DARK SOULS ~Revenge of the knight~   作:だ~くぱんぷきん

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第51話[鱗無き落ち零れ ~Scaleless spills~]

彼女の話を聞き終えた後に、俺達はシースの残滓を倒す為に書庫の奥へと向かっていた

 

「本来ならば、シースを不死にしていた原始結晶というものを破壊しなければ殺しきれませんでしたが、今の奴は残滓。原始結晶は既に破壊され、残るは不死の力を失った鱗を纏わぬ竜だけです」

 

「ふむ、なら話は早いな。ただ奴を屠れば良いだけなのだろう?」

 

「言ってみればそういう事になりますね。しかし、腐っても王のソウルを内包してた竜です。油断はしないでください。奴の吐くブレスは結晶を産み、その結晶は人間性に蓄積し、その果てに呪いを引き起こします。」

 

「それはそれは…どうしたら良いものか」

 

半ば投げやりにそう言いながら昇降機に乗り、そのブレスへの対抗策を考える

 

呪いと言えば最下層に居たあの気味の悪いカエルと付近にあった無残な石の塊を思い出す

 

それと同じ効果のある竜のブレスなると正直、あまりまともに相手はしたくない

 

「まぁ…ここで終わる程度の力ならば、そもそもここまで来れていませんでしょうしね…適度に期待しています」

 

「……なぁ、ちょっと気になったんだが、君の雰囲気、最初とあまりに違くないか?」

 

出会った時はもっと明るく、あまりの元気にこちらが押されていた

 

だが今の彼女はどちらかと言うとかなり大人びていて、少々憂いを帯びて、少女というよりは女性という表現の方が正しい気がする

 

「フフ…先程までの私は、私ではなく、私のポーンに体を任せていただけです。こっちの私が本体です」

 

「?、さっき君はポーンとやらの事を大切な仲間だと言っていたが、それが何故君の中に…?」

 

「もとより、覚者とポーンとはとても似た存在なのです。それが今回の転生の際に完全に同一の存在になった。ただそれだけの話です」

 

「…ハッ、さっぱり分からないな」

 

「せっかく説明したのに…」

 

鼻で笑って自分の説明を一蹴された事がどうやら不満らしい

 

「まぁ聞いた所で何をしようって訳でもないしな。ちょっと興味があっただけさ。すまなかったな」

 

「いえ…構いませんよ。さぁ、もうそろそろシースの元ですよ」

 

そう言われるままに俺は彼女のあとについて結晶に包まれた階段を淡々と上る

 

「因みにですが、私は一切加勢しません。後ろで貴方を見守るだけですので、そのつもりで」

 

霧の壁の前に着くと彼女そう言い、俺に前を譲る

 

「当たり前だ。流石に元神様の力を借りたとなれば、奴が認めてくれないだろうしな」

 

『分かっているなら良い。不死人達と協力するのは構わないが、この女は例外だ。力試しの為の試練なのに意味がなくなる』

 

「まぁ…そうだわな」

 

「それで?勝算はあるんですか?貴方の戦い方とシースの攻撃は少々、相性が悪いような気もしますが」

 

「勝算か…あると言えば…ある」

 

「そうですか。それならば…屠ってきてください、鱗無き出来損ないの竜を」

 

その彼女の激励を受けて、俺は霧の壁をくぐり抜ける

 

広がるのは部屋一面の結晶、そして、その中心には結晶に守られるように鎮座している白き竜

 

「…悪いが大事な用があるんでな…」

 

古竜の大剣を握りしめ、口にタリスマンを咥え、古竜の大剣に暗き月の魔力を纏わせる

 

「とっととケリをつけさせてもらうぞ!!」

 

床を思い切り蹴飛ばし、戦いの狼煙は上がる

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

「…始まりましたか」

 

『ああ。』

 

元神を名乗るその女は平然と姿も見えない相手に話しかける

 

「彼もいないし、少々、話をしましょうか。」

 

『…貴公と話す事など無いはずだが』

 

「そんなに釣れない事を言わないでくださいよ。"太陽の長子様"。」

 

『…やはり気づくか。異世界の神よ』

 

太陽の長子

 

彼はかつて竜狩りの戦神でありながらその生涯を嵐の竜と共にした男。しかし彼はその愚かさにより、記録どころか、その名前と共に神を追われた

 

「貴方、さっきはこの輪廻のことを認識していなかったと言いましたね」

 

『…』

 

「嘘ですね。貴方は確実にこの世界の輪廻の事を知っていた」

 

『…そこまで把握しているのか』

 

「えぇ、貴方はこの世界の者でありますが、もっと、もっと先の未来の人、今のこの世界とは一切繋がりの無い"輪廻の外"から来たのでしょう」

 

『その通りだ。私は遥か先の未来…世界の終焉で、名も無き灰に討たれ、そして没した…が、そこから先は貴公と一緒だ』

 

「転生…ですか」

 

『ああ。私は、この世界…過去の世界に来て、またと無い奇跡だと確信した。」

 

「グウィンへの復讐ですね」

 

『だが…転生とは前世の力をそのまま生まれ変わるもの。先の時代で討たれた私の力はもはや、灰になりかけているグウィンにすら及ばなかった。今、この世に留まり続けようとするだけでも精一杯なのだ』

 

「だからハイネルさんに目をつけたんですか?」

 

『…アイツは…あの男はこの世界の輪廻の中で、どれだけ復讐に囚われても、グウィンドリンの事だけはずっと気にかけていた。だからやつに任せようと思えた。だが…まさかそのグウィンドリンがこの世界をおかしくした張本人だったとはな…正直、貴公に聞くまでは気づかなかった』

 

「私から言わせてもらえば、グウィンドリンや貴方がグウィンに対して憎しみを持つのは当然だろうと思いますけどね。グウィンドリンは貴方の事をとても慕っていた様でしたし。」

 

『ああ、だからこそ、グウィンドリンの行いは止めねばならない…絶対に世界を元の形に正さねばならない』

 

長子のその声には何か悲壮な決意を感じさせるものがあった

 

「何が貴方をそこまで…? 先の時代の貴方にこの世界の事は知らぬ存ぜぬで問題ないはずです。」

 

『無論、グウィンドリンを心配してるからこそ、兄として弟の愚行は止めなければならないという使命感の様なものもある…が、"親として、娘を救いたい"と言うのもある』

 

「娘と言うと…」

 

『ハイネルが復讐に落ちた理由…"彼女"が…グウィステスが蘇るのかもしれないなら…試す価値はある』

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

この世とは理不尽なものである

 

自分が敬愛し、仕えていた神をとるか

 

はたまた、自分を大きく変えてくれた1人の人間をとるか

 

選択の時は、刻一刻と近づく

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