DARK SOULS ~Revenge of the knight~ 作:だ~くぱんぷきん
「グレイスゥゥゥッツッ!!!!」
「ハイネルゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥッッッ!!!!」
暗く輝く刀と、月光の聖剣がぶつかり合う
「俺だけでも…止めてみせるッ!!お前だけは!!!」
悲痛な叫びを上げながら、月光の光波を繰り出し続ける
「ツッ!!!」
少しかすっただけでもこの痛み
直撃すれば命に届きうるのは想像に容易い
だが、逃げ回るだけの時間は既に終わった
刀を1度鞘にしまい、居合の要領で刀を振り抜き、暗月の斬撃を解き放つ
だが予備動作が大きかったせいか、かすりもせずに避けられる
これでいい
その間に一気に距離を詰め再び近接戦に持ち込む
「この距離は…俺の距離だぞッ!!」
「舐めるなよ…っ!」
再び、互いの剣がぶつかり合う
「確かに魔術ってのは中距離から遠距離で使うのが基本だがな…!ハイネル!お前から教わったんだぞ!型に囚われるなってな!!」
グレイスがそう言うと原初の月光が形を崩し、即座に極大の魔力が充填されていく
先程の結晶槍等とは比べ物にならない、溜めているだけにも関わらず全身がひりつく程の魔力
流石にマズイと距離を取ろうとするが、月光の聖剣を足に突き刺される
「"彗星…アズール"…ッッ!!!!」
「チッッ…!!!」
次の瞬間、視界が光に包まれ、極大の魔力の渦に身体を焼かれる感覚に襲われる
「ガアアアアアアアッアァァァァァァァッッッ!!!」
今まで食らったどの攻撃とも違う
ここまでの威力の魔術を浴びせられるのは初めてだ
超高濃度の魔力の奔流
攻撃を食らった反動で武器も落とし、そんなものを防ぐ手段はもうこちらには存在しなかった
だが、この身体はまだ健在だ
義手を突き出しながら、魔力の奔流の中を突き進む
「…嘘だろ」
グレイスの驚きに満ちた声が耳に微かに入る
意識も、身体の自由も効かなくなっていく、そんな状態でも、この脚は歩みを止めない
その間にも身体は焼かれ続け、視界も無いに等しい
「…グウィンドリン様…」
1歩、また1歩、奔流の中を歩き続ける
「俺は…まだ…」
痺れを切らしたグレイスはその魔術を撃ち止め、再び大剣に月光の光を纏わせ、大きく振り上げる
瞬間、ずっと身につけていた[彼女]の、グウィステスが手にしていたロングソードを鞘から抜く
瞬時にタリスマンで暗月の光を纏わせ、グレイスの大振りな斬撃を受け止める
「もう…もう良いだろうがッ!!!何がお前をそこまでッ!!!」
「グレイス…俺…俺な…」
鍔迫り合いを続けながら、かろうじて動く口を開き続ける
「救われたんだ…色んな…人達に…お前にだって…救われて…助けられて…」
「それは過去の俺だッ!!何も知らなかった無知な!!哀れな道化のグレイスだ!!」
「それ…でも…」
ロングソードに、自然と力が篭っていく
次第にその剣は、月光の聖剣を押し返していく
「恩…返しを…みんなの為の…」
「!?…まだこんな力が…!」
「世界を…ッ…!」
そして月光の聖剣を力の限り弾き飛ばし、グレイスの胴体目掛けてロングソードを突き立てる
グレイスも聖剣が弾き飛ばされたとほぼ同時に杭を取り出し、こちらの胸に構え、その撃鉄を引いた
こちらのロングソードがグレイスの腹に突き刺さるのと同時に、飛び出した杭がこちらの胸を突き破った
朦朧としてた意識が途切れ始め、視界が闇に包まれていく
久々の感覚、身体の温度が奪われ、辛うじて動いていた手足も、とうとう完全に言う事を効かなくなった
最後には体の内側から辛うじて聞こえてきた心臓の音も途絶え、俺の意識は深い闇に沈んで行った