DARK SOULS ~Revenge of the knight~ 作:だ~くぱんぷきん
装備の修繕を終え、再びソラールの方を見る。
彼はやはり何かに取り憑かれたかの様に細々と何かを呟いている
やはり何度話しかけても、肩を叩いても反応はない
何もしても通じない以上、どうしようもない。仕方無く篝火から見えていたサインの方へ寄る
姫守の騎士 エイブラム
それが彼の名らしい。
サインに触れ、その騎士をこちらの世界へと招待する。
―貴公が・・・エイブラムか―
―その通りでございます。私がエイブラム。姫守の騎士、エイブラム。―
その騎士はアストラの上級騎士の鎧をその身に纏い、右手には最大まで強化された呪術の火、左手には竜の紋章が描かれた盾を、背中には普通の炎とは一線を画した炎を宿したバスタードソードを持っている。
何よりも気になったのは彼のその姿。
フェイスガードを上げた兜の中に見えたその顔はどう見ても10代の後半辺りの青年の顔だった。
―私は村の病をその一身に背負った姫様をお守りすべく混沌の従者となったの者です。―
―君の様な若者が・・・?―
―無駄話は不要です。さぁ、行きましょう。―
彼の目は何処か虚ろで、悲しげな目をしていた
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百足のデーモンから手に入れた黒い指輪の力を使い、溶岩に塗れた地帯を、巨大な化け物にバレない様に抜けていく。
彼曰く、奴等と戦うのは無駄でしかないらしい。
一体一体の力が強い上、この数。戦うだけ死にに死にに行くようなものか。
動き出した石像を壊し、彼がとある壁に触れるとその壁が消え、篝火がその姿を見せる
―もし私が殺られてしまった場合はここにサインを出しますのでそのつもりで、1人で行こうとは考えないでください。―
―分かった。君の言う通りにしよう。エイブラム―
―それなら良いです―
彼はぶっきらぼうにそう言ってすぐに先へと進んで行く
何故だか彼を見ていると以前の自分を思い出す。
ただ復讐の為だけに生きていた頃を
彼の背中を見続け、とうとう混沌の魔女の地へと足を踏み込む
体内にある公王のソウルが途端に疼き出す。確か王達のソウルは既にグウィンの下にあるはずなのに。ソウルにも残り香の様な物があるという事か。
彼は俺の事など気にもせずに淡々と進んで行く。
俺も公王のソウルを抑え込み、彼の背後を追いかけていく
彼の指示に従いながら先へと進んで行く。
黒い衣服を纏った呪術師が現れ、武器を構え、臨戦態勢に入る。ふと彼の方を見ると何か信じられない物を見た様な表情をしている
―グラナ様・・・!―
―グラナ・・・?―
グラナと言う名の魔女は手にした呪術の火を構え、一つの火の玉をこちらへ投擲する
エイブラムはまるで魂が何処かに行ったかの様に火の玉が近づいているにも関わらず避ける動作をする様子は無い
―何をしているエイブラム!―
巨人の大盾を構えながら彼の前に入り、火の玉から彼の身を守る
しかしその火の玉はただの呪術ではなく、通常の呪術より遥かに強力な物だった。
その火の玉は盾に着弾すると溶岩へと変わりどんどん盾を溶かしていく。
その熱気は凄まじく盾越しにも関わらず俺自身もかなりの痛手を貰ってしまった
盾を魔女に投げつけ隙を作り、エイブラムを担いで少し前にあった建物の様な場所に入り込む
―貴様!グラナ様に何をする!―
―ならばここで死にたかったか?お前の言うグラナ様とやらは正気の様子では無かったようだが。例え面識があったとしてもただ焼き殺されるだけだぞ―
―あのお方は姫様の姉上だ。あのお方に殺されるなら私も本望だ。―
―貴様は何をしにここまで来たんだ?―
―は?―
―貴様がここまで戦って来た理由を聞いている。―
―姫様の為・・・姫様をもう泣かせない為―
―ならばそれに従って戦え。グラナとやらは、もう亡者だ。死者なんだ。そんな物生きてても姫様とやらは喜ばないだろう?―
―・・・・―
―もういい。ならば俺が戦おう―
魔女はゆっくりとこちらへ歩みを進めている。このままだとあの炎で消し炭になってしまう。
古竜の大剣を両手で持ち、黒い魔女に走り込む
―姫様・・・私は・・・―
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―女だからって甘く見てたな・・・―
いくら呪術が強力でも繰り出す前に斬れば大丈夫かと思ったが流石の身のこなしだ。まるで斬撃が当たらない
衝撃波を放とうとすれば先程の火の玉で、かと言って近づけば大発火で焼かれてしまう
早急に片付けなければ・・・しかしどうすれば
こういう物を粗末にする事はしたくないがこの際しょうがない
再びグラナへと斬り込む
その斬撃はいとも簡単に避けられ、グラナは呪術の火を構える
地面にめり込んだ大剣を手放し、ポーチの中から修理の光粉を取り出し、それをグラナの眼前に投げつける
背中から竜王の大斧を取り出し、視界が消えた魔女を叩き潰す。
その死体は見る影も無く、すぐさまその姿はソウルへと変化し、宙へと舞っていく
―貴公・・・―
―エイブラムか・・・―
―グラナ様を・・・―
―そう、殺した。俺が憎いか?―
―死者は死なない。貴公はグラナ様をこの世から開放してくれたんだろう。―
―エイブラム・・・―
すると突然とてつもない殺気が背後から漂い始める
―エイブラム!貴様姫様を裏切る気か!―
棘の鎧をその身に纏った騎士
皆殺しのカーク
―カーク。貴公は何も分かっていない―
エイブラムが突然口を開く。
―私は姫様を泣かせない為に・・・恩返しをする為に生きてきた。―
―エイブラム!それは私も分かっている。何故その騎士に従いているのかと聞いている!―
―姫様の・・・いや、混沌の苗床を倒す為だ―
―何故姫様の母上を殺す必要がある。それを知った姫様がどれだけ悲しむか解っているのか?―
―ならばお前は自分の母親が・・・家族があんな姿になってまで生きてて欲しいか?―
―自分の感性を人に押し付けるな!―
―エイブラム。いけるのか?―
―もう覚悟は決まりました。カークを倒し、姫様を[救う]クラーナ様の為にも・・・―
―俺はもう手を出さん。誇り高き騎士の決闘に他人の介入は野暮だ。―
竜王の大斧を地面にめり込ませ、エイブラムとカークから離れる。
―我が名はエイブラム・ウォーカス。姫守の騎士エイブラム!―
―我が名はカーク。混沌の従者カーク!―
―姫様の為!貴公を倒し!―
―[混沌の苗床を打ち倒す!][イザリス様を殺させはしない!]―
エイブラムは背中のバスタードソードを取り出し、カークは棘の直剣を構える
剣がぶつかり合うその音が2人の戦いの始まりを示していた