遅くなりました。多忙に多忙を重ねるくらい多忙な為。しかも文字数は今までより少ないです。故に、下手に読まないほうが良い。次の話が完成してからの方が良いかも。
それと現在、正田郷が全巻買われたBLEACHの主人公の母――黒崎真咲の女子高生時が可愛すぎる。強くてかっこいいいなんてエレ・龍明姐さんじゃないですかヽ(・∀・)ノ まぁ正田郷ご愛読のジャンプは銀魂とBLEACH以外興味がないんですよねボクは
麻帆良学園都市――幼等部から大学部までのあらゆる学術機関が集まってできた都市。これらを総じて麻帆良学園と言う。故に分かってほしい。大学まで揃っているということは、それなりの面積を持っているのだ。その敷地面積は「さんぽ部」なんてものが出来るほどに。
そんな広大な面積を誇る学園都市の一角、この学園の長である――近衛 近右衛門が座す部屋に一人の赤毛の男が猛抗議していた。
「だから、俺に保健体育を担当させるべきっしょ! 女体に関してならどの先生方より上っすよ!」
何て、新章始まった瞬間の第一声とは思えないセリフだ。
しかもセリフから予測するに、この発言をしているのは先生なのだろう。自ら保健体育をしたいと言い、女体に詳しいと言うとは、随分と危ない先生というか弾劾すらする気をなくす。
「じゃから、なんべん言えば分かる。学園の先生方全体で覇吐先生には保健体育はさせてはならないと暗黙の了解があるのじゃよ」
「言ってる時点で暗黙じゃないし!」
「それにの、学園の女子から覇吐先生にいやらしい視線を向けられると苦情がきておる」
「誤解っすよ! 俺は別にそんな視線を女には向けてねぇっすから!」
……赤髪の先生もとい、坂上覇吐は学園長に見苦しい反論をする。
突拍子なくて申し上げないことこの上ないが、波旬の弟であり紳士の道を歩む益荒男こと坂上覇吐は何の因果か麻帆良学園で先生を勤めている。
担当教科は体育のみの見習い先生。それに対して今まで不満だらけだったのだが、まぁ仕方ない。
本来なら男子の方専門だったのだが、こちらも何の因果かザジ・レイニーデイも学生として在籍しており、その子の申し出もあり女子中等部の方で働けている。
……恐らく突っ込みたいであろう、何で覇吐が麻帆良で先生などしているのか。
それを語るには少々時間を遡らなければいけない。
一言でいうなら、覇吐はザジ(妹)が麻帆良に入学すると同時に、特別配偶と言う名のもと先生という形で学園の出入りと給与を得ているのだ。
もちろん、先生という形なので上述の通り先生もしている。ただし教員免許は持っておらず、採用試験にも受かっていない。
だが、この学校には魔法使いの先生や生徒が複数在籍しているため、覇吐のような魔法世界出身者でも旧世界の学校の先生ができる。ただ覇吐は免許や試験にも受かっていので、あくまで肩書きだけの本当の意味で特別待遇を受けているのだ。麻帆良学園さまさまである。
「絶対いつか保健体育の先生になってやるっすから!」
何て捨て台詞を吐き、学長室を後にする。
学長室を後にすると、直ぐそこに麻帆良学園中等部2-Aのザジ・レイニーデイが待っていた。
「やぁ覇吐先生。どう、やっぱり断られた? と、聞くまでも無いね」
覇吐は顔に手を当て、ガックリモード。数にして既に10回以上だろう。
「何が駄目なんだ。もしかして俺って無意識に変態臭を漂わせているのか。それとも俺が女の子にセクハラまがいなことをするとでも思われているのか」
「免許や資格の問題だろ」
何て覇吐の疑問の呟きに対し、真面目に答えたザジ。
まぁそこが一番の問題であり、問題がそこしかない。
と、そこに――
「どうしたんだい覇吐先生」
眼鏡をかけ、無精髭を生やした2-A担当教師――タカミチ・T・高畑だ。
過去の戦争時代、ガトウの弟子であった少年だが、現在では教師を勤め無精髭を生やしている中年親父と化している。
