DARK SOULS ~Revenge of the knight~   作:だ~くぱんぷきん

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第五章[変化 ~change~]
第55話 [新たな旅路 ~new journey〜]


「…遅いな」

 

グウィンドリン様との戦いの後、祭祀場に足を運びグウィンドリン様の魂を弔い、[彼女]が目覚めるのを待っていた

 

しかし一向に[彼女]に再び相見える機会が来ない

 

「話が違うんじゃないか長子様よ?」

 

『いやそんなはずは無い、グウィンドリンが居なくなった今、不死を阻む事象は存在しない。間違いなくグウィステスは目覚めるはずだ』

 

「…グウィステスねぇ…」

 

元はと言えば、[彼女]の名前はグウィンを倒したら教えてくれる。とかいう話だったのが書庫で出会った元神様(転生者)と長子様の話の流れで偶然聞いてしまったわけでどうにも不完全燃焼だ

 

「いい名前なんだがな…」

 

『…私が名付けたのだからな…』

 

少し誇らしげなのが鬱陶しい

これで追放されたとはいえ戦神だったの言うのだから随分と娘の事が好きなんだろう。めでたいことではある

 

「…このままじゃ埒が明かないな。長子様よ、巡礼も残すは2人な訳だが、どこに行きゃいいんだ?これからの旅路を決めたい」

 

『残るは[最初の死者ニト]と[深淵の主マヌス]だがニトの居場所は把握出来ている。ただマヌスに関しては少々手間がかかる』

 

「手間ねぇ?具体的に言うと?」

 

『マヌスは既に深淵に呑まれた古都ウーラシールにいる。』

 

既に深淵に呑まれてる。と来た

書庫で聞いた話だと、俺のソウルは深淵にいた公王のソウルのおかげである程度の耐性はあるのだろうが

 

『無理だな。現在の時間軸では』

 

「何を言ってる?長子様が巡礼だのなんだの言い出したのにそれじゃ…」

 

そう口に出しかけた時、書庫での会話が脳を過ぎる

 

【この世界は"歪むんです"。時間だろうと、場所だろうと、何もかもが】

 

「…過去のウーラシール…」

 

「大正解!!」

 

その溌剌とした声で誰なのかはすぐに理解出来た

 

「元神様…なんでここに…」

 

「なんでって…貴方の事が気になって着いてきただけですよ?それに人は多ければ多いほど楽しいでしょう?」

 

「んなお気楽な…」

 

彼女の屈託の無い笑顔にはどうも毒気が抜かれてしまう

確かに、気を張りつめて考えてるよりは神様2人の知識をお借りした方が余程効率的だろう

 

「…まぁいいか、それで元神様はウーラシールのこ…」

 

「リィン、リィンと呼んでください」

 

「リィンって…なんでまた急に」

 

「元神様は呼びづらいでしょう?それに…少しなんというか…むず痒いです。今の私は知識だけあるただの人間ですので」

 

まぁ確かに呼びづらさはある、それにむず痒いとは言っているが…

 

【100年、1000年…いやそれこそ数えきれない時間、私は世界を見守り続けました。終わること無く巡り続ける無数の世界を】

 

そんな途方もない時間を神として過ごしたというのだ。あまり思い出したくない、嫌な思い出なのだろう

 

「リィン、話の続きだが、ウーラシールの事をどこまで知ってる?過去に行かなきゃって話らしいが…確実に行く手段なんて存在するのか?」

 

言われた通りの呼び方をすると、元気に満ち溢れていた顔にさらに生気が宿る。よほど嬉しかったのだろう、可愛いものだ

 

「存在しますとも!!過去との繋がりを強めれば強めるほど、その時間軸に行くのも容易くなります。ハイネルさん、書庫で手に入れた壊れたペンダント、まだ持っていますか?」

 

恐らくリィンと協力して倒した結晶の化け物の内から出てきた割れたペンダントの事なのだろう

 

「これが何に使えると?」

 

「そのペンダントは過去の遺物、過去に居た"とある人間"が渇望してやまない物なんです。」

 

「とある人間…」

 

「ハイネルさん、深淵って何か分かりますか?」

 

改めて聞かれると全くもって理解に苦しむ

俺の困惑を読み取ったのか、長子が説明を始める

 

『深淵とは貴公ら人間に宿る人間性が極限まで圧縮されたものだ。それにただの人間が呑まれれば、待っているのは異形となり、その果てに自己意識を失い彷徨い続ける哀れな末路だ。』

 

ここまで聞いても、今ひとつ納得のいく結論に辿り着くことが出来ない。ホントに脳みそまで筋肉になってしまったのか

 

「そしてその成れ果ては過去の思い出に縋るんです、少しでも人間でいようとする本能なのか」

 

「…じゃあこのペンダントは…?」

 

「深淵の主マヌスの…人間でいる為の寄る辺です」

 

「これが…」

 

その刹那だった

 

割れたペンダントを天に掲げながら眺めていた時

 

宙に異形の巨大な手が浮かび上がった

 

「は!?」

 

「なっ!何故ここで…!?」

 

リィンの表情から察するにこの事態がリィンにとっても想定外なのは俺でもよくわかる

 

この異形の手が恐らくマヌスその人のものであることを理解するにはあまりにも用意だった

 

理解は出来ても、身体を動かすには時間が足りなすぎた

 

異形の手に捕まれ体が宙に浮く

 

「クソッ…!!動けない…!!?」

 

「…ハイネルさん!!想定外の事態ですが!!その腕に掴まれていけばウーラシールの存在する時間軸に飛べるはずです!!」

 

「は!?」

 

何を悠長な事を言っている

こんな状態で過去に飛ぶだと?こんな手段だとは流石に聞いていない

 

だが…リィンの情報に加え、俺の力でもこの腕を振り払えないとなるとこれ以上考えるのも野暮というものなのだろう

 

「リィンッ!!!」

 

腕に掴まれ、時空の歪みとも言える穴に入る寸前

喉が裂けるほどに声を発する

 

「お前の言葉を信じるが!死んだら…祟ってやるからな!!!」

 

そう啖呵を切り、俺の視界は闇の中へと沈んで行った

 

 

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