DARK SOULS ~Revenge of the knight~ 作:だ~くぱんぷきん
黒き竜と相対した後、順調に森を進み続け、エリザベスが言ってた昇降機の前に辿り着く
エリザベスの言ってたものに違いないだろうと、昇降機を使い、闘技場の前まで降りていく
この先に、俺の命を狙っているグレイスが待っている
いや、グレイスだけではなく、深淵歩きのアルトリウスも
子供達の願い通りに事が運べば、願ったり叶ったりだ。
だがやはり、相手がこちらを殺そうとしてくる以上は
雑念を振り払って闘技場の入口を覆っている霧に触れる
霧を抜けると、そこには2人の騎士が待っていた
「あぁ…ようやく来たんだな、ここに来ると思っていた…」
「グレイス、あれが君の言っていた…」
そんな会話が耳に入る
1人は細身ながらも、力強さを感じる、あれは狼の意匠だろうか。深淵歩き、アルトリウスだろう。
もう1人は…確認するまでも無い、圧倒的な殺意
武器は…やはり見た事のない物だ、箱のような物から、短い槍の様な物が出ている。機械仕掛けの武器なのだろうが把握出来ない
そしてクロスボウの様な何か、だが矢ばねも弦も見当たらないが
遠距離用の武器である事は確かだ
背中には大剣を背負っている、準備は万端と言った所か
「見た所で分からないだろう、ハイネル。」
「…あぁさっぱりだ、グレイス…」
そう戯けて見せても、殺意の籠った瞳は一切揺るがない
「話し合いがしたいんだ。きっと俺達の目的は同じだろう?」
「そうだな、俺も、お前も、この先にいる深淵の元凶を止めたい。だが…お前は危険すぎる…ここでお前は…殺すべきだ」
グレイスが臨戦態勢に入るが、横のアルトリウスが1度割って入る
「待て、私も1つ聞きたい事がある」
「何用かな、深淵歩き殿」
「君は、何故に深淵に挑む、なんの為に、あのマヌスなんて化け物を打ち倒そうとする」
何故、か
ここに来たのも、今までやってきた事も、ただ一つの
「俺は…」
理想の対価に犠牲を要求するこの世界そのものを壊す為
後世に生きる者達が、幸せな未来を掴める様に
俺のように復讐に堕ちるものがこの先、生まれない様に
「このふざけた世界を…救いに来た」
「ほう…」
感心するアルトリウスとは裏腹に、グレイスが向ける殺意がより強くなる
「救うだと…」
「グレイス…」
「貴様が今まで…一体どれほどの事をしてきたか…どれほどの命を奪ってきたか…!」
武器を握り締め、その拳から血を滲ませながら、その男は叫ぶ
「お前がいなければ、ウーラシールの生き残っていた人達も未来のロードランも!!何かも希望があった!!救えたはずだった!!!」
次第に声が涙まじりになりながらも、その悲痛な叫びは尚も続く
「それをお前が…お前が深淵に呑まれなんかしなかったら!!何度も止めた…何度だって!!繰り返したさ!!お前を止める為に!!!それなのにお前はそのくだらない使命感の為に繰り返し続けた!!同じ末路を!!」
「冷静になれグレイス」
アルトリウスがグレイスの肩に手を当て、半ば狂乱状態であったグレイスを窘める
「君の思いも、彼の思いも本物だ。ならば言葉など、既に無意味だ。お互いに違う道を進み続けるのなら、ぶつかり合うのが世の常だ」
そう言いながら、アルトリウスは背中に担いでいた大剣と大盾を構え、こちらに目を据える
「ハイネル、と言ったね。君には申し訳ないが、私も、私の成すべきことをなさねばならない。その点で言えば、私もグレイスに同意だ。君のソウルは…あまりにも深遠に近すぎる。その魂は深淵に対する盾になるだろうが、逆に深淵を爆発させる火種となりかねない…故にだ。」
「ハイネル…お前はここで止める…俺達が…」
グレイスも手にしていた武器を構え、溢れていた殺意を抑え込め、改めて俺の方に視線を合わせる
「今この時の為に俺は違う世界を歩いてきた…力を蓄え、技を身につけた。お前から…世界を守る為に、守れなかった人達の無念の為に」
「君が深淵を増長させる火種なのか、それともこの世界を救う太陽となるか…この戦いで、見極めさせてもらう。2対1ではあるが…卑怯とは思わないでくれ」
「思わないさ」
そう言いながら、古龍の大剣と竜王の大斧を両手に持ち、深呼吸をする
グレイスは今まで守れなかった人達の為、世界の災いとなってきた巨悪を屠る為に立ち上がり
アルトリウスは今ある世界、今を生きる人達を救う為に剣を握り
俺は、未来の為に、これからを生きていく人達が、幸せに、復讐等とは無縁の世界を生きていく為に、この力を振るう
そもそも話し合いで、相容れる訳などなかった
ならば、やるべき事など、1つだろう
「その身を持って思い知れ」
それぞれが、それぞれの信念を胸に、己が武器を握りしめる
「俺の決意をッッ!!」
火蓋は切って落とされた