それに対し覇吐の外見は不変だ。ちなみに服装も、あの派手な着物のままだ。まぁ麻帆良は少し変わっているため、着物が豪奢程度ではあまり目立たない。
「また玉砕されたんです高畑先生」
「あー……その、懲りないですね覇吐先生は」
代弁してザジが言うと、半呆れながら言う高畑。
諦めない、その言葉だけが覇吐を動かしているのだろう。
「まぁ覇吐先生。明日から新しい新任先生がやって来るのですから、そんな態度ではいけませんよ」
そう、明日から新任教師、高畑の跡を継ぐ2-Aの先生がやって来るのだ。
「聞いた聞いた。はぁ~、どうせ男なんだろ。しかも、あの男の息子だって聞いてるし」
盛大な溜め息と同時に、心機一転、とりあえず明日に向けて勇往邁進しよう。
「とりあえず、女たちが風呂に入ってるとこに邁進してみるか」
「邁進するベクトルが違うぞ。そんなことをすれば学園を追い出されるどころか、警察機関に捕まる」
「甘いな。バレなきゃ問題ねえ」
「先生の発言とは思えない」
「それを聞いてしまった僕はどうしたら良いんだろう?」
苦笑いを浮かべる高畑。
現在は放課後と言う時間帯。故に特に部活の顧問などを努めていない上、特に会議もないため覇吐は自由時間。
さて、この自由時間をどう活用しようかと悩んでいるうちに、一つの提案が浮かんだ。
明日はあの男の息子が麻帆良の新任教師として来る訳だから、ここは一丁何か手土産を渡すのが筋ってもんだろ。
「よし、これから新任教師のために適当な土産でも買いに行くか。ザジ、お前も付き合え。一人じゃ寂しいからな」
「覇吐にしては良い提案だね」
「おい、学内では先生を付けろ」
そう言って、二人は学園都市の外に行こうと邁進した。
(∴)
時を同じくして、麻帆良学園都市内――女っぽい顔をした男が悠々毅然と女の子たちが闊歩する廊下を歩いていた。
先生なのか生徒なのかと聞かれれば、生徒と答えるのが適切だろう。
だが生憎と生徒ではない。なら先生か、と言いたい所だが、実は先生でもない。
謂わば、学園専属の警備員と言う役職。
夜になれば、その暗雲世界に紛れてどこぞの西の式が侵入したり、ただの不法侵入者が現れたりする。それを削除するのが警備員の勤めだ。
その警備員の正体が何の因果か――紅き翼の一人である藤井蓮だ。
戦争の後に一体何があったのかは当事者達以外、知る由もないが麻帆良で働いている。
現在、藤井蓮は今日の警備の打ち合わせを覇吐先生としに行く予定なのだが、どうしてか何処にもいない。
覇吐も蓮と同じく警備の仕事が週に何日かある。
今日は本日の警備が何人か用事のため休むため、場所が空き空きになるのだ。故に覇吐と打ち合わせの約束をしたのだが、案の定、やはり忘れていた。
今日の警備に入っている先生及び生徒を含めて五人。
藤井蓮、坂上覇吐、桜咲刹那、龍宮真名、龍明先生。
他の人と打ち合わせをしても良いのだが、生憎と桜咲という子と龍宮という子とは対面はあるものの会話をした事もなければ、連絡先すら知らない。龍明先生に至っては詐欺師に騙され、金持ち男に弄ばれたせいか鬱気味で、いつも家に帰ってスナック菓子を食べているとのこと。
そんな先生に連絡を取るのも、何だか気が引けて出来ない。
故に覇吐なのだが、打ち合わせそのものを忘れ放棄したため溜息も良いとこだろう。
「たく、まぁ警備の時間になってからでも良いか」
どうせ探したところで、あの自由奔放な奴とはエンカウント出来ないだろう。RPGで言うはぐれメタルだ。
そんなことで、現在在住しているエヴァンジェリン宅――ログハウスに帰ることにした。
(∴)
「あれ、何かを忘れている気がする」
学園都市内であらゆるショップが揃う地区を邁進する覇吐とザジ。
そんな中、覇吐は何かを忘れているらしく――勿論、蓮との打ち合わせ――頭を悩ませるが、一切心当たりがないのはどうしてだろう?
