DARK SOULS ~Revenge of the knight~   作:だ~くぱんぷきん

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第32話[選択 ~choice~]

ー親父・・・いるんだろ?ー

 

混沌の廃都の探索を終え、俺は灰の湖へと来ていた

ロートレクの話の中にいた[世界を霧の恐怖から救った男]とやらが本当に父なのか。それともロートレクの勘違いではないか。それをハッキリさせに来たのだ。

 

まぁ、勘違いだとしたらロートレクを地獄の果てまで行ってでも、後で100回は殺してやるが。

 

そして待望の人物と相見える

 

ー・・・無頼か。何をしに来たー

父、アーロンだ。

誇り高く、誰からも慕われ、人を脅かす悪は斬る。

弟子に成りたがっていた奴もいたが、父が認めたのはただ1人のみ。

その男は既に父から認められ、父の名、アーロンを引き継ぎ、この世界を旅しているらしい。

 

そんな事はどうでもいいのだ。己がハッキリさせたい事はただ一つのみ。

 

ー1つハッキリさせたい事がある。俺はある男からアンタの事を聞いた。確か「霧の恐怖からこの世を救った」だったかー

 

ー・・・!!ー

 

僅かに父が手を震わせる。

小さい頃に学んだ事だ。父は動揺した時に手を少し震わせるのだ。

動揺したと言う事はその事について何かしら知っている。という訳だ。

 

ーどういう事だ。ー

 

ー言葉の通りだ・・・私は嘗てボーレタリアと言う国に行ったことがある。それもかなり昔の事だがなー

 

俺が聞きたいのはそんな事ではないのだ。

父が一体、何者なのか・・・息子の俺すら知らないのだ。それに[霧の恐怖]というのも気になる

霧自体はこのロードランにも存在はするが、[恐怖]という程の物ではない

 

ーそんな事は知らない。霧の恐怖ってのは何なんだ。ボーレタリアってのは何なんだ。アンタは一体何者なんだ。答えてくれ。死んじまったお袋の為にも。ー

 

ー・・・お前に昔話をしてやるー

 

ー・・・ー

 

ー世界の始まりはもう何千、何億、何兆と前だー

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

世界が生まれた時、そこには色の無い灰と、石の鱗を纏った竜だけがいた。

 

光も、闇も、人も、生も、死も、その世界には何も無かった。しかしそこに突然、小さな火が生まれた。そうして光が生まれた。それと同時に闇も生まれた

 

その時、どこにいたのか竜とは異なる生物が火の暖を取りに集まってきた。

 

その中にいた、何人かがその火の中から「王のソウル」を見出した

 

その見出した者は、大王グウィン、その叔父ロイド、最初の死者ニト、渾沌の魔女イザリスとその娘達。

 

そしてその影にいた名もない小さな小人も。

 

王のソウルの力を得たグウィン達は古竜の裏切り者、白竜シースと協力して、古竜を打ち倒した

 

そしてグウィンはアノールロンドを、イザリスは後の混沌の廃都を築いた。その中、影にいた小人も幾つかの国を築いた。東の国もその一つだ。

 

そしてボーレタリアも・・・

 

しかし「王のソウル」を失った火は次第に小さく、弱々しい物になっていった。

 

その際、ボーレタリアは火が弱くなった影響をマトモに受けて、とある[獣]が産まれ色の無い灰に包まれた

 

その中でデーモンが生まれ、幾人もの戦士達がそこに入っては2度と帰ってくる事は無かった

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

ー私はソウルの業に手を出したばかりに・・・ー

 

『私は、ずっと、この楔の中にいます。あのまどろみの終わりから、再びまどろみの時まで』

 

今、父の中で何の葛藤があったのかは分からないが今までに無いほど父の身体が震えている。

只事では無いと一目で分かるほどに。

 

ーどうした親父ー

 

ーッ!!・・・いや何でもない。そうだ、お前に1つ教えてやる。王のソウルをグウィンに捧げ、恐怖から逃げ帰った男。それは私だー

 

その言葉はあまりに衝撃的だった

グウィンに恐れをなした?

馬鹿な。父は何かに恐れを抱くような人間ではない

それも王のソウルを捧げた上で逃げ帰っただと?

 

ならばそのせいで「彼女」は命を落としたという事か・・・

 

いや、それ以前に何故父が捧げたはずの[王のソウル]を俺が1つ所持しているのだ?

フラムトは確か「4つの王のソウルを揃えなければ王への道は開かない」と言っていたはずだ。

 

 

ー・・・何を言ってやがる・・・!?ー

 

ー私に、またあんな『選択』は出来ない・・・!ー

 

『ありがとうございました。貴方のおかげで・・・』

 

『待ってくれ!頼むよ!待ってくれよ!俺は!』

 

ー・・・私には火を継ぐ資格も、闇に堕とす度胸も無い。だから、せめて・・・ー

 

 

別の方向から以前戦った湖獣の鳴き声がするが今はどうでもいい

 

父親のこんなに情けない姿は見た事が無い

俺の知っている父親はもっと勇ましく、誇り高い人間だったはずだ

 

いや、これが本当の父なのかもしれない。

縋る物も無く、誰にも自分の弱さを見せないように努力してきたのかもしれない

 

ー・・・なんだよ。ー

 

ーこれを・・・お前にー

 

そう言って渡されたのは父が持っていた、2対の刀。

 

1つは人を斬りすぎたあまりにその血が猛毒となった刀[人斬り]

 

もう一方はアーロン・・・父自身が打った丈長い刀。名付けて[アーロンの妖刀]

 

ーそれをお前に預けるー

 

その言葉に思わず驚く

 

幼い頃、父に教えられた言葉がある「己の武器を他人に預けるのは己の魂をその人間に預けるのと同じ。言ってしまえば、その人間に己の全てを委ねるのと同じなのだ。」と。

 

父は俺に全てを委ねようとしているのか。

息子である俺に。

 

ー質問の答えだが・・・私は世界を救ってもいないし、霧の恐怖とやらも振り払ってはいない。ー

 

その言葉に怒りの様な、悲しみの様な複雑な感情が産まれる

 

これでロートレクを地獄の果てまで殺し続ける事になった訳だ。

先が思いやられるな

 

ーさぁ。気は済んだか?無頼。ー

 

ーあぁ、分かったよ・・・もういいさねー

 

篝火に向かって歩き出した途端、父に呼び止められる

 

既にこちらの用件は済んだのだが。

 

ーすまないが・・・まだやってもらいたい仕事がある。ー

 

次の瞬間に俺は人生で2度と聴きたくない言葉を聞くことになる。

 

ー私を・・・彼女の近くに・・・天国に導いてくれ。無頼ー

 

ー・・・は・・・?ー

 

To be continue

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