腹を立てたのか、俺の方しか向いていない。これは願ってもない幸運だ。他の2人が竜狩りを倒す事に集中出来る。

 

とっとと倒して彼等に加勢しなければ。

 

スモウの大槌を大盾で受けるが、攻撃の衝撃で大きな距離が開く

 

再びスモウへと走り、攻撃しようとするが大斧の攻撃があの巨体に当たる事は無かった

 

上を見るとスモウの身体が自分の頭上にあるのだ

 

大斧から手を離し、その巨体を受け止める。

 

あまりの重さに足の骨にヒビが入ってしまうが今更そんな事で引いていられない

 

スモウの両足を両脇で挟み、そのまま回転しながら、大王グウィンの像がある方へと投げ飛ばす

 

スモウは壁にのめり込みしばらくの間動きを封じることが出来た

 

エストを飲み干し、足の骨を回復させ、彼等の方を見る。

 

やはり四騎士の長であるオーンスタインにはあの2人もそれなりに手こずっている様子だった

 

鋼鉄斧を腰から抜刀して、オーンスタインに衝撃波を浴びせる

 

突然の援軍に驚いたのか回避が間に合わずにその美しい獅子の鎧が砕け、神族の肉体が剥き出しになる

 

オーンスタインは衝撃波の反動で動けずにいる

 

それを見逃さずに騎士が腰の日本刀を鞘に入れたまま握っている

 

そしてそのまま踏み込み、一閃

 

気付けば四騎士の長であるオーンスタインの身体が上半身と下半身に泣き別れになっていた

 

騎士が刀の血を払い、納刀しようとしている時だった。

スモウの方を見るとあの巨体が消えていた

 

何処か何処かと探している時だった。

 

オーンスタインがいた方のから何かを叩きつける様な大きな音が聞こえた。

 

まさかと思い音のする方を振り向くと案の定予想が的中してしまう。

 

騎士はその攻撃から逃れたもののソラールはその大槌の下敷きにされていた

 

ーすまん…ソラール…ー

 

俺が奴を見失わければ彼を助ける事が出来たかもしれない・・・完全に俺の失敗だ

 

スモウは大槌を再び振り上げ、今度はオーンスタインの死体をすり潰す。

 

何をやってるのかと思っていると突然、スモウの身体から雷が放出される

 

その雷は間違いなくオーンスタインの力だ

 

その行動は俺の怒りを最高点に到達させるには十分過ぎるものだった

 

仲間の死に涙も流さず、寧ろ仲間の死を嬉々として自分の力にする

 

許される事じゃ無いぞ

 

スモウは再び俺を肉片に変えようと大槌を振り下ろす。

 

その大槌は雷の力を纏い、先程とは比べ物にならない程の威力を持っている。

 

それがなんだ

 

竜王の大斧でスモウの大槌を迎え撃つ。

大斧にヒビが入る。しばらく修理もせずにフル活用してきたせいだ。だが今は我慢してくれよ。

 

スモウの大槌にもかなりのヒビが入っている。直に壊れるだろう。

 

そんな時にスモウに騎士のソウルの矢と浮遊するソウルの塊が全弾直撃する

 

流石の処刑人もこれには怯み、大槌にかかっていた力が一瞬弱まる。

 

その一瞬に大斧に全力を込めて、スモウの大槌を粉砕する。

 

勢いに任せていた為に大斧が床に深々とめり込む

 

その隙を処刑人は見逃さなかった

 

雷を纏った拳で先程まで自分がいた場所に俺を吹き飛ばす。

 

殴られた衝撃で鋼鉄の鎧が完全に砕け、肋骨が何本か内蔵に突き刺さる

 

瀕死の俺を殺そうとスモウがゆっくりとこちらに近づいてくる。1歩、また1歩と。俺の心を折ろうとしているのか?

 

しかし甘いな。本当に甘い。

 

俺は"1人"じゃないんだぜ?

 

騎士の日本刀がスモウの足を切り裂く。

スモウはそこに倒れかけるが騎士はそれを許さなかった。

 

まずは浮遊するソウルの塊がスモウの顔に直撃し、その醜い顔が露わになる

その次は手首を切り飛ばす。

 

騎士がこちらを見る。

 

ートドメは貴公に譲ろうー

 

俺もここでボーッとしてるわけにはいかねぇな・・・

 

立ち上がり、まだ肺が動いている事を確かめ、腰から蛇人大剣を取り出す。

 

ー地獄で殺した奴等に謝ってこいよー

 

蛇人大剣を思い切り、露わになった醜い顔に投げつける

 

見事に大剣は顔に突き刺さり、その巨体はソウルへと姿を変えていく

 

ー流石だな。貴公はー

ーありがとなー

 

騎士は役目を終え、既に消えかけの姿になっていた

 

ーありがとな。お前がいなかったら…俺、多分殺られてたわ。ー

ー貴公はこんな所で死ぬ輩じゃ無いだろ?ー

 

本気で言ったのに騎士に笑い飛ばされてしまう

 

ーそれじゃあな、銀髪の騎士様よー

ーあぁ。貴公に炎の導きがあらん事をー

 

それが彼の最後の一言だった。

また彼と会える日が来るだろうか・・・

その日が来るのを待つとしますかね

 

そろそろ肺の動きが不安定になってきたので、回復する為に、人間性を1つ潰す

 

するとあっという間に傷が癒え、肺の動きも正常になってきた。

 

さてと。

 

王の器とやらを貰いに行かなきゃな

 

奥にあった昇降機に乗り、上に上がる。

 

その先には篝火と分厚い扉がある

 

取り敢えず疲れを癒す為に篝火を灯してからそこに座る。

 

篝火の火に当たると今迄の疲れが嘘だったかの様に消える

 

しかしグータラしている暇は無い。

とっとと器を授からなければ

 

先にあった分厚い扉を開く

 

そこには天国があった。

 

暖かい太陽の光。

 

ーよく参りました。試練を超えた不死の英雄よー

 

そして全てを包み込む様な優しい声

 

彼女の前に跪き、話を聞く

 

彼女は大王グウィンの実の娘、太陽の王女グウィネヴィア。

 

グウィンが火継ぎの旅に出てから、ずっと俺を待ってたと。

 

彼女から王の器を授かる

 

ーお願いです。大王グウィンの後継として、世界の火を継いでくださいー

 

またこの話か。

カアスは火を消し、闇の時代をもたらすのが不死の真の使命だと言っていた。

 

しかし他の奴等は口を揃えて[火を継いでくれ]だ。

 

まぁいい。今は王の器だけ貰っとけば十分なんだ

 

女王の話が終わると俺は足早に霧の前の大広間に戻った

 

すると黒い瞳のオーブがまた震え出す

 

さぁ、舞台は整った。

 

随分と待たせちまったなぁ。ロートレク。

 

黒い瞳のオーブを握りしめると不思議な感覚に包まれる。これが霊体になると言う事なのだろうか

 

ー今からそっちに行くからよォ!ー

 

To be continue

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