DARK SOULS ~Revenge of the knight~   作:だ~くぱんぷきん

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第二章[目的 ~purpose~]
第19話[自分の為に~For ourselves~]


俺がグウィンドリン様に仕えてからかなりの月日が経った。

 

未だに俺は本当の目的を見つけられずに暗月の剣としての使命を果たしている

 

しかしながらこのままでも良いかなと思い始めている自分もいた

 

グウィンドリン様に仕えている騎士達の数は少ないがその1人1人が手練であり、親友でもあった

 

ここアノールロンドの最初の篝火の所にいた彼女も暗月の騎士にして数少ない火防女の1人なのだ

 

彼女達と共に戦い、共に笑う。そんな生活に俺は満足していた

 

そんな日々の中、俺の転機は突然訪れた

 

それはいつも通りに、霧の前に跪き、復讐の証をグウィンドリン様に捧げようとしていた時だった

 

ーグウィンドリン様。証を捧げに参りましたー

ーハイネルか?ー

ーはい。何か御用でしょうか?ー

ー貴公はあの時以来、私の期待以上の働きをしてくれているなー

ー恐縮です・・・ー

ーだが貴公は迷っているのでは無いか?ー

 

やはり俺の心などはお見通しと言う訳か。流石はグウィンドリン様だ

 

ー迷っていない・・・と言ったら嘘になりますー

ーやはりか・・・ー

ー私は自分の真の目的を見つける為に暗月の騎士となりました。グウィンドリン様に仕えた事に間違いは無いと思っています。しかしながら自分はこのままで良いのかと、思ってしまうのです・・・ー

ー・・・貴公に真実を話そう。ー

ー真実・・・ですか?ー

ーああ。その霧を通るがいいー

 

その言葉に思わず耳を疑う

あれ程自分の姿を見られるのを嫌がっていたと言うのに

 

ー本当に・・・よろしいのですか?ー

ー2度は言わんー

ー分かりました。ー

 

霧に手を押し当て、霧を潜る

 

その先には暗月に包まれ、通路の先にはグウィンドリン様が座っていた

 

ーこちらへ来いー

 

言われるがままに少し足早にグウィンドリン様の方に向かう

 

ー!!グウィンドリン様!その足は・・・?ー

ー今迄、誰にも見せ無かった私の姿だ。醜いか?ー

 

グウィンドリン様に足は無く、その代わりに無数の蛇が生えていた

 

ーいえ、お美しい姿です。本当に・・・お美しいー

ーそんな事を言われるとは思っても見なかったぞ・・・ー

 

俺の気のせいかもしれないがその時のグウィンドリン様の声は僅かに震えていた

 

ー何を言いますか。グウィンドリン様は醜くなんかない。とても美しいじゃありませんか。ー

ー貴公は・・・全く・・・ー

 

やはり気のせいでは無く、グウィンドリン様の声は震えている

 

ー少し・・・少しだけ・・・ー

ー泣いてもいいじゃ無いでしょうか?泣きたい時は無理しなくていいんです。ー

 