「まぁ思い出せないってことは、そんなに大したことじゃねぇってことだな」
と納得する。
「で、新任教師には何を買って上げるつもりなの?」
「そうだな、確か10歳くらいって聞いてるし、ここは男への道を歩ませるためにアダルいたいっ!」
言い切る前にザジに足を踏まれた。しかも可愛らしい踏み方ではない。ピンポイントに小指部分を的確に狙ってかかとで踏まれた。
「幼気な少年にそんな物を土産として渡そうとするな」
「そんな、その年くらいじゃないのか、性への目覚めは」
苦い顔をしながら驚く。
「こうなりゃ、もっと世間の保健体育を勉強するしかないな」
「さりげなくセクハラ発言だよ」
「そうだな、やっぱりまずは発育から勉励すべきだよな」
「さりげどころか、もはや完全なセクハラ発言まで昇華された」
「そういえばこの学園の中等部って無駄に発育良いよな。特に2-A」
「そんな目で今まで女生徒たちを見ていたのか」
「男なら誰でもそんな目で見てんだぜ。逆に、そんな目で見てなかったら病気だなと言っていい」
そんな会話をしながら、周りの色々な店舗を見ているが、どうにも土産と言う土産がない。ないと言うより、それらしい物が選べない。
故に考える。
謂わば土産=新任祝い的な感じだ。
なら食べ物が良いのか、それとも生活品が良いのか、一周回って魔法道具か。
「いっそ何かストレス解消物がいいのか。先生って職業は思ってる以上にストレスが溜まるからな」
「おお、覇吐にしては中々良い提案だな。して、そのストレス解消品とは?」
「やっぱりアいたいっ! まだ頭文字しか言ってないじゃん! クソッ……真面目に言うと映画か?」
「何の?」
「ほらあれ、魔法世界で超人気になったDies irae~Acta est Fabula~。蓮の親っさんが脚本家を務めた映画だよ。あれ、蓮の親っさんが脚本家をして公開した途端、爆発的人気が出たらしいぜ」
故にDies irae Also sprach Zarathustraは黒歴史として、劣化版として、ネタとして残っている程度。それ程までにActaは物凄い人気だったらしい。
それなら新任祝いとしても良いだろう。
「あっ、そういえば、あの藤井蓮の父親は今何してるの?」
とザジが覇吐に聞く。
これで分かるように、二人は藤井蓮の父親――メルクリウスを知っている。
それに覇吐はメルクリウスとメル友でもあるのだ。どこか気が合うのだろう。主に変態という面で。
「ああ、あいつは確か造物主ってのが消滅した為、現在それを引き継ぐようにアーウェルンクスシリーズとか制作してるらしいぜ。それで映画同様、何故か聖槍十三騎士団を作るとか言ってたな」
「13人造るってことだよね? いいの、そんな生命を愚弄しているようなことをして?」
「さぁな。いや、駄目だろうな。けど、あいつもあいつで考えがあってのことだろう。これから起こるかもしれない、いや起こる大決戦に向けての」
「…………」
「と、何故か辛気臭い話になっちまったな。さて、んじゃ新任祝いはDies iraeって映画にするか」
「だが残念。Diers iraeは魔法界の映画なので、旧世界の機器では再生不可」
「何!? そうなのか!」
「常識」
映画は諦めるしかない。
なら他には――
「だめだ見つからねえ! 助けてザジえもん!」
「なにそのちょっと有り得そうな名前。だったら覇吐は、はば太くんかな」
「それも軽くありそうな名前だな。だったら姉の方はザジミちゃんになるのか」
何だ、このありそうな設定は。
「でザジえもん、土産は何が良いかな?」
「分からない」
「頼りねえ! ドラえもんの名を冠しているくせに何も出来ねえのかよ!」
「けど最近のアニメドラえもんはのび太くんを甘やかしていないんだよ。テンプレ防止のためだって」
「止めろ、国民的アニメに対してそんな言葉を使うな! あれはテンプレしてこそ面白いアニメなんだよ!」
「けど声優変わってから――」
「それ以上言うな!」
何だろう、何で国民的アニメのことについて語っているのだろうか?
魔法世界の者が。
「お、そうだ、いっそのこと何か歓迎パーティをやるってどうだ。そうだな、羽を伸ばせるように魔法使いのもの限定でさ」
魔法使いは人間に魔法使いとバレてはいけない決まりがある。
故にそんな場では羽を伸ばせないだろう。だから魔法使い限定のパーティーなら例え何を口走っても心配なしだ。
「おーはば太にしてはナイスアイデア。本当にはば太にしては」
「何でそこを強調すんだよ」
つか、いつまでそのネタを引っ張るのだろうか?
「して会場は?」
「決まってるだろう。あの吸血鬼宅だ」