DARK SOULS ~Revenge of the knight~ 作:だ~くぱんぷきん
目を覚ますと見知らぬ天井がまず目に入った
見たところ木や草で出来た洞窟のような物なのだろう。あちらこちらに根を張っている
「なんだ…ここは…」
兎にも角にも動かねば始まらない。無い頭を回した所で時間の無駄という物だ
この調子だと恐らくこの時間軸に飛ばされたのは俺だけなのだろう
リィンの姿が見えなければ長子の声も聞こえない
どこか他の場所に飛ばされてる可能性もあるのだろうが
今はこの目に映る情報を信じよう
歩みを進めると外に通じてるであろう一筋の光を見つける
「…」
外に出られると思ったのも束の間、光を辿り向かった先には一体の大きな獣が立ち塞がる
翼が生え、尾は蠍、そして恐らく雷関係の力ももちあわせているのだろう。獣が歩く度に水面に電気が走っている
「これはなかなか…酷いじゃないか、マヌスとやら…」
こちらに連れてこられ、最初に相対する生物がこれとは…ついていない
そうは言っても仕方ないと、古竜の大剣と巨人の盾を手に獣へと歩みを進める
あちらもこちらを認識したのだろう、威嚇をしながらジリジリと距離を詰め合う
そうして互いに距離を詰め続け、文字通り相手を"目前"に据える
「そんな怖い顔するなよ…」
戯けながらも獣の目を見据え、身体から溢れそうな感情を必死に抑える
「昂っちまうだろ…!」
そう言い放った瞬間、獣が距離を一気に取りながらこちらへと電撃を放つ
こういった気持ちで戦うのはいつ以来だろう
高めた自分の力を確かめたい、ただその一心
迷いなど持ちようも無い。そういう相手をどこかしらで求めていた
「フッ…!!!」
電撃は巨人の盾で防ぎ、盾を構えながら獣の顔面をめがけ突撃
その愚直とも言える突進は尾を振り払っただけで止められてしまう
流石にこの大きさともなれば尾の振り払いだけでも十分な重さだ。電撃のせいもあるのか手に痺れを覚える。
いい、こう来なくては、燃え上がらない
「行くぞ…ッ!!」
盾を背中に背負い、大剣を両手に握り込む
そして一閃、獣の足元へと振り払う
しかしその剣撃を獣はその足で踏みつけ、その大きな口をこちらへ向ける
「速さも良い、判断力も獣とは思えん…が」
大剣から手を離し、姿勢を低く、獣の噛みつきを避けながら懐へ入り込む
「俺の自慢の武器はここからだッ!!!!」
両腕で獣の首を抱えるように掴み、勢いのままに投げ飛ばす
グウィンドリン様から授かった義手の方も好調。失った腕と何ら変わらない、いやそれ以上か
「調子いいぜ」
壁に叩きつけられ足の覚束無い獣へと、また距離を詰める
頭からモロに叩きつけられたのだ。いくら普通の生物では無いとはいえ、脳に衝撃を受ければ身体がままならないのはこちらと同じらしい
とはいえこちらを見つめる眼光に衰えは見えない。むしろ先程より強い殺気を感じる
竜王の大斧を取り出し、こちらも臨戦態勢に入る
あちらに遠距離から放てる攻撃がある以上、如何にして懐に入り込めるか。それがこちらの課題だ。
だが先程の攻撃を食らい、獣ももう易々とは懐に入らせてはくれないだろう
思考をめぐらせていると獣が突如、空へ向かってけたたましい咆哮を放つ
「ッ!!」
鼓膜が激しく揺れ、耐え難い痛みが走る
幸い割れた訳では無いが明らかに音を正しく聞き取れない。
支障はない…とは言えないが、弱っている相手ならば
その甘い考えも、次の瞬間には脳から消え去っていた
先程までの獣が、増えている
合計3体。増えた2体は万全な状態なのだろう、弱っている1体を守りつつもこちらへの距離を着実に詰めてきている
乾いた笑いを出しつつ、獣達の背後に明らかに人のものである影が目に入った
こちらの視線に気づいたのか、その影は足早に霧で阻まれた道へ消えていった
この状況は奴が引き起こしたものなのか、それを判断する材料が無い
だが何かしらの関与をしているのは確実なのだろう
まぁ良いだろう。何かしらが俺の妨害をしようとしているのならば、心外もいいところだ
この程度の逆境、今までの旅に比べれば可愛いものだ
むしろこのくらい歯ごたえがあった方がちょうどいい
「束になってないと怖いもんな…」
そう言いながら手首を振る
「纏めてかかってこいッッ!!!!」
こういう時は度胸が1番の武器だ