愛歌です!
ちょっと今回はまとめるのに時間がかかってしまい、前回の投稿から結構時間が経ってしまった訳ですが・・・
本編は過去編から帰ってきました!
多分また近いうちに戻ってしまうとは思いますが。
今回は、体育の授業のお話です。
なんかちょびっと、有希子×伸太郎みたいになってるとこがあります。
ではでは、どうぞ!
ー・・・初めて人を殺したのは、いつの頃だったか。
・・・もうすっかり忘れてしまうくらいには、沢山の血を浴びた。
その血は消えることなく、べっとりと奥深くに染み渡っていた。
いつからだっただろう。
その血の色に、『恐怖』ではなく、『安らぎ』を感じてしまうようになったのは。
・・・いつからだっただろう。
殺すことに・・・『快楽』を覚えてしまったのは。
人を殺す度に『自分』を塗り替えて、偽りの笑顔を浮かべる。
そう、きっともう・・・
『本当の俺』は・・・どこにもいないのだ。 ・・・ー
***
地元で有名な超名門進学校である椚ヶ丘中学校のエリート生徒…からつまはじきにされたおちこぼれ組。
・・・『エンドのE組』は、長い坂を登った先にある。
そんな坂を、真新しい本校の制服を身に纏い、汗だくでぜーぜー荒い息を吐きながら登る、黒髪の少年がいた。
何やらぶつぶつ呟きながら、携帯画面を見つめている。
『ほーら!もう少しなんですから頑張って下さい!』
「ハアっなんだって…はっこんな…ハアっキツい思いして、通わなきゃなんねんだよ…っ」
『ハアハアキモイですご主人。本当だらしないですねー。そんなんだから童貞なんですよ』
「っくそ、だから通いたくなかったのに…ハアっ赤羽のやつ…っ後、はっ童貞、っ関係ねーだろ!」
端からみたらただの不審者である。
携帯画面に映る真っ青な電子美少女の声はイヤフォンをしていて外に聞こえないため、端から見れば携帯に話しかけているイタイ人間にしかみえない。
いや、イヤフォンをしてなくても、充分イタイが。
ちなみにこの電子美少女は、人口AIである。
とある頃から少年のパソコンに住み着いていて、今日はこうして携帯に移り、ついてきていた。
いつもなら問答無用で置いていくのだが、これから学校に通いながら暗殺を続けていくとなると、この電子の少女の存在が必要なのだ。
・・・別に写真とかで脅されたわけではない。
『それよりご主人!リツさん…でしたっけ?本当に私と同じ人口AIなんですか?』
「ああ。基本的には同じだ。まあ、律はお前よりかわ…『そんなに秘蔵ファイル流して欲しいんですか?』すまん俺が悪かっただからそれだけは勘弁してくれ」
『全くご主人はこれだから…』
急に空気が変わった。
無論、画面の中にいる二次元少女には三次元の空気になど触れることはおろか、感じることもできないのだが、それでも確かに伝わった。
電脳少女は無言で画面から姿を消す。
「如月!おはよ〜♪」
突如かけられた声のもとは、赤髪の少年、赤羽カルマだった。
少年、否伸太郎は、うんざりしたように、一応挨拶に応える。
「・・・赤羽か。はよ」
「うっわ・・・めっちゃ疲労してんじゃんww教室までおんぶしてあげようか?ww」
「遠慮しとく」
「あっそ。なら俺先行くね。せいぜい遅刻しないように頑張んなよ」
ひらひら手を振りさっさと先へ進むカルマの背中を見送ってから、伸太郎は再度歩み始めた。
ーこの時、カルマは気づくべきだったのだ。
カルマは先程気配を消して伸太郎に近づいたはずだった。
それなのに、伸太郎はカルマが声をかける前に、その肩に手を置く前に、反応していた。
・・・それが何を意味しているのか、カルマはよく深く考えるべきだったのだ。
***
エリート学校、椚ヶ丘中学の『落ちこぼれ』が集まる旧校舎のグラウンドは、全く整備のされてないボコボコの地面という不遇な扱いを受けているのかと思うかもしれないが、意外とそうでもない。
無論、整備したのは学校側ではなく、国家機密のマッハ20の超生物であり、100億円の賞金首である、落ちこぼれクラス『エンドのE組』の
そんな、綺麗に整備された完璧な平面のグラウンドの中心手前に、E組の生徒達が集まって整列していた。
皆一様に、体操服で。
