なんか今日はネタが浮かびます。
いえーいw
そんなわけで、どうぞー
「ちょっとお兄ちゃん!?転校初日早々、3日間の自宅謹慎ってどーゆーこと!?」
早くも母親から話を聞きつけたらしい妹は、兄の部屋にノックなしで入り、開口一番そう言った。
ベッドに寝っ転がっていた兄、如月伸太郎は、めんどくさそうながらも、昼間とは違うどこか柔らかい表情で、妹を見据える。
「・・・色々あったんだよ、色々」
昼間の騒動で、自ら自宅謹慎を申し出たカルマの道連れに、伸太郎も自宅謹慎を言い渡された。
勿論、今日学校に行ったのは気分で、自宅謹慎が解かれたとしても、今後あそこに行く気など、伸太郎にはさらさらないのだが。
「ぜんっぜん意味わかんない!ちゃんと説明して!」
騒々しい妹を適当にあしらいつつ、ふと窓の外に目を向けた。
その先には何やら人影があり、伸太郎は窓に顔を近づけ、暗闇の中の僅かな光を頼りに、それを視認しようと試みる。
するとみえてきたのは、どこかで見覚えのある少女と、こちらは全く知らない男3人がギリギリ確認できた。
表情は勿論確認できなかったが、何やら不穏な雰囲気なのは、二階からでも感じ取れた。
だが、自分にとってメリットがないことを、伸太郎がやるはずがなかった。
自分には関係ないとでも言わんばかりに、視線を逸らした先にいた妹である桃は、伸太郎をじっと見つめていた。
嫌な予感に、伸太郎は少し後ずさったが、その分以上に桃は伸太郎に詰め寄る。
最早伸太郎に、逃げ場はなかった。
「お兄ちゃん、見たよね?」
「・・・な、何のことだ?」
「・・・見たんでしょ?なら助けに行かなきゃ」
ぐいぐい詰め寄る妹に、伸太郎はため息をつく。
「何で俺が・・・「じゃあ、私が行ってくる」・・・は?」
思い立ったら即実行、それが桃のモットーだ。
早速、さっさと伸太郎から離れ、部屋から飛び出そうとする桃を、伸太郎は慌てて止めようとする。
「ちょっとま・・・「言っとくけど、お兄ちゃんに止める権利なんてないし、止めても無駄だよ」」
そういう桃の瞳は真剣で、伸太郎は最早止めることなど出来なかった。
「はあ・・・何なんだよ全く・・・」
開け放たれたままのドアを呆然と見つめた後、伸太郎は本日何度目か最早わからないため息を、人知れず吐いたのだった。
***
「な?ほんのちょっとでいいんだよ。ぜってー損はさせねーからさ」
「そーそー、ちゃんと無事に家に帰すしww」
「いや、その・・・だから私・・・」
「いーかげん諦めろよ。あんただって・・・ムリヤリは嫌だろ?」
男達の下劣な笑みに、哀れな少女は震え上がる。
最早説明不要だが、彼女は絶賛ナンパされている最中である。
椚ヶ丘中学校の制服に身を包む彼女の名は、神崎有希子。
伸太郎と同じE組の生徒だ。
「別に、ムリヤリでもいいんだけどなあ?」
三人の先頭にいた男はニヤニヤと、下劣な笑みを浮かべたまま、少女・・・有希子へと近づく。
もうすでに壁まで追いつめられていた有希子に、逃げ場はない。
手が伸ばされ、有希子は固く目を瞑った。
助けて・・・!、と有希子が心の中で叫んだ刹那、男の、苦痛にうめく声が耳に入ってきた。
そっと目を開けると、目の前には先ほどまで自分に詰め寄ってきていた男が倒れていた。
その向こうでは、他の2人が揃ってさらにその向こうの人物を唖然と見つめている。
有希子は顔を確認できないが、男2人は見えるらしい。
何やら予想外の人物だったのか、異様に驚いた様子で立ち尽くしていた。
「・・・お、前、まさか・・・」
「あ、アイドルの、如月モモ!?」
男2人がそう言ったことで、有希子の脳裏には、1人の人物像が横切る。
-如月モモ
その独特の趣味やファッションセンスから、常にファンを惹きつける、国民的超人気アイドルだ。
実際に、有希子が頭に浮かべている人物と、男2人の向こうに立つ少女は同一人物だった。
少女、否桃は、ニコッと笑い、その後は鋭い目つきで男2人を睨みつけた。
やはり兄妹。
兄によく似たその鋭い睨みは、男2人を後ずさりさせた。
・・・が、結局はそこが限界だった。
桃は運動神経は良いが、喧嘩の経験など一回もないのである。
それに、兄のように冷静にこの場を凌ぐ判断を下せるような頭は、残念ながら桃は持ち合わせていなかった。
「(さて、どうしよっかなあ・・・)」
頭の中で必死に打開策を探す桃に、男2人は隙ありとでも言うように、つかみかかった。
「っやば・・・っ」
桃は反応に遅れ、避けようにももう手遅れだった。
ぎゅっと、目を閉じる。
桃が、心の中でその人の名前を呼んだとき、まるで見計らっていたかのように、その人は現れた。
「なっ・・・?」
ぎりっ・・・
「何してんだ?お前」
静かに問うその人物には、思わず震え上がる程の威圧感に満ちていた。
男たちを睨みつける瞳は、桃のそれとは比べものにならないくらいに、とんでもない怒気を含んでいた。
・・・どうやら、最高に機嫌が悪いらしい。
「おにい、ちゃん・・・」
桃が呆然と呟いたことで、唖然としていた有希子は、現れた人物が、如月モモの兄なのだと知る。
如月モモに兄がいるという事実は、初耳だったが、そんなことよりも有希子には、その人物の方が問題だった。
角度の関係で、顔が確認できたのである。
有希子が見たそれは、紛れもない、あの転校生の・・・
「如月君・・・?」
「・・・・・・やっぱりお前か・・・」
はあ、とめんどくさそうにため息を吐いた後、伸太郎は真剣な顔になり、さっさと桃を連れてどっか行けと、目配せしながら言った。
「で、でも・・・」
有希子はとっさに伸太郎も連れて行こうと手を伸ばしかけたが、桃にその手をつかまれ、結局その場を離れることになった。
道中、お兄ちゃんは大丈夫だからと、有希子を安心させるためか桃は笑っていたが、無理していることは、有希子にもわかった。
公園で、有希子と桃は、一緒に伸太郎を待った。
その後、無傷で戻ってきた伸太郎を見て、有希子は多少びっくりしたわけだが、伸太郎は何も言わず、有希子を家まで送り届けた。
家につき伸太郎と別れたところで、有希子はお礼を言うのを忘れていたことに気がついた。
だが、自宅謹慎が解かれれば、また学校で会えるだろう、その時にお礼を言おうと、有希子は考え、その日はそのまま眠りについた。
・・・・・・その時はまだ、伸太郎がそう簡単に人と関わるような人でないことを、有希子は知らなかった。
-to be continued-
今回も読んでくださって、ありがとうございます!
今回も前回同様、感想、または誤字脱字などの申告、お待ちしてます。
でもまあ、誤字脱字に関しては、なるべくないようにしなくちゃいけないんですけどね。
というわけで、ありがとうございましたー!