DARK SOULS ~Revenge of the knight~ 作:だ~くぱんぷきん
自分の身体の数倍はある獣
それ程までの獣に囲まれた際、人間である我々はどうやって打開すべきなのだろうか
基本的な回答としては[諦める]。この一択だろう
人間である以上、熊に襲われるとなれば、1頭であったとしても命を奪うには余りある
何故か、そう。[膂力]の差だ
全身が人間とは比にならない筋肉を纏っており、それは相手を屠る拳に、身体を守る鎧となる
人間等というか弱い生き物が叶わないというのも通りであろう
だが…その膂力が、獣の数倍ある場合はどうなるのだろうか?
「始めてみようか…」
肩を回し、竜王の大斧と古竜の大剣を構える
既に獣3体はこちらを取り囲み、いつ飛びかかるかも分からない状態
息を整え…"時"を待つ
そして咆哮を上げながら、背後から2体の獣がこちらへ飛びかかり、正面の弱っていた1体は電撃をこちらへ放つ
待っていたのはこの時、状況が変化するこの瞬間
電撃を避けつつ、飛びかかって来ていた1体の身体の下に潜り込み、力のままに蹴り上げる
宙に獣が打ち上がっている間にもう片方の獣の瞳を目掛けて古竜の大剣を突き刺す
「ハッハ!!そう暴れるなよ!!」
突き刺した大剣をそのまま切り上げ、獣の顔を両断
が、それでも獣の残った瞳から放たれる殺気は止まることを知らない
なるほどこれはなかなか頑丈だ。思わず感心する
だが頑丈すぎるというのも考えものだ。その分長い苦痛に苦しむ事になる。よく分かる
「フンッ!!!」
竜王の大斧でその大樹のような首を断ち切る
流石にそこまでやれば絶命するようでその巨大な身体は大きな飛沫を上げながら地に伏した
残っていた2体に目をやると再び電撃を放つ寸前
1体に気を取られすぎたか、もう2体への警戒を疎かにしてしまった。まぁいいこれも学びだ
腰に携えていた
親父の構えの見様見真似、鞘に刀を納めたままのこの構え
慣れないが、あの人の血を継いでいるのなら出来ない事は無いはずだ
再び呼吸を整え、放たれた電撃に、刀を抜く
電撃であるのならば、この刀に帯電するはず
「…ぐ…!!」
刀が電撃に触れた瞬間、狙い通りにその刀身に雷が纏わりつく
それと同時に、身体にその電撃が流れないよう、宙に飛び上がり、刀を振り上げる
ここからは完全に賭けだ。俺の思い通りにいかなければ再び地面に降りた瞬間、全身に巡る雷で体の自由が奪われ、そのまま奴らに食い散らかされるだろう
だが、今までの力だよりの一辺倒の戦い方が、これからも通用するとは限らない。より多くの手札を確実な物にする為にも、試してみたくなった
それに、絶対に失敗は無いという、どこから湧いたかも分からない自信があった。
やってみる価値はあると
「お返し致す…!!」
帯電した刀を、獣に向けて振り下ろす
それと同時に帯電していた雷が獣へと放たれ、獣の身体は雷に包まれ、その動きを止めた
そして地面に降りた瞬間、体が痺れるような体に襲われる。
いきなり試した結果か、帯電した雷を放ちきれずに残っていたのが体を巡ったのだろう
痺れる身体を無理やり動かし、残りの1体を見据える
「後は…お前だけだぞ…」
先程まで3体いた獣も、2体、1体と倒れていき、少しは動じているか、逃げるものかとも思っていたが…
「…」
違う。先程とは比にならない、決死の覚悟を秘めた瞳
「…ハハ…」
こいつは…獣なんて生易しいものじゃない
何かを必死に守ろうとする、"騎士"にも通ずるものを感じる
先程屠った獣共と同じようには行かないだろう
だが…何がこの獣達にそこまでさせる
この先に一体何が…
先程一瞬見えた影の事も気になる
まるで俺を意図的に排除しようとしているような
だがこのまま思考を巡らせていても仕方が無い。
それはこの先に進めばわかるのだから
今はそれよりも、この残された1体を打ち倒さねばならない
この先の何かを守る、この"聖獣"を