そう、今日の一時間目の授業は『体育』だった。
普通ならば、サッカーだったり野球だったりだろうが、E組は『暗殺教室』。
授業一つをとってみても、何かと特殊だ。
その中でも特に『体育』は。
「今日の授業は射撃の訓練を行う。各自きちんとアップをした者から、練習を始めろ。終わりに4人ずつ全員テストするからな」
E組の体育の授業は、元陸上自衛隊出身である防衛省の烏間が担当している。
『暗殺者』にとっての実践的な技術や、防御の仕方などを学ぶのが、E組の『体育』だ。
大体皆がアップを終えた頃、まだ1人終わってない者がいた。
・・・如月伸太郎だ。
ちなみにアップ内容は、グラウンド5週である。
半周からすでに怪しかった伸太郎は、完全にへばっていた。
「・・・あれ、大丈夫なの?」
「めっちゃ息切らしてる・・・」
「後3週か・・・しばらく終わりそうにないね~」
こうやって皆に心配される始末。
「ってか、あんなに体力ないやつ初めて見たわ・・・」
しまいには、寺坂にさえ哀れまれていた。
そんなこんなで、各自練習が始まると、やはり注目を浴びるのは、速水凛香と千葉龍之介。
射撃成績の、男女トップである。
「やっぱすごいねー」
「あの2人には勝てる気がしないわ」
「・・・つか、千葉の奴あんな前髪でよく見えるよな」
「それ私も思ってた」
2人揃って、的の中央の赤い枠内に当てている。
的との距離が長いため、的に当てるだけでも難しいのだが、難なく当ててくるところは、さすがである。
一方やっと走り終えた伸太郎は、ゼーハーゼーハーいいながら、その場に座り込んでいた。
そこに、水筒を持った神崎有希子が駆け寄ってくる。
「如月君、大丈夫?」
「っ別にこのくらい、なんともねーよ・・っ」
この期に及んで強がる伸太郎に、有希子は苦笑しながら水筒を差し出した。
「これ・・・良かったら」
「・・・ああ、サンキュ」
伸太郎は何の迷いもなく水筒を受け取り、冷たい麦茶を喉に流し込む。
喉が潤ってきたところで、やっと『ある事』に気づき苦笑した。
理由は簡単。
射撃場の方から、杉野友人が物凄い形相でこちらをみていたからだ。
「・・・杉野には悪いことしたな」
嫉妬の視線に気づいていない有希子は、伸太郎の呟きに首を傾げる。
そんな有希子をよそに、伸太郎は人だかりの向こう、速水と千葉の2人に視線を向けていた。
しばらく様子をみていた伸太郎だったが、不意に立ち上がり2人の方へ歩いて行った。
有希子は首を傾げながら後ろ姿を見つめ、「またお礼言えなかったな・・・」と呟く。
なかなか伸太郎との距離を詰められない有希子だった。
「「・・・ふう・・」」
「なかなかだな」
練習も一段落し一息ついていた2人に、伸太郎は笑いながら言った。
まさか伸太郎が話しかけて来ると思わなかった速水と千葉は、揃って怪訝そうな顔をしていた。
もっとも、速水にはそこまで表情の変化は見られない上、千葉に至っては前髪で隠れて見えないのだが。
「速水は、体幹の強さと、指先の柔らかさ。千葉は・・・前髪を照準器代わりにしてんのか。面白いな」
1人納得しながら、頷く伸太郎。
そんな彼を、2人と周りにいた生徒達が怪訝そうに見つめる。
「千葉、ちょっといいか」
伸太郎は千葉から銃を受け取り、的へと銃口を向ける。
誰かの、唾を飲む音が聞こえた。
伸太郎は一瞬の躊躇もなく、引き金を引いた。
そして・・・
「ま、まじかよ・・・」
「嘘でしょ・・・?」
弾は、真ん中に見事命中した。
枠の中どうこうの問題ではなく、正真正銘のど真ん中。
誰がどう見ても、納得しなくてはならないほどに、完璧だった。
唖然と見つめる生徒達に対し、伸太郎はこう言い放った。
「だから言ったろ?俺の専門は銃だって」
しばしの静寂の間、生徒達は的を呆然と見つめていた。
-to be continued-
最後まで読んでいただき、ありがとうございます!
今回のテーマは射撃だったのですが、なんか生かせてない気が・・・(汗)
しかも、烏間先生どこ行った!(困惑)
と、そんなこんなで相変わらずの文才のなさです。
・・・一応高1なのに・・・
でも頑張って行きますので、これからもよろしくお願いします!