DARK SOULS ~Revenge of the knight~   作:だ~くぱんぷきん

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第50話[大いなる裏切り者 ~Great betrayal~]

「暗月の神…グウィンドリン…ハイネルさん…貴方が仕えていた神が全ての元凶です」

 

その言葉はあまりにも無慈悲に放たれた

 

「今…なんて言った!?」

 

「貴方が仕えていた神、グウィンドリンは、自らを虐げた父、グウィンへの復讐のためにこの世界の最初の火…太陽を月で隠したのです」

 

今まで信じていた、自分を救ってくれた神が、こんな世界にしたと言うのか?

 

 

「ふざけるのも大概にしろ!一体何が言いたい!?」

 

怒りのあまり、背もたれにしていた本棚を殴り飛ばす

 

「これ以上グウィンドリン様を侮辱するならばいくら君とて容赦しないぞ!!」

 

そう怒鳴り立てても、彼女はその口を一切閉じようとはしない

 

「この世界では太陽と最初の火は同じ物!最初の火が人々に届かなくなれば不死の呪いが発生します!」

 

「その口を開くなァ!」

 

思わず古竜の大剣を手に持つ

 

が、振るう事は叶わない

 

喉元に当たる冷たい感覚

 

彼女がどこから取り出したのか、大振りの大剣を俺の喉元に突きつけていた

 

「こうなる事はなんとなく分かってはいました」

 

冷ややかな目をこちらに向けながら淡々と喋る

 

その目はもはや先程までの彼女の物ではなく、あまりの覇気に背筋が凍りつく

 

「ッ!?」

 

「その剣を収めてください。今、私が言わなくとも貴方はいずれ知らなければなりません。暗月の神の大いなる裏切りを」

 

「……クソッ!!」

 

感情の赴くままに、古竜の大剣を壁の方へとぶん投げる

 

「…ありがとうございます」

 

彼女はそう言い、すぐさま俺の首に突きつけていた大剣を下ろす

 

「結論から言います。今の始まりの火は消えかかっているなんてものではなく、既に消えていると言っても過言ではありません。残っているのは、薪であるグウィンの中で燻る、小さな火種だけ」

 

再び地面に腰を下ろして、彼女に投げやりに問う

 

「それとグウィンドリン様になんの関係がある」

 

「グウィンドリンはグウィンが命懸けで守ろうとしていた最初の火が消えかかっている事を他の者に悟られないように幻の太陽を作り出したました」

 

「…幻の太陽…!?」

 

ー貴公に王の器を授けたグウィネヴィアも、このアノールロンドを照らしている太陽も、あの巨人衛兵達も。全て、私が創り出した幻なのだー

 

幻の太陽と言うのには心当たりがあった。

 

「いや…でもあれは…アノールロンドだけの話だったはずだ!!何より…俺を救ってくれたグウィンドリン様がそんな事をするはずが!」

 

「ハイネルさん。グウィンドリンは蛇です。言ってみればアノールロンドは小規模な実験場でしか無かったんですよ。自身の復讐のためならば人など平気で騙します。現にあなたの父は奴の良いように使われていました」

 

「…なんだと…!?」

 

「不死人が火継ぎする際、王の器に王達のソウルの捧げ火を灯す過程がありますが、そこにはグウィンドリンの思惑が隠れていました」

 

「………」

 

「王のソウルとは火にまつわる大いなるソウル。四人の王のソウルの火を使い、とあるものを作りました。月とソウルの火を使い偽物の太陽を作ったんです。それは今まで奴が生み出した幻の太陽などではなく、真の太陽に最も近しい偽物の太陽」

 

そう言う彼女の言葉はあまりにも突拍子も無く、信じるにも値しない、許されざる言葉だ

 

だが…言葉では信じられなくとも、彼女の声色や苦痛を耐えている様な表情はそんな言葉をも信じさせる何かがあった

 

「一体…何故…」

 

「グウィンドリンは…虐げられていたが故に、太陽に憧れました。だから奴は自らが司る暗月を太陽へと作り替えたのです。その偽物の太陽は四人の王のソウルによって作られたもの。その偽物の太陽は始まりの火にも近しい物ではありましたが所詮は月。本物の太陽を、最初の火は消えかけ、不死の呪いが広がりながらも、最初の火に近しい偽物の太陽が生まれた事により、不死があまりにも不完全な存在となってしまったのです」

 

そうまで言われてしまえばもう俺には反論の余地は無い

理解はできるが、認められない

 

「それでも…あの方は…」

 

「…この世界の輪廻も同じです。いくら人が薪となって最初の火が元に戻ろうとしても、ほぼ同じ存在の偽物の太陽がある限り、最初の火はそれを認めず、世界を最初からやり直そうとします。しかしグウィンドリンは同じ行動を繰り返す。この世界は永遠に回り続け、終わるはずは無い。そのはずでした。ですが…」

 

「俺に…グウィンドリン様を…殺せと…?」

 

分かりきっている。なのにそう聞いてしまう。

 

「貴方がやらなければ。貴方は一生後悔します」

 

「一生…後悔…か…」

 

『貴公…』

 

珍しく心配の念が含まれているであろう声

 

正直な所、未だに納得は出来ていない

 

だが、嘘だと断定できないのならば、本人に確認するしか無い

 

もし、そこに最悪の答えが待っていたとしても

 

「覚悟は…決まりましたか…?」

 

「……正直、全く持って腹を括れる気がしないし、君の話に納得は出来ていない…だが………このまま目を背けてはいけないのだと思う…」

 

「…分かりました…!!」

 

そう言って彼女は立ち上がり、先程まで持っていた大槍を持つ

 

「そうと決まれば、とっととここの奥にいるシースの残滓を倒して、グウィンドリンの元に向かわなければ行けませんね」

 

「…あぁ…時間が惜しい、とっとと行こう」

 

そう言って俺も兜を被り、壁に突き刺さっていた古竜の大剣を引き抜く

 

煮え切らない感情を胸に抱えて

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