グウィンドリン様は俺を抱き寄せ、暫しの間泣いていた

~~~~~~~~~~~~~~~~~~

ーすまなかったな。みっともない姿を見せてしまって・・・ー

ーい、いえー

 

正直、グウィンドリン様の泣いてる姿は新鮮でこれはこれで良いと思ってしまった。顔が見えないのが残念だ・・・

 

ーそれで・・・真実とは何の事でしょうか?ー

ーこのアノールロンドは私が創り出した幻という事だー

 

ー・・・は?ー

 

ー貴公に王の器を授けたグウィネヴィアも、このアノールロンドを照らしている太陽も、あの巨人衛兵達も。全て、私が創り出した幻なのだー

 

ー全てが・・・偽りという事ですか?ー

ーそうだ。他の神も皆、このアノールロンドを捨て、他の場所に移っていったー

ー・・・ー

ーそして此処には少ない銀騎士達と私だけが残された。ー

 

何も言葉が思い浮かばない

自分達が守ってきた物が偽りであったなんて

たまに暗いアノールロンドに呼び出される事もあったが暗いのはグウィンドリン様の幻が消えた本来のアノールロンドが姿を見せたからだったのか

 

ー貴公の真の目的とやらは私にも分からない。ー

ーはい・・・ー

 

火を継ぐのも。闇の王になるのも。

俺がしたいのはもっと違う事・・・

自分勝手かもしれないが何かをやるなら必ず納得したい

 

ーしかしこのまま暗月の剣の使命を果たしていても、貴公の目的が見つかる事は無いだろうー

ー・・・ー

 

ー選べ。ー

ーはい?ー

 

ーこのまま暗月の剣としての使命を全うするか、それともこの地を離れ、貴公の目的を探す旅に出るか。選べー

ーですが・・・ー

 

ー貴公は十分に働いてくれた。もう自分の為に動いても良いのだ。それにこれで貴公の当分の[道標]は出来るだろう?ー

ー・・・グウィンドリン様・・・ー

ー私が貴公にしてやれるのはこれ位しか無いからな。後は貴公次第だ。ー

 

 

ーこの御恩。いつか必ずお返しします。ー

それが俺なりの[旅に出る]と言う答えだった

 

ー分かった。貴公の選択。しかと聞き届けたぞ。これを受け取れー

ー・・・これは?ー

 

グウィンドリン様から授かった物は変わったタリスマンととある奇跡だった

 

ー暗月の剣の中でも選ばれた者だけが持つ秘宝だ。魔法の類が使えない貴公でもそのタリスマンがあればどんな奇跡も使える。ー

 

ーこの奇跡は・・・?ー

ー[太陽の光の剣]、そして[暗月の光の剣]。必ず貴公の役に立つはずだ。ー

 

ーありがとうございます、グウィンドリン様。ー

ーもう[様]は止めろ・・・さぁ、早く行け。"不死の勇者"よ。貴公が求める世界を探しにー

 

ーグウィンドリン様。最後に一つだけー

ー何だ?ー

ーその素顔を見せていただけませんか?ー

 

その質問に答えが帰ってくることは無く、知らぬ内に霧の外の篝火に飛ばされていた

 

ー怒らせてしまっただろうか・・・ー

 

しかしグウィンドリン様に言われた以上、俺は俺の為に生きる。その為の"道標"を授かったのだから

 

篝火で受け取った二つの奇跡を覚える。

本当に魔法の類は苦手なのだがこの二つの奇跡は驚く程頭の中にスラスラと入ってくる

 

覚えた所で授かったタリスマンを手に取る

 

まるで暗い月に照らされた様な色をしているので、俺はこれを[暗月のタリスマン]と呼ぶ事にした

 

あの日以来、ずっと封印していた[深紅の鋼鉄斧]を底の無い木箱から取り出す

 

俺の復讐を誓った直剣が鋼鉄の番人のソウルによって変化したその斧の深紅色は今や消え失せ、傍から見ればただの斧にしか見えなくなっていた。

 

これは俺の復讐が終わった証と言った所だろうか。

 

背中には竜王の大斧と巨人の大盾。

その手には鋼鉄の斧と蛇人の大剣

腰には暗月のタリスマンと俺用に調節したコンポジットボウ

頭の中には[太陽の光の剣]と[暗月の光の剣]が焼き付く様に記憶されている

 

防具はあの日以来、ずっと一般の騎士の鎧を着ていたので、兜以外をあのバーニス騎士と同じ物にし、兜のフェイスガードを下げる

 

準備は整った

 

再び危険な冒険が始まろうとしていた

 

この地から離れ、己の目的を見つける為に

 

暗月の騎士の皆にお別れを言って、センの古城から此処に連れてきたデーモンに話しかけ、古城へ戻り、かつてジークマイヤーが使ったであろうショートカットを使い、城の入口まで行き、鍛冶屋アンドレイの所にある篝火で1度休む

 

俺も最初にここまで来るのにどれだけ苦労したっけな・・・

 

そんな事を考えながら、不死教区から火継ぎの祭祀場に向かう

 

消えてしまった篝火に着くと、その近くにある、火防女の墓を掘り起こす

 

その死体は何故か変わらず美しいままだった

 

ロートレクから奪った火防女の魂を彼女に捧げる

 

すると彼女は殺されたと言うのが嘘の様に生き返った

 

ー火、火防女!ー

ー貴方が・・・私を・・・?ー

 

彼女の質問に俺は頭を大きく縦に振る

 

ーありがとうございます・・・そして・・・穢れた声をお聞かせした事をお許し下さい・・・ー

 

彼女は俯いて、それ以上は喋らなかった

 

彼女の過去に何があったかは知らないが、これ以上、話しかけるのは止めておいた方が良いだろう。

 

彼女に一言謝り、再び灯った篝火に当たりながらこれからの事を考える

 

俺は考えている内に篝火の暖かさに負け、寝ていたという

 

~~~~~~~~~~~~~~~~

 

ー私が・・・美しい・・・かー

 

誰もいなくなった暗月の霊廟で私は彼の事を考えていた

 

[グウィンドリン様は醜くなんかない。とても美しいじゃありませんか。]

 

その言葉が頭の中でずっと響いている

 

美しいなんてこの先ずっと言われる事は無いと思っていた

 

それなのに彼はいとも簡単にその言葉を発した

 

ーグウィンドリン様。証を捧げに参りましたー

 

挙句の果てに彼は[素顔を見たい]等と言い出した!

 

ーグウィンドリン様?ー

 

全く![脳筋]と言うのは恥を知らんのか!

 

しかし・・・

 

今度会ったら見せても・・・

 

ーええいやめだやめだ!ー

 

ーグウィンドリン様!?どうかされましたか!?ー

 

ーああすまない。少し取り乱していた。それで?何用だ?ー

 

ー・・・いえ、少しお休みになって下さい。ー

 

 

暗月の騎士達がグウィンドリンに話しかけても聞いてない事が多々あったのはまた後の話。

 

To be continue

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