DARK SOULS ~Revenge of the knight~ 作:だ~くぱんぷきん
「…まさか…こう来るか…」
聖獣達を打ち倒した後、霧の壁で遮られていた先にあった霊廟
そこに居たのは、数人の子供と、武装した兵士が2人。そして人の丈ほどもある大きなキノコ
「誰だお前は!!何故こんな所にいる!」
「聖獣はどうした!!それに…どうやって霊廟の裏庭から…!」
兵士達が震えた手で、握っていた剣をこちらへと向ける
そして耳に入る、子供達の泣き声
子供達を宥める声も聞こえる。誰が発したものかは分からなかったが
「ま、待て…!!俺は何も…」
「こいつが…グレイスさんの言ってた…」
聞き覚えのある名前が耳に入った
「グレイスだと!?」
思わず詰め寄ってしまう
それに驚き、更に臨戦態勢へと入る兵士達
「人の形をした深淵そのもの…きっとコイツが…!!」
「せめて…子供達だけでも…!!」
「待て話を!!!」
言葉を発する間もなく、兵士達の剣がこちらへと振りかざされる
言葉が通じる状態ではないか、応戦しなければこちらが殺られる
そう思い腰の刀に手をかけた瞬間
「待ちなさい」
その声が兵士達の動きが止めた
「ですがエリザベス様!!グレイスさんが言ってたヤツで間違いありません!今ここでこいつを止めねば!!」
「ですが…話し合いの余地はあるように思います」
「…ふぅ…」
冷静な人物がいてくれて助かった。
エリザベスと言ったが…どこにも姿が見当たらない
声のする方を探しても大きなキノコしか見当たらない
キノコ…?
黒い森の庭に居た、歩き回るキノコ達が脳裏をよぎる
なるほど、喋ることが出来るキノコも居るのか。
「エリザベスとやら!俺に敵対する意思は無い、どうか話を聞いて欲しい!」
「…その者を連れてきてください。貴方達は少し離れていて」
エリザベスが兵士達と子供達に声を掛け、俺は兵士達に手を後ろに回され、エリザベスと呼ばれるキノコの前に膝をつかされる
「…!…なるほど…グレイスの言う事も分かるわ…」
「…?」
そう呟くエリザベスに、俺は困惑の表情を浮かべてしまう
あまりにも疑問が多すぎる
何故この場でグレイスの名前が出る、その上、ここまでの敵意を向けられる謂れは無い、人の形をした深淵そのもの、という言葉にも引っかかる
「貴方がハイネルね…グレイスが言っていたわ、貴方がウーラシールの更なる災厄になると」
「更なる災厄…どうにも掴めないな…俺が一体…」
そう言いかけた瞬間、書庫でリィンに聞いた話が頭を駆け巡った
【貴方はこれまでに何度も世界を巡っています。しかし、貴方が終わる場所はいつも決まっていました。深淵です。】
【マヌスの内に秘められた悍ましい人間性に蝕まれ、貴方は…異形の化け物へと成り果てました】
【私が会った未来のグレイスさんですが…注意していてください。彼は恐らく今この時代のグレイスさんとは全くの別人、貴方の事を狙っていましたよ】
【曰く、『奴のせいで守りたかった者を守る事が出来なかった』と…】
なるほど、合点がいった
こいつらの言うグレイスは俺が会ったグレイスでは無く、俺が化け物になる末路を散々見てきた未来のグレイス。
そして、守れなかったと言うのはこの人達の事であろうか、俺がマヌスに代わり、殺したであろう人達
その未来を変える為にあの聖獣達を差し向けたのであろうか
今のグレイスとは、違う世界線のグレイス…
自分で言ってても、何が何だか分からなくなる
「でも貴方…グレイスの言っていたハイネルとは、少し違うみたい」
その言葉に少し驚いてしまう
「…分かるのか?あんた…」
「えぇ、グレイスは淀んだ人間性を持っていると言っていたけど…貴方の人間性はとても綺麗、きっと周りの人達に恵まれたのね。それに、今の貴方は深淵にとても強い耐性が付いてる。もしかしたら…マヌスにも」
「…エリザベス様?先程から何を…?」
兵士の1人が困惑した声を漏らす、それはそうであろう。当人である俺ですらあやふやな事象の話をしている。傍から見れば意味のわからない言葉の羅列でしかない
「…グレイスはこの先の森を抜けて、闘技場に向かっているわ、きっと貴方を待っている」
「エリザベス様!?何故グレイスさんの事を!」
「大丈夫よ、この人はグレイスの言ってた人とは違う。私が保証する」
エリザベスがそう言い放つと、兵士達は渋々ながらも俺の腕を離し解放してくれた
「…感謝するよ、エリザベス」
「けど気をつけて、闘技場にはきっとグレイスだけじゃなく、四騎士の1人、アルトリウスも待ち受けている。グレイスの話を聞いている以上、貴方の前に立ちはだかるでしょう。」
アルトリウス…深淵歩きのアルトリウスか…
名前は聞いた事はあるが…後世に名が残っている以上、並大抵の人物では無いのだろう
そしてグレイス、他の世界も旅してきている以上、こちらの知らない武器等を手にしている可能性もあるか…
「…分かった。ありがとう」
「おじさん…」
いつの間にか足元に来ていた子供の一人がこちらへ不安そうな声で語りかける
「…どうした少年」
「グレイスさんを…殺したりしないよね…」
「グレイスさん…凄く僕達に優しくしてくれたんだ」
「私も…森で化け物に襲われた時に助けてもらった」
1人を皮切りに、後ろにいた子供達もこちらにそう投げかけてくる
グレイスがこちらを殺そうとしている以上、殺さずに済む保証など、どこにも存在しない。
殺さねば、殺される。この世界はそうできている。だが…
俺も1人の大人だ
「安心しなさい、俺はグレイスと話し合ってくるだけだよ。ちょっと勘違いしているみたいだからね」
そう言いながら子供の頭を撫でる
「…エリザベス様が言うなら…俺達もあんたを信じる。」
「深淵を止めてくれるなら、この際何でもいい…頼む…」
兵士達にも頭を下げられてしまう。
こんなにも大きい思いを背負ってしまうとは…全くもって想定外だ
「…あぁ、任せてくれ」
だが、俺も1人の騎士だ
「マヌスも、深淵も、俺がどうにかしてみせる」
期待には、応えなければ
この話し書く為に過去話見てきたけど「ん?」ってなる所あって笑っちゃった
修正が必要だ…