不殺の暗殺者~孤独なアサシン~【休載中】   作:愛歌

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はじめまして、愛歌です。
初投稿です!
なんせ初心者ですので、いろいろと未熟です。
改善点や誤字脱字などがありましたら、教えてください。
感想も、是非ともよろしくお願いします!


本編
出会いの時間


キーンコーンカーンコーン・・・

朝のHRを告げるチャイムに、クラス全員が反応する。

 

「起立!」

 

誰かの合図に、きっちり全員が席を立った。

その手には、大小様々な銃。

 

「気をつけ!」

全員が銃を構えた。

その銃口が向かう先・・・ターゲットは、黄色い触手を持った、タコのような見た目の超生物。

このクラス・・・・椚ヶ丘中学校E組、通称『エンドのE組』の、担任である。

 

「れーい!」

 

・・・・今日も今日とて、人類の運命と懸賞金100億円をかけた、特別授業が始まった。

 

 

 

***

「・・・では、今日も先生に傷一つ付けられなかった君たちに朗報です」

 

いつも通り、憎たらしい笑みを浮かべる超生物の言葉に、生徒達が僅かにざわつく。

・・・少し余計な言葉が混じっていた気がしないこともないが、まあそれはこの際おいておこう。

 

ちなみに、超生物の名前は『殺せんせー』。

E組生徒の一人がつけたもので、本名は誰も知らない。

・・・否、知る必要もないだろう。

よって、都合上この先はその名で通すことにする。

「烏間先生」

殺せんせーが視線を向けた先、つまり教室の扉の向こうから、その男性は入ってきた。

彼は防衛省の人間で、生徒達への暗殺に関する授業を行っていた。

最初こそ、他人行儀だった彼も、いつの間にか生徒達にいくらかの愛着が湧いたらしく、その表情は普段よりも幾分か緩んでいる。

勿論、それに気づけるものはそうそういないくらいには、僅かな差だが。

 

「今日からこのE組に、新しい仲間が増えることになった。・・・入っていいぞ」

 

烏間が目配せした先から、黒髪の少年が入ってきた。

少年が烏間の隣に立ち、それまで俯き加減だった顔を上げた瞬間、生徒達は全員少年の瞳に目を奪われた。

黒く長い前髪から覗くその瞳は、明らかに不釣り合いな紅色。

黒髪に、前の学校のものであろう真っ黒の学ランという、漆黒の姿であるが故に、その『赤』は、一層鮮やかに映えた。

 

「彼が今日からこのクラスの一員となる、如月伸太郎君だ」

烏間の声に、言葉に、生徒達の意識は現実に戻される。

烏間へと意識が一瞬だけ逸れたその隙に、もう彼の瞳は、相応の黒に染まっていた。

こうして見ると、黒い瞳よりも、紅色の瞳の方が、返って似合っていたように感じるのは、漆黒の彼はどこか不安定に見えるからだろうか。

まるで暗闇の中に答えを探し求めるような、そんな絶望にも似た感情に染められた瞳は、また別の意味で生徒達を惹きつけた。

 

「・・・俺は暗殺に参加する気もないし、お前達となれ合うつもりもないからそのつもりで。・・・以上」

 

今度は、少年、否伸太郎の声に、言葉に、生徒達は我に返る。

そして、伸太郎の言葉を頭の中で再度流し、その意味を理解した。

もう話すことはないと言わんばかりに、ついさっき殺せんせーが用意した、一番後ろの席へ行こうとする伸太郎に、生徒の一人が、慌てて理由を尋ねた。

 

「俺に何のメリットもないから、だな」

 

つまらなそうに、伸太郎は吐き捨てる。

まるで、地球がなくなろうと、自分の知ったことではないというふうに。

いや、もう言ってることがそうなのだが。

それにしても・・・

 

「おかしい・・・」

 

女子の誰かがそう呟いたのを引き金に、他の生徒達も、疑念と不満の声を上げる。

 

「烏間先生から、聞いてんだろ?こいつ殺さねーと、地球を破壊されちまうんだぜ?」

「そうだよ!如月君だってまだ死にたくないでしょ?」

「それに、懸賞金100億円なんだぞ?欲ねーのかよ」

 

次々と浴びせられる声に、伸太郎はめんどくさそうに溜め息を吐いた。

そして一言・・・

 

「くだらねえ・・・」

 

そのたった一言に、場は一瞬だけだが凍りついた。

全てを知っていて、その意味を理解しての言葉とは思えない。

一人をのぞく、E組生徒全員がそう思った。

だが、伸太郎をこれ以上問いただそうとする者はいなかった。

彼が何を思い、その言葉を口にしたのか。

わからなくても、触れてはいけない部分だということを、薄々感じ取っていたのだ。

 

・・・たった一人を除いて。

 

「へえ・・・なかなかいうねえ・・・如月君?」

「おい、カルマ・・・」

 

机の上に腰掛け、不敵な笑みを見せるのは、赤羽カルマ。

E組でもその持ち前の頭脳と器用さ、そして飲み込みの速さで、暗殺トップクラスの実力を持つ、秀才だ。

烏間から聞いていた名前と情報、それが彼のことだとすぐさま悟り、そしてあざ笑った。

 

「お前、もったいないな」

 

ここに来て初めて見せた笑み。

それは決していいものではなかった。

相手を見下す、絶対零度の瞳。

 

場が、凍りつく。

 

「その気になれば、いつでも戻れるんだろ?ならなんでここに留まる?そんなにこいつらとなれ合うのが楽しいのか?」

 

伸太郎の問いに、カルマは僅かに眉をひそめる。

視線も、僅かながら逸れていた。

 

「それとも・・・」

 

-・・・また一人になるのが怖いのか?-

 

はっとしたように、カルマは伸太郎を見つめる。

伸太郎はもう笑っていなかった。

代わりに冷たく鋭い視線が、カルマを突き刺した。

 

「馬鹿らしい。なんともまあひ弱なことで。ま、その気持ち、わからなくもねーけど?」

 

はっ、と馬鹿にするように再度笑う伸太郎に、カルマはもう我慢できなかった。

早足で伸太郎に近寄り、がっ、とその胸ぐらをつかみあげた。

もともと病的に細く、筋肉など皆無に等しい伸太郎に、抗う術があるはずもなく、ただ宙にぶら下がる。

 

「っ図星さされて逆ギレか?・・・ガキだな」

「て、め・・・っ「止めなさい!」」

 

黄色い触手が、渾身の力を込めたカルマの拳を止めた。

それが誰のものなのか、いくら頭に血が上っているカルマでも、わからないはずがない。

渋々というふうに、カルマは伸太郎を離した。

 

「っげほ・・・っけほ・・・っ」

「・・・・そういえば殺せんせー。校内暴力って、自宅謹慎何日間だっけ?」

 

カルマらしくない笑顔に、黄色い触手の持ち主であるその超生物は、静かに口を開いた。

 

「・・・3日間ですよ」

 

カルマの気持ちを汲み取った超生物、否E組の担任の応えは、ひどく静かに、教室に響いた。

 

 

 

                             -to be continued-

 

 




読んでくださった皆様、本当にありがとうございます!
これからも精進して参りますので、よろしくお願いします!
本当にありがとうございました!
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